会見リポート
2026年03月24日
14:00 〜 15:30
9階会見場
「中国で何が起きているのか」(33) 小原凡司・笹川平和財団上席フェロー
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会見リポート
大国同士の世界秩序を追求
倉澤 治雄 (科学ジャーナリスト 日本テレビ放送網出身)
仮に「台湾有事」が「日本有事」であるならば、中国の意図と力量を推し量ることなしに、安定かつ継続 した日中関係は成立しえない。シリーズで展開されている「中国で何が起きているのか」の33回目は海上自衛隊出身で笹川平和財団上席フェローの小原凡司氏が中国の「意図」と「力量」について軍事的視点から語った。
小原氏は「米中グランド・バーゲニング」という言葉で、中国の「意図」を表現した。「米中グランド・バーゲニング」とは米中が相互干渉せず、それぞれが目的を追求できる大国同士の世界秩序である。実現には米国トランプ政権との「ディール」が必要であり、ディールを有利に進めるためにも、経済力、軍事力を誇示する必要があるというのが小原氏の見立てである。
とくに軍事力については、核抑止力では一定の水準に達したものの、中国には通常戦力で米国を攻撃する能力がないことから、空母打撃群の構築により、北米東海岸に到達する能力を追求していると分析する。
また中国は核戦力について「先制不使用」と「最小限抑止」を基本として、「核軍拡競争」に参加しないなどとうたっている。しかし、600個の核弾頭を保有し、「毎年100個ずつ増やしている。現実と矛盾する」と小原氏は指摘する。
また2027年に中国が台湾に武力侵攻するとの説については、「私自身、以前からあり得ないと主張してきた」と語るとともに、「中国指導部は2027年までに台湾侵攻を実行する計画はない」とした米国情報長官室の「年次脅威評価2026」とも整合すると語った。
会見では豊富な写真で空母打撃群や軍事演習の実態が紹介されるとともに、現在進行中の人民解放軍の大粛清、中国が重視する知能化戦争の実態、北極圏での米中ロの動向、全国人民代表大会での習近平主席の演説内容などについても詳しい解説が聞かれた。いま中国の動向から目が離せない。
ゲスト / Guest
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小原凡司 / Bonji OHARA
笹川平和財団上席フェロー / Senior Fellow, The Sasakawa Peace Foundation
研究テーマ:中国で何が起きているのか
研究会回数:33
