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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■ルポ クマ襲撃 被害最多県 秋田の現場から

工藤 哲(毎日新聞社秋田支局・記者)

▼秋田のクマ対策から学ぶ 

 人里や市街地での出没や人身事故が相次ぐクマ被害。今秋も人との遭遇が心配されますが、2025年度に最も多くの人身被害が出たのは秋田県でした。背景には人口減少やえさとなる木の実の不足などが考えられます。自衛隊が出動したこの年を振り返るとともに、秋田でのさまざまな対策をまとめました。地方では「クマの知識」がさらに必要になっており、学ぶことで遭遇の確率は下げられます。被害の防止につながれば幸いです。

 


平凡社 / 1210円 / ISBN 458286113X

■日米 謀略の裏面史

春名 幹男(共同通信社出身)

▼未知の情報が満載 

 トランプ米政権の現状を見て「戦後の日米関係は良好だった」と考えるのは幻想だ。

 突然の高関税はレーガン政権の時にもあった。日米半導体協定をめぐる対立で日本製パソコンなどは100%の制裁関税を課せられた。米国は日本の半導体産業をつぶし、プラザ合意で円高を押し付け、バブル崩壊で日本の繁栄は終わった。

 全21章でハル・ノートの真相や昭和天皇をキリスト教徒に改宗させる極秘計画など未知の情報が満載です。

 


文藝春秋 / 1430円 / ISBN 4166615440

■令和政権論 今なぜ高市首相なのか

芹川 洋一(日本経済新聞社客員編集委員)

御厨貴氏との共著

▼令和の政権を論じる 

 大学のゼミで一緒だった東大名誉教授の御厨貴さんとの対談の5冊目で、学者と記者による「現代政治講談」です。高市早苗という特異な首相が誕生した背景と政権の現状を考えるのがねらいです。石破茂―岸田文雄―菅義偉と、さかのぼりながら令和の政権を論じています。自民党の振り子の支点が右に動き、戦後政治を終わらせたのが高市首相ではないか。日本政治をみるうえで何らかの判断材料を提供できているのではないかと思います。


日経BP 日本経済新聞出版 / 1320円 / ISBN 4296127586

■日本人の知らないフランス―パリで出会った忘れがたき人々

山口 昌子(産経新聞社出身)

▼時代背景交えて紹介

 新聞社のパリ支局長(1990~2011年)時代に取材した有名無名の人々のうち、忘れがたい約50人について当時の政治、経済、社会、文化的な時代背景を交えて紹介。奇跡的に会見できた人類学者レヴィ=ストロースが日本の特性「二重規格」を指摘後、居間の浮世絵の版画を相好を崩して開示した逸話や「存在するものはすべて理性的である。そして理性的なものはすべて現実である」とのへーゲルの言葉を引用して40年間の共産主義政権による鎖国を自らに納得させた欧州最貧国アルバニアの若い外交官の悲しげな眼差しなど冷戦終了直後の欧州情勢もうかがえる。

 


藤原書店 / 4840円 / ISBN 4865784918

■日中「冬の時代」の行方―国交半世紀の歴史から見る現在地と出口

川村 範行(東京新聞・中日新聞出身、名古屋外国語大学名誉教授)

▼日中関係をどう修復するか

 戦後最も深刻な日中関係をどう乗り越えるか―高市首相発言以来、悪化した日中関係の背景を国交正常化にさかのぼって分析し、関係修復の道筋を提起した。靖国参拝や尖閣国有化の対立克服の徹底検証や、両国外交関係者との長期対話による知見に基づき、「不戦平和」の大局から日中関係を論じる。中国高官が高市首相に現実政治家への“君子豹変”を望んだ“秘話”も。高市発言議事録や両国政府間の重要文書、ポツダム宣言、関連年表を収録。

 


花伝社 / 2200円 / ISBN 476342243X

■音楽の見える瞬間 ホワイトハンドコーラス NIPPONのきせき

鈴木 款(フジテレビジョン解説委員)

