2025年12月10日 14:00 〜 15:30 10階ホール
更田豊志・原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)廃炉総括監 会見

会見メモ

前原子力規制委員会委員長で、現在は原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の廃炉総括監として、東京電力福島第一原子力発電所(1F)の廃炉を監督・指導するとともに、廃炉プロセスへの理解を深めるため、福島県内で対話活動を行っている。

今年8月、東京電力は3号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の本格的な取り出しの開始時期が、当初の2030年代初めから37年度以降になると発表した。政府と東電が掲げてきた「2051年の廃炉完了」という目標も揺らぎつつある。

今回の見直しはデブリ取り出しの準備工程にかかる期間を「12~15年」としたことによる。更田さんは「あくまでも取り出しまでの難しさのみを考えて作った行程」と説明。取り出し作業に着手したのちも、取り出した廃棄物をどう管理するのか、建物を解体したときの廃材をどうするのかなど、「廃棄物への対応はさらに難しいチャレンジになる。革新的な保管方法も必要になる」との考えを示した。

来年3月11日には事故から15年を迎える。「緊急対応に追われる状況から、ようやく計画を立てて廃炉を進められる状況になってきた」とこれまでを振り返った上で、「私は思考様式として、どれだけ対策をとっても事故は起きるものと考えている。電気事業者、規制当局が正しい緊張感、正しい決意のもとで原子力発電所を運用することが重要」と述べるとともに、メディアや社会に対して「(両者が)過度に慢心することがないよう関心を寄せ続けることが大切になる」と強調した。

 

司会 滝順一 日本記者クラブ企画委員


ゲスト / Guest

  • 更田豊志 / Toyoshi FUKETA

    原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)廃炉総括監

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