2026年06月22日 13:00 〜 14:30 10階ホール
「イスラエル・米の対イラン攻撃 背景と影響」(11) 三牧聖子・同志社大学大学院教授

会見メモ

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究が専門の同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授の三牧聖子さんが、「イラン戦争はアメリカ、世界をどう変えるか?」をテーマに登壇。アメリカ外交の観点からトランプ政権がイラン戦争に突入した目的や国内の動き、この戦争がアメリカ、世界をどう変えるのかといった点について話した。

三牧さんは19日に編著書『「アメリカの戦争」と世界危機』(岩波新書)を上梓した。

 

司会 出川展恒 日本記者クラブ企画委員(NHK)


会見リポート

米国の変容と、その先の世界

下道 佳織 (共同通信社外信部)

 独立宣言から今年で250年となる米国は今後、どのような道を歩むのか。同志社大学大学院の三牧聖子教授は、現在の米国が「力の限界」を認識し、国益を第一に考えた外交にシフトしていると指摘する。さらに、今年2月に始まったイランとの戦闘は米国の衰退に拍車をかけ、国内での親イスラエルが揺らいでいると述べる。

 トランプ大統領は2024年の米大統領選挙で「平和の大統領になる」と約束し、民主党のカマラ・ハリス候補を破り当選した。だが、今年1月にはベネズエラへの軍事行動に踏み切り、2月からイランへの攻撃を始めた。米国内ではイラン戦争の支持率は3割台で、この数字はベトナム戦争撤退時の支持率と同等であり、三牧氏は「米国の歴史上、極めて国民に支持されなかった軍事行動」と評価する。6月、米国とイランは戦闘終結の覚書に署名したが、イランが主張してきた内容が多く反映され、ホルムズ海峡の封鎖によって米国民はガソリンや肥料の価格高騰に苦しんだ。「何の利もない戦争がイスラエルの働きに感化された米大統領によって引き起こされたとの感覚は、党派を超えて共有されている」とする。

 今年実施された世論調査の結果を見ると、親イスラエルの米国内でパレスチナ支持がイスラエル支持を上回っているという。共和党、民主党の政治家ともにイスラエル・ロビーと深い関わりを持ってきたが、近年はイスラエルへの軍事支援やイランとの戦闘を批判する候補も出ており、今年11月の中間選挙で注目したいポイントである。

 三牧氏は今後、米国が世界を管理するとの秩序は存在しないと認識する必要性を説く。特に、同盟国である日本はその「ノスタルジー」から脱して「米国の脆さ」を受け入れ、「今後多極化する世界で果たせる役割について考えてかなければいけない」と警鐘を鳴らした。


ゲスト / Guest

  • 三牧聖子 / Seiko MIMAKI

    同志社大学大学院教授 / Professor,Graduate School of Global Studies, Doshisha University

研究テーマ:イスラエル・米の対イラン攻撃 背景と影響

研究会回数:11

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