マイBOOK マイPR

会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■椿飛ぶ天地

滑志田 隆(毎日新聞出身)

▼漱石の俳句巡る友情の軌跡 

 小説二篇。表題作「椿飛ぶ天地」は「俳句とは何か」を問いながら、椿の落花を集める男の物語。漱石の俳句「落ちざまに虻を伏せたる椿かな」は実景を見た写生か、観念の産物なのか。弟子の寺田寅彦は椿を〝飛行体〟と考えて実験し、師の真意に迫る。その友情と洒脱の軌跡を追った結論は「俳句はアカルチュレーション(文化変容)なり」。「平壌号」は北京―平壌の列車の旅を描く紀行小説。北朝鮮が国を挙げて取り組む植林運動の報告が興味深い。


論創社 / 1980円 / ISBN 4846022404

■無償の愛をつぶやくⅣ

高尾 義彦(毎日新聞出身)

▼ツイッターで俳句を発信 

 78歳の誕生日(6月19日)に合わせて自費出版。2014年、17年、20年に続き、3年ごとに1冊。この3年間に毎日、ツイッターでつぶやいた俳句はすべて収録、徳島新聞コラム「勁草を知る」、ハワイの日本語新聞「日刊サン」への寄稿や早稲田大学政治経済学術院 土屋礼子教授の「ジャーナリスト・メディア関係者個人史聞き取り調査プロジェクト」でまとめてもらったインタビューも収録した。3年後は80歳代の大台、「Ⅴ」が発行できるかどうか。一応定価1,000円に設定、希望者にはお届けします。問い合わせは高尾まで(メール:yytakao@nifty.com)。


 / 円 / ISBN

■四季百選2022

鈴木 祐子(日本農業新聞論説委員長)

▼四季を通した農業と食の今 

 「四季は私の心の栄養剤です」「朝一番に目を通します」。読者からの温かい声に励まされ、創刊95周年を記念して日本農業新聞の1面コラム「四季」を集めた「四季百選2022」ができました。

 生きることは食べること。食べることができるのはこの国に農業があるから。四季のうつろいを通して、日本の農業と食の今をぎゅっとコラムに凝縮しました。ぜひ、お手元に。

 注文は日本農業新聞普及推進部。電話03―6281―5803。


日本農業新聞 / 550円 / ISBN

■世間と人間 復刻版 三淵忠彦著

編集 本橋 由紀(毎日新聞社小田原通信部)

▼司法の骨格づくりに尽力 

 初代最高裁判所長官、三淵忠彦が遺したエッセー集を復刻した。敗戦から立ち上がり、新しい国を目指したその時に、三淵は司法の骨格づくりに尽力した。戊辰戦争の責めを負い切腹した旧会津藩の家老萱野権兵衛を伯父に持ち、芯には会津の心があった。エッセーは平易で動物や食べ物、趣味などを書いているが、人としてあるべき姿が読み取れる。今の時代にこそ多くの人に読んでほしいと考えた。三淵は私の曽祖父である。


鉄筆 / 3080円 / ISBN 4907580258

■ハマのドン 横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録

松原 文枝(映画「ハマのドン」監督、テレビ朝日「テレメンタリー」ディレクター)

▼国策なぎ倒した舞台裏 

 横浜港湾の元締めで地元政財界に影響力を持つ〝ハマのドン〟こと藤木幸夫。御年92歳。カジノ誘致阻止に向け、時の最高権力者と全面対決した。決戦の場となったのは横浜市長選。藤木が賭けたのは、19万もの署名を集めた市民の力だった。リスク覚悟で挑んだ藤木の行動と市民の力が融合し、最後は国策をなぎ倒した。政治を市民の手に取り戻す―藤木とは一体何者で背負ってきものとは―。映画「ハマのドン」を深堀りするとともに、映画製作の舞台裏を綴った。

 


集英社 / 1056円 / ISBN 4087212653

■ドキュメンタリーの現在 九州で足もとを掘る

臼井賢一郎(九州朝日放送解説委員長)

