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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■バブル―日本迷走の原点

永野 健二(日本経済新聞出身)

▼バブルは同じ顔をしてやってこない

 この本を書かなければと考えたのは、2013年暮れの安倍総理の発言でした。「今の株高を予測した人はマスコミにもエコノミストにも誰もいなかった」。尋常ではない、金融緩和策を打ちながら、その政策の持つリスクに対する謙虚さのないままに、ただただ株高の成果を誇る首相の発言に、いつか来た道を思い起こしたからです。

 私が記者として生きたバブルの時代の、ピカレスクロマン(悪漢小説)と思って書いた21の物語に、「(バブル論の)決定版といえる」(井上寿一学習院大学学長)「(著者は)バブルの物語を語るには適任の人物である」(池尾和人慶応義塾大学教授)といった評価をアカデミズムからもいただけたことを素直に喜んでいます。


新潮社 / 1836円 / ISBN 4103505214

■日本の戦略外交

鈴木 美勝(時事通信社解説委員)

▼安倍戦略外交の「自画像」

 機略縦横の安倍戦略外交。そこには2人のシンゾーがいた。あなたはどちらに安倍の〝晋実〟を見るか?

 安倍首脳外交の生みの親であるキーマンたちの狙い、日米印豪安保ダイヤモンド構想、日米和解劇の舞台裏、対露外交の真贋、歴史問題の深層…冷戦後の文脈の中で「地球儀俯瞰外交」「価値観外交」の淵源にまで遡り、その実相を活写し、マクロ・ミクロの目で国際政治の変動を分析する。21世紀日本外交の「自画像」でもある。


ちくま新書 / 1188円 / ISBN 4480069445

■トランプのアメリカ 漂流する大国の行方(朝日新聞アメリカ大統領選取材班)

山脇岳志(朝日新聞社アメリカ総局長)

 2016年のアメリカ大統領選は、最初から最後まで、異様な選挙でした。

 共に好感度が異様に低いドナルド・トランプ氏とヒラリー・クリントン氏。異様なまでに虚偽ニュースが飛び交い、ロシアが選挙戦に介入したのも異様でした。トランプ政権になってからも、司法との対立も含め、異様な状況が続いています。この本には、そうした「異様」に密着してきたアメリカ特派員たちの実感や分析が詰まっています。

 新聞連載に新たな書き下ろしを加え、最終章では久保文明・東大教授(米国政治)の長文インタビューを収録しました。

 何がトランプ氏を大統領にまで押し上げ、今後どうなるのか。情報過多の中で、異様な状況を整理してみたい、という方に手に取っていただければ幸いです。

 


朝日新聞出版 / 1728円 / ISBN 4022514566

■コレクティヴ・ジャーナリズム~中国に見るネットメディアの新たな可能性(章蓉著)

倉沢章夫(新聞通信調査会編集長)

 中国で急成長するネットメディアの現状はどうなっているのかを詳述している。もともとは東京大学に提出された博士論文だが、それを一般向けに平易に書き直したもので、よく読めば、さほど難しくはなく大変参考になる内容だ。

 特に興味深いのは、「絶滅危惧種である華南虎が野生で生存している」と当局が発表した「華南虎事件」のいきさつだ。どういう結末になったかはお読みいただくとして、こればかりでなく、中国のさまざまな不審事件を取り上げ、ネットを通じて大勢の人々の力によって解明されていく過程を解き明かしている。

 コレクティヴというのは集合知とでもいう意味。筆者は中国人だが、その日本語能力は圧倒的で驚きだ。現在、朝日新聞社デジタル編集部記者をしている。

 (公財)新聞通信調査会の2016年度出版補助対象書籍。


新聞通信調査会 / 1944円 / ISBN 4907087047

■いま言わずして二人誌「埴輪」(宇治敏彦、小榑雅章著)

宇治 敏彦(中日新聞社相談役)

▼目覚めよマスメディア

弱体化が指摘されるマスメディアの在り方を中心テーマに、新聞ジャーナリストの筆者と雑誌ジャーナリストの小榑雅章(元「暮しの手帖」編集者)が書いた警世の書。二人は高校時代からの友人で、ブログ「埴輪」を通じて政治や世相への所見を随時発表している。安倍一強政治の影響で国民の間に「大勢順応」「今日が良ければ」の風潮が蔓延し、自由闊達な世論が失われつつあることを二人は危惧する。「表現の自由」は「健全な民主主義」と車の両輪でなければならない。

