会見リポート
2026年01月19日
13:00 〜 14:30
10階ホール
「2026年経済展望 激動の世界と日本を読む」(1) 中空麻奈・BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部 副会長
会見メモ
BNPパリバ証券でグローバルマーケット統括本部副会長兼チーフクレジットストラテジスト兼チーフESGストラテジストを務める中空麻奈さんが「2026年のクレジット市場見通し~グレイ・スワンに備えながらのリスクテイク~」と題して話し、記者の質問に答えた。
司会 奥村茂三郎 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)
会見リポート
財政「確実に悪くなる」
小代田 淳一 (時事通信社編集委員)
長年、クレジットのアナリストやストラテジストとして債券市場を分析し、政府の経済財政諮問会議の民間議員も務めたBNPパリバ証券の中空麻奈グローバルマーケット統括本部副会長は、日本の財政について「しばらくは良くなるが、この後は確実に悪くなる」と強調した。その上で、「このことをメディアも私も国民に伝え切れておらず、大いに反省をし、今こそ言わなければいけない」と訴えた。
中空氏は、2026年のクレジット市場の見通しをテーマに会見。同年は、世界の経済は安定的な成長を継続し、物価に関してもそれほど特異なことはないとして、クレジットマーケットも「あまりすごいことは起きず、安定した相場になるのではないか」との見通しを示した。
そのような中で、起こりそうもないと考えられるが、起こってしまうと経済や市場に大きな影響を与えるリスクである「グレースワン(灰色の白鳥)」として、トランプ米大統領の政権運営による地政学リスクの増大や原油価格の変動、関税と移民の政策が米国経済に与える影響、人工知能(AI)バブル崩壊と中小企業向け貸し出しを原資とした証券であるプライベートクレジットの市場への連鎖などを検証した。
中空氏は、グレースワンの一つとして、「世界の財政膨張、債券市場と格下げ」も取り上げた。日本は、現状はまだ金利や円相場が低水準な一方、物価や経済成長率は上昇し、企業業績や税収は上がるため、財政を拡大してもそれほど悪化しない「財政ボーナス期」で、本当はこの2~3年の間に財政健全化を軌道に乗せなければいけないのに、衆院選に向け、主要な与野党がそろって消費税減税を訴えていることを批判。「将来を考えて選挙行動に出ようと、私も頑張って発信するし、メディアもぜひ発信を」と呼び掛けた。
ゲスト / Guest
-
中空麻奈 / Mana NAKAZORA
BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部 副会長
研究テーマ:2026年経済展望 激動の世界と日本を読む
研究会回数:1
