2026年08月25日 13:00 〜 14:15 9階会見場
「2026熊本地震」発生1カ月 日本赤十字社職員による報告会見 

会見メモ

熊本地震の発生から1カ月を迎えるのを前に、県の基幹災害拠点病院としてイオンモールの爆発による負傷者や被災病院から患者を受け入れてきた熊本赤十字病院院長の奥本克己さんと、被災地で救護・支援活動を展開する災害医療コーディネーターの植田信策さん、本社で支援活動の全体を統括する佐藤展章さんが登壇。10年前の熊本地震での対応がどう生きたのか、発生からこの間の医療活動や、救護・支援を振り返るとともに、今後留意すべき点などについて話した。

 

司会 行方史郎 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞社)

 

※写真左から佐藤さん、植田さん、奥本さん


会見リポート

栄養、活動量、睡眠確保を

佐藤 大介 (時事通信社社会部科学班)

 「被災者ファースト、何でもする」。最大震度7を観測した熊本地震で、日本赤十字社熊本県支部の災害対策本部が掲げた心得だ。2011年の東日本大震災や16年の熊本地震などを踏まえ、災害対応が着実に変化してきたことが印象に残った。

 日赤は全国から救護班などを派遣し、診療だけでなく段ボールベッドの設置や心のケアなど被災者の生活を幅広く支えた。今回の地震では、被災地からの要請を待たず物資を送る国の「プッシュ型支援」で水や食料などが届けられており、医師の植田信策・医療事業推進本部参事監は、輸送が難航した24年の能登半島地震と比べて「(支援が)格段に早い」と評価した。

 一方、発生から1カ月を迎えるのを前に、新たな健康リスクも懸念される。植田氏は、高齢者が十分な栄養を取れず、活動量も減ることで筋力が低下し、誤嚥性肺炎につながる恐れを指摘。睡眠不足やストレスによる心不全のリスク上昇にも警戒を呼び掛け、「できるだけ普通の生活に戻していくことが必要」と強調した。車中泊を続ける人は健康状態を把握しにくいことも課題という。

 熊本赤十字病院(熊本市)は16年の地震では病院自体が被災し、被災地に救護班を出すまでに約1カ月かかった。その後、事業継続計画(BCP)を訓練を通じて改訂。今回は被害が少なかったこともあり、患者を受け入れるだけでなく、1週間ほどで派遣を開始できたという。

 それでも想定外は起きる。奥本克己院長によると、イオンモール熊本(同県嘉島町)の爆発事故や、入院患者を別の医療機関に移す「病院避難」が地震当日から始まったことは想定していなかった事態で、「経験した以上、これが想定内になる」と語った。過去の災害でできなかったことを検証し、次の備えにつなげる。その繰り返しが災害対応を強くしていくのだと感じた。


ゲスト / Guest

  • 佐藤展章 / Nobuaki SATO

    日本赤十字社事業局救護・福祉部長

  • 植田信策 / Shinsaku UEDA

    日本赤十字社医療事業推進本部参事監

  • 奥本克己 / Katsuki OKUMOTO

    熊本赤十字病院院長

研究テーマ:2026熊本地震

前へ 2026年09月 次へ
30
31
1
2
4
5
6
10
12
13
15
16
18
19
20
21
22
23
26
27
1
2
3
ページのTOPへ