会見リポート
2026年06月15日
13:30 〜 15:00
10階ホール
「アメリカ建国250年」(1) 久保文明・前防衛大学校長
会見メモ
アメリカ政治が専門の久保文明さん(前防衛大学校長、元東京大学教授、元慶応大学教授)が、入植・独立からの経緯を振り返りながら、トランプのアメリカをどう見るか、日本がとるべき姿勢などについて話した。
司会 伊藤宏 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)
会見リポート
対米関係「戦後最大の難問」
小林 史 (日本テレビ放送網報道局次長)
「トランピズムはいつまで続くのか?」。二期目就任以降、関税から移民政策、ベネズエラやイランへの攻撃に至るまで、世界を振り回し続けるトランプ氏。こんなアメリカに私たちはいつまで付き合わされるのか。今年「独立」から250年を迎えるアメリカは、自由・民主主義・平等といったアメリカ的理念に「目覚める時代」と「忘れる時代」を繰り返し、今はその谷間のサイクルにある、と久保氏は説く。第一次大戦以降、民主主義の普及を通じて「利他的な外交」をリードし、貧富の差や人種差別、ジェンダー格差の解消を進めてきたアメリカだが、その流れを全面的にひっくり返してきたのがトランプ氏だという。
そんなトランプ氏の支持率は政権発足以来の低迷にあえぎ、2028年大統領選では共和党の公認候補にとってトランプ氏の存在は重荷となる。ただ、民主党政権が復活したとしても、全てが元に戻るわけではなさそうだ。トランプ関税が生み出した既得権益や保守化した司法、ゲリマンダーと呼ばれる選挙区割り合戦などの激しい政党間対立は、トランプ氏が消えてもすぐにはなくならない。イデオロギー的分極化は今に始まったことではなく、1970~90年代にかけ徐々に現れてきた長期的なトレンドだからだ。
ただ絶望する必要はなさそうだ。久保氏は、いまのアメリカとの向き合い方は「戦後最大とも言える難問」としつつ、「この国の振れ幅は大きく、トランプ以前のアメリカが戻ってくる可能性もそこそこある」と希望を託す。中国が軍事的・経済的威圧を強める中、日本一国で安全保障を確保するのはますます困難だ。同盟は一度解消したら復活は容易ではない。であれば、トランプのアメリカと離婚するのではなく、しばらく別居するつもりで残り2年半をやり過ごしつつ、並行して理念を共にする同志国との関係深化を探ることこそ日本の生きる道なのかもしれない。
ゲスト / Guest
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久保文明 / Fumiaki KUBO
前防衛大学校長、東京大学名誉教授 / Former President, National Defense Academy
研究テーマ:アメリカ建国250年
研究会回数:1
