会見リポート
2026年03月18日
13:00 〜 14:30
10階ホール
「イスラエル・米の対イラン攻撃 背景と影響」(3) 松永泰行・東京外国語大学大学院教授
会見メモ
イスラエルとアメリカによる大規模攻撃からまもなく3週間を迎える。イラン側はホルムズ海峡を封鎖し、エネルギー価格を高騰させる「非対称の戦略」で対抗している。
現代イラン政治研究で名高い東京外国語大学大学院教授の松永泰行さんが、現在の状況をもとに、イラン側、イスラエル・アメリカ側の双方の目的や戦略目標を読み解くとともに、今後の見通しについて話した。
司会 出川展恒 日本記者クラブ企画委員(NHK)
会見リポート
「革命防衛隊が乗っ取ったイラン、何処へ」
原田 健男 (元JNNカイロ支局長)
「およそ30発の爆弾がイランの首都テヘラン中心部にある最高指導者の事務所と居宅群に打ち込まれ、最高指導者ハメネイ氏や軍幹部・家族などが殺害された」。現代イラン研究で名高い、東京外国語大学大学院の松永泰行教授は、今回の対イラン戦争の口火を切ったアメリカとイスラエルの2月28日の爆撃について、テヘランの知人から聞いた話として伝えた。
亡くなったホメイニ師の後継者として1989年に最高指導者となったハメネイ師だが、36年という長い月日の間に革命の熱気は次第に薄れ、気が付くとイラン国民を弾圧する立場になっていたのも事実である。松永教授は「今年1月行われた反政府デモでは革命防衛隊が非武装のデモ参加者に発砲し、7000~8000人の市民が殺害されたと聞いている」と説明した。後継者に任命された次男のモジタバ師については「革命防衛隊の裏方として活動を指揮してきた人物で、宗教指導者としての地位も高くなくイラン国民を束ねる力も人望もないだろう。彼が選ばれたのはもはや政府が革命防衛隊にコントロールされている証しだ」と語った。
さてこの戦争は今後どうなってゆくのだろう。松永教授は「ホルムズ海峡では撤去などコントロールが難しい機雷ではなく、ミサイルで通過船舶を攻撃する方法をとるのではないか。長期戦は難しく、相手方である米国やイスラエルの弾薬が不足してくるのを待って、終盤で早期停戦に向けて大攻勢をかけてくる可能性がある。イランが5~6週間以上戦い続けるのは難しいのではないか」との見通しを示している。
ゲスト / Guest
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松永泰行
東京外国語大学大学院教授
研究テーマ:イスラエル・米の対イラン攻撃 背景と影響
研究会回数:3
