会見リポート
2026年09月11日
14:00 〜 15:30
10階ホール
「どうなる成年後見」(4) 山野目章夫・早稲田大学法学学術院教授
会見メモ
認知症などで判断能力が低下した人の暮らしを支える「成年後見制度」を見直す改正民法が成立し、2028年内にも施行される見通し。
法制審議会(民法部会)部会長として、今回の制度見直しに向けた案を取りまとめた早稲田大学法学学術院の山野目章夫教授が、「成年後見制度改革の課題と展望」をテーマに登壇。だれが補助人になるのか、これまでの制度にあった市民後見人はどうなるのかなど、成年後見制度改革に関する25個の問いを提示し、どのように考えるべきかを解説した。
司会 小林伸年 日本記者クラブ企画委員(時事通信社)
会見リポート
短い準備期間、現状は待ったなし
迫田 朋子 (NHK出身)
成年後見制度が大きく変わる。
2000年にスタートした介護保険でサービス利用が措置から契約へと変わったことに伴い、認知症など判断能力が低下した人のためにと創設された制度であったが、とにかく利用しにくく評判が悪かった。
山野目氏は、問題だった三つの「でも」が改められると説明した。ひとたび後見人が決まると「なんでもでき」「無断でもでき」「いつまででも続く」というこれまでの問題点が、不動産売買、施設入所など必要な事案が起きたときのみ利用する制度となる。何よりも本人の意思の尊重が真っ先にかかげられた。本人の意向を把握すると言いかえた方がわかりやすいかもしれないと山野目氏は語った。
会見自体が問いに応える形で構成されており論点が過不足なく、時には架空ではあるが具体的な事例も交えて話された。法改正を議論した審議会で部会長を務めてこられたこともあり、真打登場といった感じであった。
判断能力がないと一刀両断に決めつけるのではなく本人の意思を尊重することは福祉や医療の現場では試行錯誤しながらすすめられてきた。意思決定支援がいかに重要で難しいかは現場がよくわかっている。認知症高齢者や障害者と伴走しながら大きな決断を伴うポイントで成年後見制度を利用する、という新たな仕組みをどう整えられるのかが問われる。同時に行われた社会福祉法改正とのすみわけ、地域福祉の充実、など課題は山積している。
重要なのは、関係者における共通理解の形成だと山野目氏は指摘した。司法、福祉だけでなく、金融機関や医療、消費者保護など様々な観点からの対応が求められる。
法改正から2年半で施行となる。本気で準備するには短すぎると山野目氏も認めているが、これ以上先延ばしはできない、とも。増え続ける認知症高齢者、身寄りなし問題など、現状は待ったなし、だ。
ゲスト / Guest
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山野目章夫 / Akio YAMANOME
早稲田大学法学学術院教授
研究テーマ:どうなる成年後見
研究会回数:4
