2025年07月24日 14:30 〜 16:00 10階ホール
「2025参院選:世論調査が語る民意」松本正生・埼玉大学名誉教授

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会見リポート

大敗の予兆 地方首長選に

山田 惠資 (時事通信社解説委員)

 日本人の政治意識や世論調査の分析、研究の第1人者で、日本記者クラブでの登壇は13回目となった。2010年に創設した埼玉大社会調査研究センターは20年にベンチャー企業化し、自ら代表取締役社長に就任。同社が実施するNTTドコモのスマートフォンのユーザーを母集団(約7400万人)とする調査方式「dサーベイ」は高い精度を誇っている。

 自民党大敗、与党過半数割れ―。こうした結果を生んだ先の参院選については「投票した人だけでなく、投票しなかった人たちの民意を読む必要がある。投票した人だけに焦点を当てた分析はしない」と力説した。世の中の民意全体は投票者と未投票者の双方で構成されているとの認識からだ。

 それは、永田町における権力闘争の図式を中心に据えて政局を捉えがちな今の政治報道への警鐘にも聞こえた。

 今回躍進した参政党については「既存の野党が壊せなかった自民党政治を容易に破壊してくれた」とし、有権者レベルで構造変化が起きていると分析した。

 予兆は今年4月に実施された地方の首長選挙、とりわけ市や町の小規模な自治体選挙で現職が新人に相次いで敗れたことに現れていたと指摘。そうした現象が全国的に発生し参政党の躍進をもたらした、との見立てだ。

 投票日前日に東京・芝公園で開かれた参政党の演説会については「集まった人たちにとって、前夜祭だった」と評した。事前の情勢調査から、すでに投票を済ませた支持者が多く参加したと推察されるためだ。

 一方、「日本人ファースト」を掲げた参政党が訴えた「外国人問題」が今回の大きな争点として取り上げられたことについて「ちょっと違う気がする。他の政党が過敏に反応し、政府も対策室を作ったため、どこも外国人対策を打たないわけにはいかなくなった。これは争点とは言えない」と疑問を呈した。


ゲスト / Guest

  • 松本正生 / Masao MATSUMOTO

    埼玉大学名誉教授/社会調査研究センター代表取締役社長 / professor emeritus, Saitama University / president, Social Survey Research Center

研究テーマ:参院選から読む民意

研究会回数:1

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