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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■宏池会政権の軌跡
芹川 洋一(日本経済新聞社論説フェロー)
▼5人の首相 その成功と失敗
池田勇人、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一、そして岸田文雄と5人の首相を生んだ自民党でいちばん古い派閥である宏池会。ハト派、リベラル、護憲派とみられているが、政権を担当したときはどうだったか。岸田はリアリズムの追求が宏池会の本質という。むしろ政治から経済へ、高度成長から低成長の財政運営へ、一国平和主義から国際貢献へと政策のギアチェンジをしてきたというのが記者の見立てだ。その成功と失敗の政権物語である。
日経BP 日本経済新聞出版 / 990円 / ISBN 429611865X
■プーチンの敗戦 戦略なき戦術家の落日
池田 元博(日本経済新聞社編集委員)
▼プーチン氏 なぜを解き明かす
ウクライナとの完全決裂、日米欧との関係悪化、国際的な孤立、経済の衰退、有能な人材流出……。戦争がどう決着しても、ウクライナに軍事侵攻したロシアは、失うものが圧倒的に多いはずです。ではなぜ、プーチン大統領は侵攻を決断したのでしょうか。バイデン米大統領は「根っからの悪党」と非難しますが、プーチン氏はもとから悪党だったわけではありません。同氏のこれまでを振り返り、なぜを解き明かそうとしたのが本書です。
日経BP 日本経済新聞出版 / 2640円 / ISBN 4296117572
■令和阿房列車で行こう
乾 正人 (産経新聞社特別記者、上席論説委員、コラムニスト)
▼ただただ汽車に乗って旅
前回、この欄で「自分の本を宣伝するのは、本当に恥ずかしいが、これまで出した4冊のうちで一番面白い」と書かせていただいたが、実は5冊目のこの本が一番面白いらしい。
内田百閒にあこがれる還暦男が、サンケイ君をお供にただただ汽車に乗って旅をする、というそれだけのお話。でも知人や親戚は「今度の本は(前のとは違って)、面白い」と言う。本人は、政治記者が本業だと思っていたのだが、そろそろ商売替えを考えてみるか。
飛鳥新社 / 1320円 / ISBN 4864109702
■ロシアより愛をこめて あれから30年の絶望と希望
金平 茂紀 (TBSテレビ「報道特集」特任キャスター)
▼ソ連消滅当時のモスクワ日誌と、今
30年ほど前に出版したモスクワ特派員日誌を、文庫本化したのには理由がある。現下のウクライナ侵略戦争だ。ふと30年前にウクライナの小さな農村に旅をしたことを思い出し読み返してみた。そして確信した。この戦争のまっただ中、憎しみと独善的な正義とシニカルな傍観が溢れている今だからこそ、ソ連消滅前後のロシアの人々の、理不尽で、おかしく、本音丸出しの生き方を伝え残すことは意味があると。
集英社 / 1056円 / ISBN 4087445674
■日本財団は、いったい何をしているのか 第八巻・日系人と日本
鳥海 美朗(産経新聞出身)
▼日系人と強固なスクラムを
今回で第八巻を数える日本財団のシリーズ本は、世界中に計約400万人が居住すると推定される日系人を対象にした支援プロジェクトをテーマにしている。本書に一貫しているのは、日本はもっと日系人と結束すべきだという論説である。いち早く読み切った先輩の元記者は感想文を送ってくれた。「日系移民に対する最大の支援とは、日本国自身が世界から尊敬されるような立派な国になることだ」。その通りだと思う。
木楽舎 / 1980円 / ISBN 4863241712
■戦時下のウクライナを歩く
岡野 直(朝日新聞出身)
▼市民から侵略の実態をきく
ウクライナの市民生活は、ロシアの侵略でどう変わってしまったのか。どんな心の傷をウクライナ人は受けているのか。ミサイル攻撃などに苦しむ市民を訪ね、インタビューをしたルポルタージュです。
南東部の港町マリウポリは建物の9割がロシア軍により破壊されてしまったとも言われます。その過程を聞き取り調査したほか、ロシア軍の占領統治下で起きているウクライナ人の拉致や尋問・拷問の実態についても尋ねました。
光文社 / 946円 / ISBN 4334046711
■壁を壊した男 1993年の小沢一郎
城本 勝(NHK出身)
▼「壊し屋小沢」原点の権力闘争
1993年の細川連立政権の成立から30年。「小選挙区制で自民党は分裂、政権交代と政界再編はセットで実現」と小沢氏は予言したが、自民党は連立で生き延び再び長期政権を築いた。政権交代は実現したが政界再編はまだ霧の中だ。55年体制の壁を壊した小沢氏の闘いは、壮大な失敗に終わるのか。それとも・・・。当時の取材メモを基に小沢番記者として見つめた永田町の熱い闘いをたどり直した。
小学館 / 1980円 / ISBN 4093891273
■学習院女子と皇室
藤澤 志穂子(産経新聞出身)
▼メディアが加害者、被害者に
小室眞子さんの結婚において、その意志の強さ、行動力に驚き、違和感を覚えた国民は多いだろう。皇族の女性が皇室を出たいがために、夫となる男性に米NY州の弁護士資格を取らせ、一緒に米国に渡り自由な生活を満喫するという前代未聞の展開なのだから。その「違和感」の背景を、「ノブレス・オブリージュの欠如」ととらえ、曾祖父から4代の学習院出身で、眞子さんの先輩にあたる筆者が分析した、学習院女子と皇室をめぐる物語。
新潮社 / 880円 / ISBN 4106110016
■ジャーナリズムのココロとワザ―東京新聞ウォッチ20年
橋場 義之(毎日新聞出身)
▼〝発表報道〟批判を超えるために
中日・東京新聞の社内報「紙面審査報」で2003年から22年までに連載したコラム計154本を加筆・修正して一挙掲載した。批評の対象は、イラク戦争や東日本大震災、改元などビッグニュースもあるが、むしろ大部分は、記者が日常的に扱っている〝普通のニュース〟。その報道の質を高めるためにはどうしたらいいか――ふだん忘れがちなプロとしての心構えやテクニック、特に取材対象の5W1Hすべてに疑問を持ち続け、想像力を働かせながら全体像に迫る姿勢を再確認してほしい。
論創社 / 2640円 / ISBN 4846022781
■昭和人の棲家 報道局長回想録
平本 和生(TBSテレビ出身)
▼偶然に残った資料から
新卒入社から半世紀TBSに在職した。三菱重工本社爆破事件取材で惨敗からの記者スタート。田中番記者、ベルリンの壁崩壊、プラザ合意、9・11、イラク戦争など取材資料を整理してみた。経営の立場では、楽天との委任状争奪戦もあり、実に多くの方々の支援を得た。「昭和人の棲家」としたのは、鬼籍に入られた方々の思いが、捨てずに残った資料でたどれると思ったのがその理由。挑戦した人々の息づかいを書き残したかった。
新潮社 / 1980円 / ISBN 4106110016