 神戸金史(RKB毎日放送ドキュメンタリーエグゼクティブプロデューサー)、吉崎健(NHK福岡放送局エグゼクティブディレクター)との共著

 

▼系列超え、ジャーナリズムの危機、継承綴る

 九州を足場にドキュメンタリーを作ってきた3人の制作者による格闘の記録。系列を超えて、地方からの発信の意義、テレビジャーナリズムの危機、未来への継承を綴る。コロナと戦争の時代にあって視聴者である市民は、今こそ時代を見る目を求めているとの意思を踏まえ、時代に対する「見識」ともいえるドキュメンタリー作品の現在を3人の実作に基づき考察した。若手制作者を交えた座談会も魅力。

 


石風社 / 2円 / ISBN 4883443175

■クライメット・ジャーニー 気候変動問題を巡る旅

蒲 敏哉(岩手県立大学教授・中日新聞出身)

▼「気候危機」取材30年の航路

 「グリーントランスフォーメーション」という言葉で、気候変動問題を経済で解決する動きが世界を駆け巡っている。それは本当に人類に寄与するのか。本書は、約30年の環境取材を振り返りながら、本質的な在り方を問いかける。南洋諸島から米軍に入り戦死していく若者、その家族たちの姿から、経済格差、地域格差が環境問題につながっていく有様も紹介。社会部デスクの視点から、コロナ禍での記者クラブの取材手法の問題点にも言及している。


新評論 / 1980円 / ISBN 4794812337

■塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

猪熊 律子(読売新聞社編集委員)

▼高齢女性受刑者の本音と実態

 「人生の集大成ともいえる年代の女性が、暑さ寒さが厳しく、プライバシーもない刑務所に繰り返し来るのはなぜ?」。こんな問題意識から始まった刑務所取材。近年、減少著しい男性受刑者に比べ、高止まりの傾向にあるのが女性受刑者で、中でも女性受刑者における65歳以上女性受刑者の割合はこの30年間で10倍に膨らんだ。日本はやがて、総人口の2割を65歳以上の女性が占める「おばあさんの世紀」に直面する。塀の中から、塀の外の社会や、社会保障制度のあり方を考えたいと思い、執筆しました。

 


角川新書 / 1034円 / ISBN 4040824709

■屈辱と萌芽 立浪和義の143試合

北辻 利寿(CBCテレビ論説室)

▼強竜復活の“切り札”立浪野球に密着

 長き低迷が続く中日ドラゴンズにとって、待望の“切り札”立浪和義監督。「ミスター・ドラゴンズ」1年目のシーズンは“屈辱”の最下位、しかし同時に、岡林勇希、髙橋宏斗、そして根尾昂ら若竜の確かな“萌芽”も・・・。全143試合を“ファン目線”で書き下ろした戦記、さらに立浪監督、福留孝介さん、山田久志さん3人との対談によって、ドラゴンズ復活のシナリオを徹底的に追求しました。必読の“立浪本”になったと思います。


東京ニュース通信社 / 1650円 / ISBN 4065312914

■伝説の校長講話 渋幕・渋渋は何を大切にしているのか 田村哲夫著

古沢由紀子・聞き手(読売新聞社編集委員)

▼心に響くリベラル・アーツの世界

 千葉県に創設した幕張中学高校と父から受け継いだ渋谷中学高校を短期間で全国屈指の進学校に成長させた田村哲夫・渋谷教育学園理事長は87歳。今も年間計60回教壇に立ち、国内外の歴史や哲学、科学の発展などを題材に、社会に貢献する意義や自由の価値などを説く。本書の前半は、大人の胸にも響く、その「中高生のリベラル・アーツ」の講義録。後半は読売新聞連載「時代の証言者」に加筆し、先進的な学校改革の歩みをたどった。


中央公論新社 / 1760円 / ISBN 4120056228
前へ 2024年07月 次へ
30
1
2
3
4
6
7
11
12
13
14
15
16
18
20
21
26
27
28
30
1
2
3
ページのTOPへ