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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■極権・習近平 中国全盛30年の終わり
中澤 克二(日本経済新聞社編集委員・論説委員)
▼究極の権力を手にした人物の目指すもの
先の共産党大会で最高指導部を自分の手駒で固めた習近平氏。人事完勝により絶頂を極めたかに見えるが、その裏でひそかな挫折があった。中国憲法より格上の共産党規約の改正ばかりは、自分の思い通りにならなかったのだ。事実上の「終身制」に道が敷かれなかったことで、習氏は今後5年、さらなる権力闘争に挑む必要がある。党大会閉幕式で衆人環視の中、異様な形で退場を迫られた宮廷政治劇「胡錦濤劇場」もこの一連の闘いに大いに関係している。
日本経済新聞出版 / 2090円 / ISBN 4296116061
■南進の口碑
秋山 哲(毎日新聞出身)
▼南方特別留学生、苦闘の生涯と彼の見た日本
私の小説第2作目である。前作『耳順居日記』と同様、アマゾン方式のオンデマンド出版で制作した。筆名も同様に「檜節郎」だが、舞台も時代も全く異なる物語である。
太平洋戦争中に、東南アジアから「南方特別留学生」が日本にやってきた。そのうち、広島高等師範学校に学んだ2人が原爆被災死するという悲劇となる。彼らの苦闘の生涯と、当時の東南アジア青年の目で見た日本と東南アジアの関係のあり方を問うている。
NextPublishing Authors Press / 1980円 / ISBN 4802078994
■世界のリーダー185人 ヒロシマ、ナガサキで発した「言葉」
三山 秀昭(広島テレビ顧問、読売新聞出身)
▼G7広島サミットへの視座
広島、長崎を訪れた世界のリーダーが発した「言葉」は年月が経ち、散逸している。それを徹底収集し、約3千人から185人を抽出、当時の国際情勢を踏まえて読み解いた。オバマ、ゴルバチョフ、核を自ら放棄した南アの大統領、核を放棄させられたウクライナの大統領、2人のローマ教皇、5人の欧米ジャーナリストの役割、無言を貫いたマリリン・モンローなど多彩な著名人が登場する。日本の歴代首相の被爆への熱量の違いも垣間見える。メディア関係者には便利な一冊だろう。
南々社 / 1980円 / ISBN 4864891540
■ゾルゲ・ファイル 1941―1945 赤軍情報本部機密文書 アンドレイ・フェシュン著
名越 健郎訳(時事通信出身)
▼ドイツ軍侵攻、日本軍南進のスクープ網羅
ゾルゲ事件は日本では関心が低下したが、ロシアでは愛国主義高揚で英雄視されてきた。知人のロシア人研究者が、ゾルゲの東京電など機密文書650点を公文書館で集めて出版したので、活動がピークだった1941年とそれ以降の文書を翻訳した。ドイツ軍侵攻、日本軍南進などゾルゲのスクープが網羅されており、ゾルゲ研究には必須。電報を受ける旧ソ連軍参謀本部情報総局(GRU)デスクのコメントの訳が難しく、時事外信部デスクの引き継ぎ簿を思い出した。
みすず書房 / 7040円 / ISBN 4622095149
■教育改革を問う キーパーソン7人と考える「最新論争点」
中西 茂(読売新聞出身)
▼激動の10年から見通す教育界の未来
教育を専門的に取材するようになって間もなく30年。その中でも、民主党政権と第2次以降の安倍内閣の教育改革が行われた2010年代ほど、教育の世界が激変した時期はありません。その間、月刊の教育雑誌に書き続けてきたコラムを編集・再構成するとともに、教育界のキーパーソン7人にインタビューしました。教育改革の現在は過去とつながっています。キーパーソンとの対話から未来が見通せます。教育界の温故知新の書と自負しています。
教育開発研究所 / 2530円 / ISBN 4865605606
■街ダネ記者の半世紀 秋田県北・取材メモから
田村 彦志(毎日新聞秋田支局特約通信員)
▼地元揺るがしたニュースを掲載
2000年4月に秋田県北の地域紙・北羽新報から毎日新聞に転籍し、秋田県の能代通信部長として広大な県北部を担当してきました。半世紀にわたり取材してきた出来事を振り返りました。国有林や鉱業、ダムに沈んだ村、世界遺産の白神山地、平成の大合併、日本海中部地震など地元を揺るがした数々のニュースや出会いを取り上げました。担当エリアの広さは東京都の2倍余り。普段なかなか伝わりにくい秋田県北について興味を抱いていただければ幸いです。
現代書館 / 2420円 / ISBN 4768459331
■図解でわかる14歳からのストレスと心のケア
高比良 美穂(朝日新聞出身)
▼「共感ストレス」「トラウマ」も解説
長引くコロナ禍でイライラや抑うつ症状を訴える人が増える中、編集部ではサイト「こころの健康サポート部」を立ち上げた。サイトに届いた「災害や侵攻のニュースを見て胸が苦しくなった」「ウクライナから来た人を元気づけようと花火大会に連れて行ったら発作が起きてしまった」等の声に応えて、「共感ストレス」「トラウマとフラッシュバック」等を分かりやすく解説し、具体的な対処法も掲載した。取材にもボランティアにも役立つ内容となっている。
(社会応援ネットワーク著、冨永良喜監修)
太田出版 / 1650円 / ISBN 4778318293
■踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代
小倉 孝保(毎日新聞社論説委員)
▼「時代」が生んだ女性の評伝
ストリップの一条さゆりさんとミスタープロ野球、長嶋茂雄さんは同じ1958(昭和33)年にデビューしました。この年、東京タワーが開業しています。
一条さんが引退公演中に逮捕されたのが72(昭和47)年。連合赤軍による浅間山荘立てこもり、沖縄の日本復帰、日中国交回復もこの年です。
「伝説」の人生は時代を象徴する出来事と符合します。中田カウス、鈴木敏夫、小沢昭一各氏ら交流のあった人々の言葉を通し、日本の女性と社会の変遷も描きました。
講談社 / 2200円 / ISBN 4065292557
■安倍なきニッポンの未来 令和大乱を救う13人
乾 正人(産経新聞社上席論説委員)
▼日本の保守とはいったい何かを考え
自分の本を宣伝するのは、本当に恥ずかしいが、これまで出した4冊のうちで一番面白い(よくも「恥ずかしい」と書けたねぇ)。
言うまでもなく、令和4年7月8日に安倍晋三元首相が暗殺されていなかったら、この本が世に出ることもなかった。
店頭に並んだのは安倍「国葬」直後の10月初頭。実質的な執筆期間は1ヵ月半だったが、「日本の保守とはいったい何か」を自分なりに走りながら考えた次第である。乞御高評。
ビジネス社 / 1650円 / ISBN 4828424474
■強い国より優しい国 元旭川市長・元内閣官房長官 五十嵐広三伝
北野 宏明(北海道新聞出身)
▼村山連立政権で扇の要に
自、社、さ三党によるリベラルな村山連立政権で扇の要を担ったのが、五十嵐広三官房長官だった。新生党の小沢一郎氏の「普通の国」に対抗し「強い国より優しい国」を目指した。戦後50年の節目には、日本の戦争責任を認めた「村山談話」発表に心血を注ぎ込んだ。小選挙区制導入で与野党問わず、政治家の質が随分落ちた。五十嵐の生涯を振り返る中で、政治家とは、どうあるべきかを考えるヒントになればと考え、執筆しました。
北海道新聞社 / 2200円 / ISBN 4867210811