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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■北方領土を知るための63章

名越 健郎(時事通信社出身)共著

▼北方領土の将来を多角的に分析 

 ロシアの北方4島占領から今年で80年。日露関係はウクライナ戦争後の制裁合戦で最悪の状況にあり、北方領土問題はメディアでも報じられなくなった。2年前の内閣府の世論調査では、国民の36%が北方領土問題を「知らない」と答えており、いよいよ風化が進みそうだ。本書では、約20人で北方領土の歴史と現状、将来を多角的に分析し、一冊に凝縮してみた。次の機会に向けて官民で返還戦略を再構築すべきだろう。

 


明石書店 / 2640円 / ISBN 4750359947

■誰も教えてくれない 総理大臣の器!

乾 正人(産経新聞社上席論説委員)

▼令和の政治家ガイドブック 

 1月に上梓した『大予測2025年 高市早苗が日本を取り戻す!』がまぐれ当たりし、日本初の女性宰相が誕生した。簡単に書けば石破茂政権は、1年しか持たぬから次は高市か林芳正がなるだろう、という極めてシンプルな予想で、競馬よりよほど易しかった(小泉進次郎はまったく予想しておらず冷や汗をかいたが)。今回は、「令和の日本政治家ガイドブック」というべきもので、結構真面目に宰相候補たちを描いたつもり。出張のお供にどうぞ。

 


ビジネス社 / 1980円 / ISBN 4828427694

■新左翼と天皇 ―炎と爆弾の時代

井上 亮(日本経済新聞社出身)

▼90年前後の「忘れられた波」 

 新左翼運動は1960年の安保闘争、70年前後の全共闘、その後の成田闘争の大波があり、80年代末の冷戦終結とソ連崩壊で衰退していったという見方が通説だ。

 しかし、忘れられた波が90年前後にあった。平成の天皇の即位儀式反対闘争だ。爆弾、飛翔弾によるゲリラ戦は過激さでは過去の闘争を上回っていた。それが人々の記憶に残らなかったということは、反権力闘争がサブカルチャーとしての意義を喪失していったことを物語っている。

 


筑摩書房 / 1012円 / ISBN 4480077057

■200字からの伝わる文章料理法 朝日新聞記者のうまい文章術

真田 正明(朝日新聞社出身)

▼あなたの「おまかせ」を 

 文章術も3冊目。ネタにこまって料理になぞらえてみたら、意外にうまくはまったような。買い出し、下ごしらえ、火入れ、味付け、盛り付け。話題は新鮮さが一番――ではあるけど、冷凍庫の奥で眠っている食材も、調理の仕方によって生きてきます。和食の「おまかせ」は、いまや「OMAKASE」として世界で通じるそう。「すきやばし次郎」のおまかせが、見事な起承転結になっているのを見つけたのは、ちょっと自慢。食べたことはないのですが。

 


さくら舎 / 1760円 / ISBN 486581471X

■三島由紀夫という迷宮 〈英雄〉を夢みた人

柴崎 信三(日本経済新聞社出身)

▼事件の輪郭と核心を解く 

 「楯の会」の若者を伴って三島由紀夫が乱入、割腹自決を遂げたあの市ヶ谷の陸上自衛隊総監部の現場に23歳の駆け出し記者がとび込み、その足で近くに住む評論家の江藤淳から談話をとった。それから半世紀を優に超す時間を隔てて、かつて愛読した三島の主だった作品を懐かしみつつ読み返した。

 あたかも「証拠の多すぎるミステリー」のようなあの事件の輪郭と核心が、歳月という暗闇からゆっくりと立ち上がってきた。

 


草思社 / 2420円 / ISBN 4794227973

■「イスラエル人」の世界観

大治 朋子(毎日新聞社専門編集委員)

▼思考のメカニズムを追う 

 「イスラエルのユダヤ人は、なぜパレスチナ市民の苦境に無頓着でいられるのか」「彼らはどのような世界観の中に生きているのか」。エルサレム特派員や研究者、ボランティアとして現地で6年半暮らし、「解けない謎」と格闘しながらその思考のメカニズムを追った記録です。幼いころから読み続ける旧約聖書、迫害の歴史を日常的に想起させる社会システム、脅威意識を植え付ける政治。「謎」を解く手がかりと出会えるかもしれません。

 


毎日新聞出版 / 1980円 / ISBN 4620328383

■刻印 満蒙開拓団、黒川村の女性たち

松原 文枝(テレビ朝日)

▼女性たちの強い意思と覚悟 

 戦後80年、歴史修正の動きがある中で、史実を埋もれさせない。満洲で強いられた「性接待」を告白した黒川開拓団の女性たち。高齢だからではない。実は、社会の目や強者におもねることなく声を上げ続けてきたのだ。女性たちの強い意思と覚悟に突き動かされていく戦後世代。遺族会会長は「なかったこと」にされてきた事実を認めて謝罪した。彼は25年来の自民党員だ。女性たちは尊厳を回復していく。映画「黒川の女たち」で描き切れなかった満洲の実相と女性たちの生き方を描いた。

 


KADOKAWA / 1870円 / ISBN 404105253X

■稲盛和夫と二宮尊徳 稀代の経営者は「努力の天才」から何を学んだか

井上 裕(元日本経済新聞記者、元テレビ東京顧問)

▼現代に2人が鳴らす警鐘 

 京セラと第二電電(現KDDI)を一代で世界的企業に押し上げ、日本航空(JAL)のスピード再建に剛腕を振るった稲盛和夫さんが他界して3年がたちました。本著は江戸末期の農政家で実業思想家、二宮尊徳の一生を土台に敷きながら、尊徳を敬愛した稲盛さんの思想と足跡を再評価する小本です。稲盛さんの「利他の心」と尊徳の「報徳の精神」はよく似ます。何事も自分ファーストになってしまった今の世界。2人が鳴らす警鐘とは。

 


日経BP / 2420円 / ISBN 4296002376

■見えない壁 北方四島の記憶

本間 浩昭(毎日新聞社)

▼定点観測で元島民の記憶をたどる 

 太平洋戦争末期の80年前、ソ連軍の侵攻によってかすめ取られ、いまもロシアに実効支配されている北方領土。本書は、根室海峡に立ちはだかる「見えない壁」の向こう側に、最長で3年強閉じ込められ、はからずもソビエト国民と混住せざるを得なかった元島民の記憶を掘り起こしたものである。同時に、「壁」をはさんだパラレルワールドに足かけ36年間、記者として定点観測することで見えてきた境界地域の将来像を元島民の視点から問うた。

 


KADOKAWA / 2200円 / ISBN 4041163137

■古典に学ぶ現代世界

滝田 洋一(日本経済新聞社出身)

▼「自分強制」の産物 ご笑覧を 

 フランス文学者の鹿島茂さんによると、古典に親しむ秘訣は「自分強制」だという。毎月配本される日本文学全集の読破がそのきっかけだった由。かくいう私が積ん読の山に手を伸ばすことになったのは、編集者との雑談から始まった「日経BOOKプラス」への毎月の連載。いざ読みだすと現在進行形のストーリーがてんこ盛りなのである。コラムを付して一冊にまとめたが、うなぎ屋の煙のように古典の香ばしさを少しでも伝えられたらうれしい限り。


日経BP 日本経済新聞出版 / 1210円 / ISBN 4296124560
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