2026年08月25日 15:00 〜 16:30 9階会見場
「2026熊本地震」遠田晋次・東北大学災害科学国際研究所教授

会見メモ

地震地質学が専門で、2026年5月から日本活断層学会の会長を務める。

現地での断層調査も踏まえ、今回の発生のメカニズムや特徴、今後留意すべき点などについて話した。

 

司会 滝順一 日本記者クラブ企画委員

 


会見リポート

活断層情報、どう生かすか

佐々木 英輔 (朝日新聞社編集委員)

 「熊本地震はまだ終わっていない」。10年前の地震以降、遠田教授はこう警鐘を鳴らしてきた。活断層の日奈久断層帯付近は地震活動が活発な状態が続いていること、断層によるずれも危険で、高速道路と交差していることも講演で伝えてきた。

 そして7月28日、懸念が現実になった。震度7の揺れが襲い、地面がずれて高速道路や水道が寸断、断層直上の小学校校舎も壊れた。

 日奈久断層帯はなお「割れ残り」が要警戒だ。活断層は全国各地に分布し、直下で大きな地震を起こす。

 「小さい地震が増えるほど大きな地震も起こりやすくなる。そこに活断層があればなおさら」。これが会見で強調したメッセージだ。

 大小の地震の割合は大体決まっている。ダーツを何度も投げると的に当たるように、小地震が多いと大地震も起きやすい。ある断層が動けば周りのひずみが変化し、ドミノ倒しのように連鎖することもある。

 能登半島地震も、群発地震が続くさなか、近くの活断層の破壊が一気に連鎖した。熊本は10年の間隔が空いたが、数千年単位で動く活断層にとっては「ほんの一瞬」という。

 観測網は整備され、周りの断層が受けた影響も計算できる。地震予知連絡会会長でもある遠田さんは「予知はできないが、このあたりが懸念されるという予測的なものは少しずつできつつある。それを防災にどう生かすかがポイント」と語った。

 とはいえ、地震は不意打ちで起こる。質問が相次いだのは、活断層近くの土地利用規制やずれ対策のあり方だ。遠田さんは「しっかり議論しないといけない」「避けるのが一番」としつつ、調査の精度や、避けられない水道、道路、鉄道などの課題も口にした。「断層の情報をしっかり伝えることが、まず重要」

 その情報をどう受け止め、備えるか。阪神・淡路大震災から日本社会が問われ続けてきた課題である。


ゲスト / Guest

  • 遠田晋次

    東北大学災害科学国際研究所教授

研究テーマ:2026熊本地震

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