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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■志縁のおんな もろさわようことわたしたち

河原 千春編著(信濃毎日新聞社記者)

▼女性史研究家の半生たどる 

 信濃毎日新聞くらし面の連載をもとにした単行本です。長野県出身の女性史研究家・もろさわようこさん(96)の半生をたどりながら、いち早く女性の戦争責任を訴え、同時代にウーマンリブを評価した思想の先駆性に迫りました。ジェンダーという概念が一般的になる前から、社会的・文化的に性差別がつくられたことなどを訴えたもろさわさんの文章12編も収録。コロナ禍に揺れる社会について語ったインタビューも掲載しています。


一葉社 / 3300円 / ISBN 4871960838

■地域発ドキュメンタリーが社会を変える 作り手と映像祭の挑戦

市村 元(TBS出身)

▼社会を問う 地方からの生の声 

 政務活動費の闇に切り込んだ調査報道、大企業の働き方を変えさせたドキュメンタリー、汚染された湖を住民とともに蘇らせた長期のキャンペーン報道、市営射撃場の鉛汚染を告発した第三セクター、沖縄あるいは被災地の小さき民を見つめ続けた静かな告発。40年余の歴史を重ねた「地方の時代」映像祭には毎年全国から〝社会を問う〟多くの映像作品が寄せられます。地域の課題に向き合う制作者の生の声を感じていただければ幸いです。

音好宏氏、「地方の時代」映像祭実行委員会との共編


ナカニシヤ出版 / 2750円 / ISBN 4779516064

■日本財団は、いったい何をしているのか 第七巻・コロナ禍とパラリンピック

鳥海 美朗(産経新聞出身)

▼見えざる敵との未曽有の闘い 

 2年以上におよぶ新型コロナウイルス感染症との闘いは、さまざまな社会課題の解決に取り組んできた日本財団にとっても、まさに未曽有の経験だった。もともとは東京2020パラリンピックの支援を通じて障害者スポーツのすばらしさを伝え、共生社会の実現を目指そうと準備を重ねてきた。それが感染症で一転し、患者の宿泊療養施設の設営や無料PCR検査の提供など対コロナ禍の最前線に。闘いはなおも続いた。


木楽舎 / 1650円 / ISBN 4863241623

■志村ふくみ 染めと織り

古沢由紀子(会報委員 読売新聞社編集委員)

▼「手仕事」の尊さ伝えたい

 人間国宝の染織家、志村ふくみさんは97歳。二人の娘を抱えて離婚後、民芸運動を提唱した柳宗悦の勧めで織りの道へ。植物の「命の色をいただく」と表現する草木染にこだわり、多彩な紬織の作品を生み出してきました。本書は新聞連載「時代の証言者」に大幅加筆し、豊富な写真とともに、創作の源泉に迫る評伝です。染織の「学校」を設立し、新しい形で手仕事の価値を伝えようとする思いを、多くの人に知ってほしいと願っています。


求龍堂 / 3300円 / ISBN 4763021087

■筑紫哲也 「NEWS23」とその時代

金平茂紀(TBS「報道特集」キャスター)

▼テレビ報道の今を考えるための1冊

 テレビ報道の世界に45年、身を置いてきました。ほんの十数年前まで、この狭い日本の、テレビ報道の世界で力強くやれていたことが、なぜ今できていないのか。僕自身が関わったTBS系『筑紫哲也NEWS23』に集った人々の人間模様を描き残すことで、そのことを考えてみることにしました。ですからこの本は筑紫哲也氏の評伝ではありません。「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となる」(ワイツゼッカ―)という言葉を噛みしめながら。


講談社 / 2200円 / ISBN 406526068X

■朝日新聞記者の200字文章術 極小コラム「素粒子」の技法

真田正明(会報委員 朝日新聞出身)

▼書くことは記憶と向き合うこと

 182文字。朝日新聞夕刊の「素粒子」は、極小のコラムである。その字数でどのようにして読者に筆者の想いを届けるか。7年半書きながら考えてきた。文章の無駄を削りに削り、芯だけを残す。そこに主張やユーモアも盛り込む。玄米を50%まで磨けば大吟醸になるが、はたして文章も発酵するか。結局、書くことは自分との闘い、自分の記憶と向き合うことだという考えにたどり着く。SNSで万人が発信する時代に読んでほしい本です。


さくら舎 / 1650円 / ISBN 4865813179

■図解でわかる 14歳からのLGBTQ+ 社会応援ネットワーク著

高比良美穂(朝日新聞出身)

▼LGBTQ+、ジェンダーを詳しく解説

 スチュワーデスはキャビンアテンダント、保母は保育士、看護婦は看護士に。国際社会では「ジェンダーニュートラル」という考え方が急速に広まり、性の捉え方も多様になってきています。例えばFacebookでは58種類の性別表記が選べます。SDGsの全ての項目に関わるといわれるLGBTQ+やジェンダーの歴史、海外の事例を年表やグラフ、地図などをふんだんに使って解説した図解本。無意識な失言やセクハラ防止にも。

 


太田出版 / 1650円 / ISBN 4778317734

■歌から見える世界 心の歌よ!Ⅲ

伊藤 千尋(朝日新聞出身)

▼民族固有の魂の歌に迫る 

 映画「卒業」で流れた「サウンド・オブ・サイレンス」は、ケネディ暗殺事件の副産物でした。「コーヒー・ルンバ」は、アラブのお坊さんとは無関係な南米ベネズエラの歌です。世界の歌を現地調査すると、思いがけない発見があります。

 「ソルヴェイグの歌」を訪ねて北欧ノルウェーへ。「鳥の歌」のカザルスを追ってカリブ海へ。コロナ禍で旅ができない時期だからこそ、紙上で試みた地球規模の歌の探検。私たちになじみ深い歌の成立事情と風土、歴史的背景を探り、民族固有の「魂の歌」の内実に迫ります。


新日本出版社 / 1760円 / ISBN 4406066055

■世界の知性が語る「特別な日本」

会田 弘継(共同通信出身)

▼近代日本の記憶をたどって

 近代日本を論じる長編エッセーです。インタビュー集ではありません。世界の政治家や知識人との対話で浮かび上がった彼らの日本観と、著者のさまざまな体験や記憶を重ね合わせながら、近代日本を考えてみました。といって、小難しいことを述べているわけではないですから、気軽に手にとってみてください。今日の日本の停滞は戦後との向き合い方に問題があるのではないでしょうか。そんなことも考えていただけたらと思っています。


新潮社 / 792円 / ISBN 4106109247

■ジャーナリズムの倫理

山田 健太(日本新聞協会出身、専修大学)

▼言論法の体系書 理論と実務から 

 全面改訂した『法とジャーナリズム 第4版』と本書は、ジャーナリズムを支える法制度と倫理の両側面を、理論と実務の双方の視点から網羅的に扱った〈言論法〉の体系書をめざしました。いま多くの国で民主主義が揺らいでいます。その象徴例が表現の自由の縮減であり、ジャーナリズム活動の衰退です。そうしたなか、本書が民主主義の維持発展装置でもあるジャーナリズムが元気になることに、いくばくかの貢献ができることを願っています。


勁草書房 / 2750円 / ISBN 4326603402
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