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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■それでも昭和なニッポン 100年の呪縛が衰退を加速する

大橋 牧人(日本経済新聞出身)

▼悪弊先送りの日本社会に警鐘

 岸田文雄首相が自民党総裁選への不出馬を表明した。派閥裏金問題などで内閣支持率が低迷し、高まる党内の危機感に押し切られた形だ。昨年来、この政治とカネをはじめ、ジャニーズ創業者による児童性加害、大手メーカーの認証不正など、各界で次々と不祥事が噴出している。

 これらの問題の多くは、昭和や高度成長期以来、解決を先送りにしてきた悪弊、負の遺産ではないか――。そんな危機感から、「昭和100年」と「戦後80年」が重なる2025年を前に、しぶとい〝呪縛〟に警鐘を鳴らし、突破口を探る。


日本経済新聞出版 / 1045円 / ISBN 4296120697

■聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか

船津 靖(共同通信出身)

▼米国の「偏愛」の背景 

 米国とイスラエルの「特別な関係」の背景を、キリスト教(旧約/新約)とユダヤ教(旧約)の錯綜した歴史にさかのぼって考察した。①旧約の「約束の地」(オバマの回想録の題)に象徴される両国の建国神話の類似性、②トランプ支持者に多い福音派の黙示思想、終末論の2つを軸に同盟の構造を整理。終章でガザ戦争や国際法について書きながら、占領もテロも批判する自分は国際人道法を重視する立場だとわかった。

 


河出書房新社 / 979円 / ISBN 4309504515

■「時代」を切り拓いた女性たち 国境を越えた14人の闘い

原野 城治(時事通信出身)

▼「女性の時代」へ壁を打ち破る 

 国内政治の不信拡大で、政界にもようやく「女性の時代」の到来が予感される。本著はそんな趨勢の中、明治から平成まで、日本と世界をボーダーレスに生きた女性の列伝を収める。津田梅子から川上貞奴、市川房枝、加藤シヅエ、緒方貞子まで、「逆境の時代」を生き抜けた女性たち14人。留学、海外公演、国連機関での活躍など男性支配が当然だった時代、彼女たちの生涯は戦いの連続だった。日本を変えた彼女らに、今こそ学ぶ。

 


花伝社 / 1980円 / ISBN 4763421212

■それでもなぜ、トランプは支持されるのか アメリカ地殻変動の思想史

会田 弘継(共同通信出身)

▼トランプ氏登場は「結果」

 トランプは病因ではなく病状、つまり原因ではなく結果です。日本ではそれが理解されていない。トランプが民主主義を破壊しているというよりも、民主主義が壊れてしまったからトランプが登場したと考えるのが妥当です。

 米国政治を思想史面で追ってきた視点で、繰り返されるトランプ現象の意味を説明しました。新聞TVが伝えない深層を考えたい方にお薦め。前著『破綻するアメリカ』(2017年、岩波現代全書)と併読してください。


東洋経済新報社 / 2640円 / ISBN 4492444823

■未来への遺言 いま戦争を語らなきゃいけない

前田 浩智(毎日新聞社主筆)

 砂間裕之同社取締役との共著

▼日本の針路 みんなで議論を

 戦争を避けようとする構造が日本の中で弱まっているんじゃないか。言いようのない危機感が出発点だった。だったら、戦争から目をそむけず、いま一度語り合ってみよう! そんなコンセプトで本著を刊行した。ノンフィクション作家、保阪正康さんへのインタビューは7時間に及び、昭和史や戦争に関する重量感ある「遺言」のような知見を聞くことができた。混迷深まる世界だからこそ、日本の針路をみんなで議論することを願っている。

 


晶文社 / 1980円 / ISBN 4794974302

■ジャーナリストの条件 時代を超える10の原則

ビル・コバッチ、トム・ローゼンスティール著

澤 康臣(共同通信出身)訳

「報道は何のため」に答える 

 米ジャーナリズムの定番書である。報道の目的の定型句は「権力監視」「弱者の声を伝える」「社会の変化を知らせる」。でもそれ自体は何のため、誰のためか? この本が、核心となる考えを示す。市民が自由でいられ、自治ができるための情報提供―市民自ら動く民主主義こそジャーナリズムの存在理由であると。すなわち、ジャーナリズムを領導者のようにみて何かを「してあげる・してくれる」論に陥らないための原則書でもある。


新潮社 / 2750円 / ISBN 4105074113

■駅メロものがたり 人とメロディの中心に鉄道があった

藤澤 志穂子(産経新聞出身)

▼駅のメロディと街おこし 

 全国18駅のメロディと街おこしのエピソードを紹介。列車の発着時に流れる「駅メロ」は日本独自の鉄道文化で、市民が発案、自治体や鉄道会社を動かし、アーティストが寄り添っていく経緯は、JR仙台駅「青葉城恋唄」(仙台市)など有名な観光地のみならず、JR水沢江刺駅「君は天然色」(岩手県奥州市)、JR杵築駅「おかえりの唄」(大分県杵築市)など、何の変哲もない街でこそ際立つ。地域活性化のヒントともなる新書。


交通新聞社 / 990円 / ISBN 4330021242

■名古屋城・天守木造復元の落とし穴

毛利 和雄(NHK出身)

▼復元に伴う難問を解説 

 事業が落とし穴にはまったのは何故か、取材を目的に名古屋に引っ越して2年半。やっと本書を上梓できた。

 世界有数の巨大木造建物の復元だが、大地震や火災などに対する安全性は確保できるのか。誰もが入れるバリアフリーは実現できるのか。そもそも復元天守は〝本物〟なのか、文化財なのか。熊本城、首里城、江戸城など全国各地の城の復元、修復事情も探り名古屋城天守木造復元の問題点を浮き上がらせた。

 復元に伴う難問を解説した初めての書とひそかに自負している。


新泉社 / 2750円 / ISBN 47877230655691

■スマホ社会と紙の本

高橋 文夫(日本経済新聞出身)

▼スマホ時代の本の役割とは 

 活字メディアが頂上を登り詰めようとする一方、代わりに新興のデジタルメディアがてっぺんを目指し、急坂を上がってくる。そのような状況下でデジタルメディアにあらがう活字メディア、つまり本は読み手にどんな影響を及ぼしているのか。デジタル時代の本の役割とは何か―それらを、現場の目撃者でもある読者からの様々の「証言」として、デジタルメディアに制圧される前に書き留めておきたい、とつづられた新しい時代の読書論。

 


論創社 / 2420円 / ISBN 4846023680

■小さな書斎から

砂原 和雄(産経新聞出身)

▼人生の出会いと別れ 

 ふるさと奥飛騨の高校を出て上京。佐藤春夫と出会ったのを機に小説家をめざし、新聞記者生活を経て作家生活へ。小説を書いている合間に、ふと「1カ月ほどしたらまたおいで」と告げた春夫との若いころを思い出したり、ときには散歩中に目についた美しく咲いたばかりの草花にみとれたり、木陰を揺らす小鳥の声に心動かされるなど、心に残る出会いと別れをありのままつづったものです。物書き人生を支えてくれた妻は天国へ召される間際、「元気なうちは一人で頑張ってね」と言いました。本書は妻に捧げるささやかな紙碑です。

 


静人舎 / 2750円 / ISBN 4909299254
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