 


三恵社 / 1620円 / ISBN 4864876193

■メディア融合時代到来!(多チャンネル放送研究所+音好宏編著)

音 好宏(上智大学教授)

▼視聴者はどうメディアを「選ぶ」のか

ネットフリックスやTVerなど動画配信サービスが続々登場し、動画配信元年といわれたのが2年前。今、テレビの視聴形態がドラスティックに変化しつつあるなか、動画配信はメディア融合の象徴としてその存在感を増しつつある。そのカギを握るのはコンテンツだ。私が所長を務める衛星放送協会・多チャンネル放送研究所が行ってきた事業者調査、視聴者調査などをもとに、急速に進みつつあるメディア融合の実態を、実証データに基づいて分析・解説する。


サテマガBi / 2376円 / ISBN 4901867652

■入門トランプ政権(共同通信社編、杉田弘毅監修)

杉田弘毅(共同通信社論説委員長)

 

まさか、と思ったトランプ米大統領の誕生。アメリカと世界は混乱に転げ落ちる、と悪い予感が浮かぶ。日本も巻き添え必至でしょう。そんな疑問と不安に応えるために「入門」と題した本をまとめました。春名幹男氏と会田弘継氏というアメリカ報道の大御所対談は、読み応えがあります。

後半はトランプ氏の人物像、家族や閣僚の横顔紹介、通商、日米、北朝鮮など12分野の政策予想、重要演説を集めました。「ポスト真実」に象徴される12のトランプ・キーワードも分かりやすく解説しています。コンパクトで中身が濃い「トランプ事典」です。

アンプリディクタビル(予測不能)な政権といわれていますが、悪い予感が次々当たっています。トランプ氏の言動でまさか、と疑問が湧いたら、この本を手にしてください。答えやヒントが出ています。


共同通信社 / 1080円 / ISBN 4764106965

■見張塔からずっと 政権とメディアの8年 / 放送法と権力

山田 健太(専修大学教授)

▽言論の自由の瀬戸際

過去と現在の事象がいかにつながっているか、法令や判例が社会の空気をどのように変えていったか、『見張塔』では102の具体的な事例から、年表とともに検証しています。そして、公権力との軋轢を生みやすいテレビが、こうした自由の縮減の矢面に立たされている状況を、理論と実態の両面から描いたのが『放送法』です。Post-Truth(嘘がまかり通る)政治が、今の世界状況を表す言葉です。しかし日本では、ネット上の言説がリアル社会をかき乱し、既存マスメディアが既得権益の擁護者と称される状況は、すでに10年近く前から始まっています。それがじわじわと、ジャーナリズムの足腰を弱め、社会全体の息苦しさを醸し出してきているという、危機的状況が両書の共通テーマです。


田畑書店 / 2484円 / ISBN 4803803390

■戦後史で読む憲法判例

山田 隆司(読売新聞出身)

▽重要裁判の時代背景に迫る

憲法判例を理解するうえで、事件の舞台となった時代状況を知っていた方が格段に面白い。沖縄返還を巡る密約が問題になった西山事件、後に駐日米大使と最高裁長官の密談が明らかになった砂川事件など17件の判例・事件を解説した。  今、大学で憲法を学ぶ学生でも、その時代の「空気」をできるだけ吸い込み、当時の感覚に近づいて事件に迫れるよう、戦後史の中に憲法判例を位置づけた教科書らしくない憲法の本である。


日本評論社 / 2376円 / ISBN 4535521867

■激論 マイナス金利政策(日本経済研究センター編)

斎藤 史郎(日本経済新聞出身)

▽日本を代表する金融の専門家15人が功罪を語る

黒田東彦総裁の下で日銀が異次元緩和策を打ち出してから間もなく4年が経過する。一連の政策の中で最も人々に衝撃を与えたのがマイナス金利政策である。量的緩和策が先行し、長期金利コントロール政策が続いた。日銀は未踏の領域への実験と語り、批判的なエコノミストは危険な賭けであると分析する。  論理の裏付け、技術的限界、財政破綻と隣り合わせの出口問題…。日銀幹部、OB、日本を代表する経済学者、エコノミストが徹底的に議論した記録である。


日本経済新聞出版社 / 2700円 / ISBN 4532357179
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