会見リポート
2026年09月03日
15:15 〜 16:45
9階会見場
「なぜ今、特別市なのか?」(1) 福田紀彦・川崎市長
会見メモ
人口減少下における統治機構の在り方に関し、国の地方制度調査会は①小規模市町村の仕事をどのように補完していくか②特別市創設の是非-をめぐる議論を始めた。
指定都市市長会の「多様な大都市制度実現プロジェクト」担当として、特別市の議論をとりまとめを担う福田紀彦・川崎市長が、「『特別市』が拓く持続可能な我が国の発展」と題して話した。
司会 小林伸年 日本記者クラブ企画委員(時事通信)
会見リポート
人口減下 行政最適化の道
小林 剛 (神奈川新聞社川崎総局)
「特別市は大都市だけが得をする制度ではない。人口減少時代に行政をどう最適化するのかという議論だ」。日本記者クラブで会見した川崎市の福田紀彦市長は、法制化を目指す特別市制度をこう位置付けた。
少子高齢化と人口減少は待ったなし。自治体は限られた人材と財源で行政サービスを維持することを迫られている。特別市構想は単なる権限移譲の議論ではない。人口減少時代に、戦後から続く地方自治の仕組みを維持できるのか。その危機感がそもそもの議論の土台になっている。
すでに自治体運営を担う人材の奪い合いは始まっている。地方公務員の確保が難しくなれば、道路や上下水道などのインフラ維持や医療、福祉といった行政サービスそのものが立ち行かなくなる恐れがある。福田市長は、限られた人材と財源を有効活用するため、政令市と都道府県の役割を整理する必要性を訴えた。
現在、幼稚園と保育所、防災、感染症対策、交通安全など、多くの分野で県と政令市が行政を担う現状があり、「二重行政」の解消を重視する。一方で、財政への影響を巡っては神奈川県と横浜、川崎、相模原の3政令市の試算は食い違う。福田市長は双方が前提条件やデータを公開し、冷静に検証すべきだと求めた。
質疑では、市民の関心の低さや投票率の低迷を指摘する声も出た。制度の議論は複雑で、日々の暮らしとの接点も見えにくい。県側からは財源や広域行政への影響を懸念する声も上がる。しかし、人口減少や公務員の人材不足による影響は、10年、20年先の未来でより深刻になることが予想される。福田市長は危機感をにじませた。「今あるパイは現状よりも小さくなる。パイを大きくしないと、この国は本当に厳しい」
制度疲弊が目に見える形で現れる前に、どんな自治のあり方を選ぶのか。その答えを探す議論はスタートラインに立ったばかりとも言える。
ゲスト / Guest
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福田紀彦 / Norihiko FUKUDA
川崎市長 / mayor, Kawasaki City
研究テーマ:なぜ今、特別市なのか?
研究会回数:1
