会見リポート
2026年06月18日
15:00 〜 16:30
9階会見場
「史上初のAI戦争 ~AIとロボットの戦場~」秋元千明・英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)日本特別代表、特別名誉フェロー
会見メモ
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)日本特別代表の秋元千明さんが、「史上初のAI戦争」と題し登壇。AIとロボットによる戦争が、ウクライナ戦争での実験運用、アメリカによるベネズエラ攻撃での予行演習を経て、イラン戦争で本格運用に至った過程を、実際の戦場の映像などを交え詳説。西側先進国は軍隊の兵員不足に直面する一方、安全保障上の脅威が高まる中で「抑止力を維持・向上させるために人間の代わりになるシステムが必要となるのは、安全保障上の必然」。戦争は全領域・自律・AIが主導する第6世代時代に入ったとした。
司会 佐藤千矢子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞社)
※ゲストの希望によりYouTubeでのアーカイブ配信は行いません。
会見リポート
圧倒的戦力差生むAI兵器
遠藤 良介 (産経新聞社外信部長兼論説委員)
ロシアによるウクライナ侵略戦争の技術的側面を、第一人者の秋元千明氏が映像・画像を豊富に使って解説した。ドローン(無人機)が戦場の主役と化していることは人口に膾炙しているが、ウクライナ軍の戦いに人工知能(AI)が浸透している実態はあまり知られていない。
ウクライナ軍のFPV(一人称視点)ドローンがロシア兵を追跡して爆撃する映像はさながらテレビゲームのようだ。だが、起きていることはそれだけではないと秋元氏はいう。ウクライナ軍はいくつかの層から成るAIシステムを情報分析や敵識別、攻撃に使っており、それは米企業パランティアのAI指揮統制プラットフォームとも連携している。
ウクライナ軍の戦いを全体的に支えているのが「デルタ」と呼ばれる戦域情報分析システムだ。衛星やドローンの映像を統合し、広大な戦場を監視・分析している。攻撃の段でも、ドローン管理システムや無人機AIが実用化されている。意思決定の速度はけた違いに短縮され、領域横断の同時攻撃が可能になった。
ウクライナ軍は最近、ロシア軍の兵站ルート遮断やロシア領深部への攻撃で戦況を好転させているが、その背景にはAIと無人機システムがあるという。
秋元氏は米軍によるベネズエラやイランに対する作戦にAIが本格使用された実情も解説し、今日の戦争はAIの自律的行動や多次元統合戦を特徴とする「第6世代の戦争」だと定義。軍事用AI技術を持っているか否かで圧倒的な戦力差が出るため、20世紀の核兵器にも似て、「軍事用AIが21世紀の新しい抑止力になるのではないか」と指摘した。
軍事用AIの問題点や危険性が指摘される昨今だが、原子力・核技術と同様に「功罪がある」と秋元氏は語った。国際的規制に関しては機が熟していないとの見解だった。
ゲスト / Guest
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秋元千明 / Chiaki AKIMOTO
英国王立防衛安全保障研究所日本特別代表、特別名誉フェロー / Distinguished Fellow (Special Representative to Japan), Royal United Services Institute for Defence and Security Studies, UK
研究テーマ:史上初のAI戦争 ~AIとロボットの戦場~
