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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■韓国消滅

鈴置 高史(日本経済新聞出身)

▼李朝末期、再び

 韓国の危機を書いた。世界最悪の出生率により経済規模が縮む可能性が高い。内政は左右対立が激化する一方で、検察を私物化し反対勢力を陥れるのが常態化した。外交面では二股に失敗し、米中双方から軽んじられるに至った。というのに韓国の指導層は「日本を超える民主主義を実現」「米中を操る天才的外交」と自画自賛するばかり。世界情勢が激変する中、内紛に明け暮れたあげく亡んだ李朝末期を思い起こさせるものがある。


新潮社 / 968円 / ISBN 4106110571

■人事と権力─日銀総裁ポストと中央銀行の独立

軽部 謙介(時事通信出身)

▼日銀の「独立性」と総裁人事

 いつの世も耳目を集めるのが人事。「茶坊主のA部長が栄転するらしい」「B次長転勤の裏には不祥事があったそうだ」。会社の廊下や給湯室で、そして夜の居酒屋で、こんな会話が繰り広げられる。ただ、誰がどこに飛ばされようと「コップの中の嵐」で済むサラリーマン社会と、国民生活を左右する組織のトップ人事では意味が違う。日本銀行の独立性と総裁人事の政治化。そんなテーマに取り組んでみました。ゴシップ系は避けながら。


岩波書店 / 2750円 / ISBN 400061648X

■それでも昭和なニッポン 100年の呪縛が衰退を加速する

大橋 牧人(日本経済新聞出身)

▼悪弊先送りの日本社会に警鐘

 岸田文雄首相が自民党総裁選への不出馬を表明した。派閥裏金問題などで内閣支持率が低迷し、高まる党内の危機感に押し切られた形だ。昨年来、この政治とカネをはじめ、ジャニーズ創業者による児童性加害、大手メーカーの認証不正など、各界で次々と不祥事が噴出している。

 これらの問題の多くは、昭和や高度成長期以来、解決を先送りにしてきた悪弊、負の遺産ではないか――。そんな危機感から、「昭和100年」と「戦後80年」が重なる2025年を前に、しぶとい〝呪縛〟に警鐘を鳴らし、突破口を探る。


日本経済新聞出版 / 1045円 / ISBN 4296120697

■記事で綴る私の人生ノート

三山 秀昭(読売新聞出身、広島テレビ顧問)

▼真相と深層 原稿からみた人生史

 かつての自らの原稿をそのまま晒した人生史。学生時代にチェコ事件に遭遇したルポ、田中角栄首相退陣の真相を本人から聞き出しながらボツになった原稿、レーガン米大統領に変造紙幣を手渡した逸話、読売グループ総帥・渡邉恒雄主筆の秘書時代の話、ジャイアンツ球団代表としての「異文化体験」、長嶋茂雄が病に倒れた主因、新聞からテレビへのトラバーユ、広島テレビ社長としてオバマ米大統領を広島に呼び寄せた真相と深層、今春、叙勲を受け、天皇陛下への拝謁を詳述したルポルタージュ……。


文藝春秋 / 3333円 / ISBN 4160090680

■聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか

船津 靖(共同通信出身)

▼米国の「偏愛」の背景 

 米国とイスラエルの「特別な関係」の背景を、キリスト教(旧約/新約)とユダヤ教(旧約)の錯綜した歴史にさかのぼって考察した。①旧約の「約束の地」(オバマの回想録の題)に象徴される両国の建国神話の類似性、②トランプ支持者に多い福音派の黙示思想、終末論の2つを軸に同盟の構造を整理。終章でガザ戦争や国際法について書きながら、占領もテロも批判する自分は国際人道法を重視する立場だとわかった。

 


河出書房新社 / 979円 / ISBN 4309504515

■未来への遺言 いま戦争を語らなきゃいけない

前田 浩智(毎日新聞社主筆)

 砂間裕之同社取締役との共著

▼日本の針路 みんなで議論を

 戦争を避けようとする構造が日本の中で弱まっているんじゃないか。言いようのない危機感が出発点だった。だったら、戦争から目をそむけず、いま一度語り合ってみよう! そんなコンセプトで本著を刊行した。ノンフィクション作家、保阪正康さんへのインタビューは7時間に及び、昭和史や戦争に関する重量感ある「遺言」のような知見を聞くことができた。混迷深まる世界だからこそ、日本の針路をみんなで議論することを願っている。

 


晶文社 / 1980円 / ISBN 4794974302

■それでもなぜ、トランプは支持されるのか アメリカ地殻変動の思想史

会田 弘継(共同通信出身)

▼トランプ氏登場は「結果」

 トランプは病因ではなく病状、つまり原因ではなく結果です。日本ではそれが理解されていない。トランプが民主主義を破壊しているというよりも、民主主義が壊れてしまったからトランプが登場したと考えるのが妥当です。

 米国政治を思想史面で追ってきた視点で、繰り返されるトランプ現象の意味を説明しました。新聞TVが伝えない深層を考えたい方にお薦め。前著『破綻するアメリカ』(2017年、岩波現代全書)と併読してください。


東洋経済新報社 / 2640円 / ISBN 4492444823

■「時代」を切り拓いた女性たち 国境を越えた14人の闘い

原野 城治(時事通信出身)

▼「女性の時代」へ壁を打ち破る 

 国内政治の不信拡大で、政界にもようやく「女性の時代」の到来が予感される。本著はそんな趨勢の中、明治から平成まで、日本と世界をボーダーレスに生きた女性の列伝を収める。津田梅子から川上貞奴、市川房枝、加藤シヅエ、緒方貞子まで、「逆境の時代」を生き抜けた女性たち14人。留学、海外公演、国連機関での活躍など男性支配が当然だった時代、彼女たちの生涯は戦いの連続だった。日本を変えた彼女らに、今こそ学ぶ。

 


花伝社 / 1980円 / ISBN 4763421212

■ジャーナリストの条件 時代を超える10の原則

ビル・コバッチ、トム・ローゼンスティール著

澤 康臣(共同通信出身)訳

「報道は何のため」に答える 

 米ジャーナリズムの定番書である。報道の目的の定型句は「権力監視」「弱者の声を伝える」「社会の変化を知らせる」。でもそれ自体は何のため、誰のためか? この本が、核心となる考えを示す。市民が自由でいられ、自治ができるための情報提供―市民自ら動く民主主義こそジャーナリズムの存在理由であると。すなわち、ジャーナリズムを領導者のようにみて何かを「してあげる・してくれる」論に陥らないための原則書でもある。


新潮社 / 2750円 / ISBN 4105074113

■駅メロものがたり 人とメロディの中心に鉄道があった

藤澤 志穂子(産経新聞出身)

▼駅のメロディと街おこし 

 全国18駅のメロディと街おこしのエピソードを紹介。列車の発着時に流れる「駅メロ」は日本独自の鉄道文化で、市民が発案、自治体や鉄道会社を動かし、アーティストが寄り添っていく経緯は、JR仙台駅「青葉城恋唄」(仙台市)など有名な観光地のみならず、JR水沢江刺駅「君は天然色」(岩手県奥州市)、JR杵築駅「おかえりの唄」(大分県杵築市)など、何の変哲もない街でこそ際立つ。地域活性化のヒントともなる新書。


交通新聞社 / 990円 / ISBN 4330021242
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