会見リポート
2026年09月25日
14:00 〜 15:00
10階ホール
伊藤学司・文化庁長官 会見
会見メモ
今年4月、文部科学省(旧文部省)の出身者としては16年ぶりに、文化庁長官に就任した伊藤学司さんが、「文化芸術と経済の好循環に向けて」と題し、文化芸術行政の取り組みや今後の方向性などについて話した。
質疑応答では、建て替え工事の入札が2度にわたり不調に終わった国立劇場についてや、国立映画アーカイブが運営資金を募るためにクラウドファンディングを実施していることなどについての質問が相次いだ。
司会 中村正子 日本記者クラブ企画委員(時事通信社)
会見リポート
文化と経済の好循環に意欲
森田 睦 (読売新聞社文化部)
「文化予算を大幅に引き上げ、着実に施策を実行していく」。今年4月、文部科学省出身の行政官として16年ぶりに文化庁長官に就任した伊藤学司氏は、「文化芸術立国」を実現するための自身の使命を語った。
1000億円台で推移し、フランスや韓国など文化に力を入れる諸外国に比べて少ないとされる文化庁予算の拡充は喫緊の課題。来年度概算要求では2335億円を計上したことを報告した。重点施策として、アニメやマンガ、映画、ゲームなどコンテンツ産業の海外展開と人材育成を挙げ、クリエイターなどの育成支援に649億円を要求していることを説明した。
コンテンツ産業は、政府が成長戦略の対象として掲げる17分野の一つで、他省庁と連携して振興していることに触れつつ、その中で文化庁の役割は「優れたものを生み出す人材を育て、文化を作ること」とし、「文化芸術と経済の好循環」の推進に意欲を示した。
また、食文化をはじめとする生活文化の振興にも注力するとし、今秋にも生活文化分野で初となる人間国宝の認定や「食の至宝」の顕彰を行う方針を説明した。
質疑応答では、2度の入札不調で建て替えが遅れている国立劇場(東京都千代田区)の再整備問題が焦点となった。2033年度の再開場を目指していて、23年10月の閉場以来約10年間の空白が生じることについて、「これまでの入札への取り組みには、反省すべき点もあった。大変申し訳ない」と陳謝した。
そのうえで、国立劇場を「伝統芸能の継承拠点であり聖地」と位置づけ、「10年空いたとしても、良いものを作っていかなければいけない」と語り、3度目の入札に不退転の姿勢で臨み、再整備を完遂する決意を示した。
「文化芸術立国」に向け、文化庁が担う役割と課題は多岐にわたる。
ゲスト / Guest
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伊藤学司 / Gakuji ITO
文化庁長官 / Commissioner for Cultural Affairs
