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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■武器としての情報公開 権力の「手の内」を見抜く

日下部 聡 毎日新聞社統合デジタル取材センター副部長

情報公開制度をはじめ、さまざまな公開情報から分かることは意外に多い。試行錯誤してきた取材・報道を基にまとめた。いい加減な情報が大量に飛び交う今、社会や地域のことを真面目に調べたいと思っているすべての人たちの参考に少しでもなれば。

 


ちくま新書 / 886円 / ISBN 4480071849

■戦後国際秩序の終わり 世界の中の日本

千野 境子(産経新聞出身)

▼私の戦後総決算 米国第一主義のトランプ大統領の登場で、戦後国際秩序が黄昏を迎えている。しかし新しい秩序構築には歴史の再検証が不可欠だ。湾岸戦争、米同時多発テロ、PKO派遣、ポル・ポト派、北朝鮮、日韓関係、沖縄本土復帰、原発と、筆者が取材し、日本も深く関わり、戦後を画した8大事件を選び、「あれは一体何だったのか」と振り返った。現場での取材経験も多く盛り込んだので私の記者総決算の感もあるが、こちらの方はまだ終わらないつもり。

 


連合出版 / 1728円 / ISBN 4897723035

■自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体

石井 暁(共同通信社編集局編集委員)

▼〝軍隊〟の恐ろしさを実感 「陸自の秘密情報部隊『別班』が、冷戦時代から首相や防衛相に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせている」と聞いて、取材に5年半もかかってしまった。記事が掲載されると、陸自将官は「電車は最前列で待つな」と一言。佐藤優氏は「痴漢にされる。酔って電車に乗るな」と忠告してくれた。それまでの記者生活では感じたことがない〝軍隊〟の恐ろしさが迫ってくるように思えた。

 


講談社現代新書 / 864円 / ISBN 4065135885

■本音化するヨーロッパ 裏切られた統合の理想

三好 範英(読売新聞社編集委員)

▼多文化主義は人々を幸福にするか 欧州はユーロ危機、難民流入、テロの続発、Brexitと畳みかけるように危機が続いている。本書の中心テーマは難民危機。収容施設の現場担当者や、反難民政党活動家の実態や主張を、ありのままに伝えようと試みた。とかく難民の窮状に焦点が当たる類書には、ちょっとない視点かもしれない。折しも安倍政権が新たな外国人労働者受け入れ策を提示した。多文化社会を手放しで称揚する人が多いが、本当にそうなのか、と問うたつもりである。

 


幻冬舎新書 / 864円 / ISBN 4344985192

■米韓同盟消滅

鈴置 高史(日本経済新聞社出身)

▼同盟はもう要らない? 2018年6月の米朝首脳会談の本質は北朝鮮の非核化と、米韓同盟の廃棄の取引だった。2017年1月、この同盟に冷淡なトランプ大統領が登場。そのうえ同年5月、韓国に「同盟より民族の和解が大事」と考える文在寅政権が誕生した結果だ。朴槿恵政権時代から韓国は米中等距離外交に邁進した。中国・北朝鮮という共通の敵を失った米韓同盟の永続を期待する方がおかしいのだ。同盟消滅を予測した著者の近未来小説『朝鮮半島201Z年』のノンフィクション版でもある。

 


新潮新書 / 799円 / ISBN 4106107856

■名門高校100

猪熊 建夫(毎日新聞出身)

▼いまや大学閥より高校人脈 日本人のノーベル賞受賞者は累計25人だが、そのうち、東京の高校出身者は1人しかいない。24人は地方の高校を巣立っている。早稲田だ、慶応だ。東大だ、京大だ―といっても始まらない。青春時代を送った出身高校を知らなければ、その人物を判断できない。週刊『エコノミスト』誌で6年にわたり300以上の高校を連載したが、その中から100校を選んで加筆したのが本書だ。


河出書房新社 / 1944円 / ISBN 4309248780

■Producing Hiroshima and Nagasaki Literature, Film, and Transnational Politics

柴田 優呼(朝日新聞出身)

▼北米の学界の原爆観を問う 世界的に有名な日仏合作映画『ヒロシマ・モナムール(邦題:24時間の情事)』。北米の人文研究では、この前衛映画こそがヒロシマを描く代表作。一方で、占領下GHQに没収された「幻の映画」や亀井文夫監督作など、その中で使われた日本のドキュメンタリーは単なる「素材」扱い。ドキュメンタリーは事実を提供するだけなのか。どの国が何語で、誰のために、ヒロシマのどんな知識を作り、拡散するのか。北米アカデミズムのあり方を問う。2015年の拙著『“ヒロシマ・ナガサキ”被爆神話を解体する』とは別内容。

 62ドル


ハワイ大学出版 / 円 / ISBN 0824867777

■ターゲテッド・キリング 標的殺害とアメリカの苦悩

杉本 宏(朝日新聞出身)

▼大統領が暗殺まがいの殺害を命令してよいのか 米中枢を襲った9・11同時多発テロ以降、米国はイスラム過激派の幹部らを標的にした殺害を世界各地で頻繁に行うようになった。それは、裁判を経たうえでの死刑でも、戦争での敵兵殺害のどちらでもない。文民の情報機関であるCIAが無人機や特殊部隊を米軍から借りて行う非公然の「闇討ち」である。本書は、こうした「影の活動」の実態を紹介し、国際法や倫理上の問題点を指摘する。


現代書館 / 2376円 / ISBN 4768458262

■10代に語る平成史

後藤 謙次(共同通信社客員論説委員)

▼「平成」を語り継ぎたい 「俺は後世に名前が残るが、小渕は顔が残る」―。こう語ったのは昭和から平成への代替わりを担った竹下登元首相。昭和天皇の「大喪の礼」を終えた直後の平成元年2月26日。65歳を迎えた誕生祝いの席で漏らした竹下氏の一言だった。「小渕」とは言うまでもなく小渕恵三官房長官(後の首相)。その顔は「平成おじさん」として国民に定着した。平成も30年の時を刻み、来年の4月に幕を下ろす。去来した様々な出来事を時代の空気とともに若者に伝えたい。そんな思いで執筆した。記者というよりは「語り部」の心境に近い。


岩波ジュニア新書 / 972円 / ISBN 400500878X

■完全版 検証・免田事件

高峰 武(熊本日日新聞社論説顧問)

▼1人の闘いが教えるもの わが国初の死刑囚再審で無罪になった免田栄さんは92歳。2017年は免田さんにとって“節目”の年だった。獄中生活34年、「自由社会」34年。人生の“やじろべえ”が釣り合ったことになる。しかしその34年はどちらも厳しい道であった。本書は、無罪判決から1年後に出された『検証・免田事件』などに近年の10年の動きを加え、「完全版」とした。再審無罪の元死刑囚になぜ年金がないのか。免田さんは1人で異議を申し立てた。えん罪の原点とも言える事件から、私たちの社会の「ブラックボックス」が見える。


現代人文社 / 2916円 / ISBN 487798707X
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