会見リポート
2026年03月06日
13:30 〜 15:00
10階ホール
「歴史的転換点に来たフュージョンエネルギー開発」小西哲之・京都フュージョニアリング代表取締役 会長 CEO
会見メモ
40年超にわたり核融合の技術研究に従事し、現在は京都フュージョニアリングの京都フュージョニアリング代表取締役 会長 CEOを務める小西哲之さんが「歴史的転換点に来たフュージョンエネルギー開発」をテーマに登壇。二酸化炭素(CO2)の削減と高まるエネルギー需要の中での核融合のメリット、フュージョンエネルギーをめぐる新たな流れや今後の展開などについて話した。
司会 永山悦子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞社)
会見リポート
発電実証 2030年代に
三井 誠 (読売新聞社調査研究本部主任研究員)
45年にわたって核融合研究に取り組んできた小西哲之氏は謝罪から会見を始めた。「20~30年先、もうすぐ出来ると言ってやってきて、出来てない。答えが出ないまま、税金を使ってきた」と振り返った。こうした歴史を踏まえ、新たな解決策をもとに技術開発を進めていることを紹介したいと話した。
まず現代のエネルギー問題を俯瞰し、かつて言われた化石燃料の枯渇の恐れは当面なく、問題は、燃やすことで出るゴミとも言える二酸化炭素(CO₂)を捨てられず、エネルギーが使えなくなることだと指摘した。
大気中のCO₂濃度の上昇に伴う地球温暖化が進む中、化石燃料はもはや資産ではなくなり、CO₂を出さないエネルギー源として、核融合エネルギー(フュージョンエネルギー)への投資が世界的に拡大している。
核融合では、海水に豊富にある重水素などの燃料1㌘から、石油8㌧分のエネルギーを生み出せる。エネルギーの源泉は、「資源」から「技術」へと変革するとの見方を紹介した。優位を保つ国は、資源を持つ国から、技術を持つ国へと変わる。
こうしたエネルギー問題の変遷と同時に起きているのが、核融合などの最先端科学の担い手が、新技術に挑戦できるスタートアップに移行していることだという。小西氏が代表取締役会長CEOを務める「京都フュージョニアリング」では、日本の素材産業や加工技術の強みを生かした連携を進め、核融合技術の確立を目指している。同社などが参画する産学連携の「FASTプロジェクト」は、2030年代の発電実証を見込む。
会見後、司会者が「核融合は、逃げ水のように、できると言っても遠くに完成が行ってしまうというイメージがある。FASTプロジェクトの見通しはどうか」と質問。小西氏は国際熱核融合実験炉(ITER)の実績などを踏まえることで「若干遅れることはあっても、2040年までの発電実証は高い確率で出来る」と自信を見せた。
ゲスト / Guest
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小西哲之 / Satoshi KONISHI
京都フュージョニアリング代表取締役 会長 CEO
研究テーマ:歴史的転換点に来たフュージョンエネルギー開発