▼いくつもの壁を乗りこえて 

 歌声だけでなく、手話をもとにした「手歌」をもちいて歌う合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」は、さまざまな〝違い〟をもつ子どもたちが創造性を思い切り発揮し、力を合わせて音楽に取り組むインクルーシブな合唱団です。この本は、南米ベネズエラで生まれた「ホワイトハンドコーラス」が日本で花開き、個性ゆたかな子どもたちがいくつもの〝壁〟を乗りこえて、ついに音楽の都ウィーンでのベートーべン「第九」の公演を成功させるまでを追ったノンフィクションです。


アルテスパブリッシング / 2200円 / ISBN 4865593292

■データでみるスポーツとジェンダー2026

稲澤 裕子(読売新聞社出身)

日本スポーツとジェンダー学会編

▼スポーツ報道もジェンダー視点を 

 スポーツを「する」「みる」「ささえる」「知る・学ぶ」の観点から、日本スポーツとジェンダー学会員が分担してジェンダー視点でデータを収集した。筆者は第3章「ささえる」のスポーツ団体役員を担当。女性理事比率は高まったが、トップ層は男性中心の現状が明らかになった。

 第2章「みる」では、メディアがテーマの一つになっている。女性アスリートは男性と比べて「美しさ」「感情・表情」で描かれる比率が高く、女性スポーツ中継の少ないことなどが一目瞭然だ。スポーツ記者の女性比率は2005年9%という状況しか把握できなかった。この場をお借りしてデータ整備をお願いしたい。


八千代出版 / 3850円 / ISBN 4-8429-1906-X

■軋むアジア――揺れる米中関係と見えない新秩序

藤井 彰夫(日本経済新聞社論説主幹)

國分良成元防衛大学校長、伊集院敦日本

経済研究センター首席研究員との共編著

▼アジア各国の戦略変化を分析 

 2020年代は冷戦後の国際秩序が転換点を迎えた時代と位置付けられるでしょう。その中核にある米中対立とアジア各国の戦略変化を、國分良成氏を中心とした第一線の研究者とともに分析した一冊です。私は第1章で、米国の対中関与政策の変遷、トランプ政権が国際秩序に与える衝撃と今後の米中関係を論じました。他の章では韓国、ASEAN、インド、台湾、ベトナムなど各国の対応を通じて、激動するインド太平洋地域の新秩序と日本の課題を読み解いています。


日経BP 日本経済新聞出版 / 3520円 / ISBN 4296127039

■へそ曲がりの戯言 激動の世相を斜めから読む

山田 伸二(NHK出身)

▼激動の時代記した時評集 

 この本は、2020年から山形県の地方紙「荘内日報」に書きつづったコラムをまとめたものです。私の経済に対する持論は「デフレの亡霊に怯えて」で書き下ろしました。この間、コロナ、東京五輪、安倍~高市政権までの政変と、激動の時代でした。通説を排して私はこう考えますという姿勢で、NHKの解説委員の時代より自由に楽しく書かせていただきました。北海道拓殖銀行の格闘、東大寺のお水取りに参籠したルポなど、興味深い話も盛り込みました。


晶文社 / 2860円 / ISBN 4794980566

■ジョークで読み解く「ロシア近現代史」

名越 健郎(時事通信社出身)

▼時代を象徴する傑作を選出 

 ロシア革命からウクライナ戦争まで百余年の通史を、スラブ文化の至宝であるアネクドート(小話)でたどってみた。内閣府の調査では、日本人の93%が侵略戦争を行うロシアを嫌いと答えたが、現実を諦観して皮肉るジョークの才能は大したもので、その時代を象徴する傑作を選んだ。画家レーピンの「ボルガの舟曳き」を模したカバーの絵は中国人イラストレーターの作品。「人民日報」にも掲載され、中国人のセンスにも感服した。


PHP研究所 / 1320円 / ISBN 456986130X
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