2026年06月10日 15:30 〜 16:30 10階ホール
シーハサック・プアンゲートゲーオ・タイ副首相兼外相 会見

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会見リポート

日中関係「着地点見いだして」

市川 真也 (共同通信社外信部)

 駐日大使の経験もあるシーハサック氏は穏やかな口調で話し始めた。現政権の安定的運営を背景に今後の経済成長に自信をのぞかせ、農業や観光での強みを矢継ぎ早にアピールしていた。

 だが、シーハサック氏の発言で注目されたのはやはり2つの隣国に対する発言だろう。

 軍事政権が形だけの「民政移管」をしたミャンマーについては、今の現実を各国が受け止めるよう促した。東南アジア諸国連合(ASEAN)は記者会見時点でミャンマー首脳や閣僚の主要会議出席を拒否しているが、シーハサック氏はミャンマーの孤立が地域の平和と安定を脅かすことになると指摘。国際社会の舞台に「完全復帰」できるよう支援していく姿勢を改めて強調した一方で、ミャンマー側に対しても暴力行為を減らすことや対話を重視するといった信頼回復への努力を求めた。

 軍事衝突の後に停戦状態が続くカンボジアについては、停戦を持続的な和平につなげていくことが必要との認識を示した。同時に、国際的な場でカンボジアがタイについて「真実ではない話」をしているとの批判も展開した。共通の課題としてミャンマーやカンボジア国境にある特殊詐欺やサイバー犯罪の拠点への対処を挙げ、日本の協力にも期待を寄せた。

 よどみなく話していたシーハサック氏が言葉を選びながら一段と慎重に述べたのは、日中関係の話題だった。台湾を巡る日中間の問題解決方法に関して問われた際には「互いに受け入れ可能な着地点を見いだしてほしい」とした。台湾を巡る二国間関係は、単に日本と中国だけの問題にとどまらない。シーハサック氏の言葉に全てが詰まっている。「厳しい時代だが関係の安定化を期待する。そのことがこの地域(ASEAN地域)の平和と安定につながる」


ゲスト / Guest

  • シーハサック・プアンゲートゲーオ / Sihasak Phuangketkeow

    タイ副首相兼外相 / Deputy Prime Minister and Foreign Minister, Thailand

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