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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■悲劇の宰相 安倍晋三 清和会の血脈
秋山 光人(日本経済新聞出身)
▼自民最大派閥と「世界のシンゾー」の実像
安倍元首相が凶弾に倒れてから4カ月余り。世論を二分した国葬儀を機に、国際政治にも大きな足跡を残した故人を追悼。安倍政治を育んだ自民党最大派閥「清和会」の歴史をひもとき、超長期政権の内外政策を分析・評価したものです。故人が日経ビジネス誌に寄せた時事コラムを収録、森元首相や総裁候補の西村経産相らのインタビュー、主要な安倍スピーチなど豊富な資料を掲載しました。保守系雑誌の追悼号とはひと味違います。
日本経済新聞出版 / 1980円 / ISBN 4296115499
■富強中国の源流と未来を考える
濱本 良一(読売新聞出身)
▼党の歴史の中で習近平政権を位置付ける
現代中国史の中で重要な役割を果たしたのは毛沢東と鄧小平である。江沢民も胡錦濤も鄧が敷いた道を歩み、現在の習近平も鄧路線の延長上にある。習氏が違うのは権力を一手に集め、独自の思想と称して権威も高めようとしている点だ。10月に開催された党大会では、周囲をイエスマンで固めてしまった。だが、綻びは表れており、長期政権の道は平坦ではないだろう。現代中国の歩みを駆け足で概観した本書は、中国を専門としない人にも読んでほしい。
霞山アカデミー新書 / 1200円 / ISBN 4909204504
■首都圏の「綻び」 記者が出会った識者と考察
長竹 孝夫(中日新聞・東京新聞出身)
▼社会の「本質」に迫る一冊
福島原発事故と足尾銅山鉱毒事件の共通性をひもとき、首都直下地震や首都機能バックアップ論。富士山噴火による影響。2025年問題を視野に高齢者や介護、医療や健康のほか、老朽インフラや大水害など首都圏の諸課題を識者63人と考察しました。急激に広がるドローンやAI社会を展望。そして「言葉の政治家」ワイツゼッカ―(元ドイツ大統領)来日の足跡。「抵抗の新聞人」として名を残した桐生悠々の言葉で締めくくっています。
あけび書房 / 1650円 / ISBN 487154219X
■朝日新聞記者の書く力 始め方、終わり方
真田 正明(朝日新聞出身)
▼語感、季節感、比喩などについて
夏目漱石からフーテンの寅さんまで、好きな題材をたくさん取り上げました。前作の『朝日新聞記者の200字文章術』では、現役時代に担当していた「素粒子」の話を中心に書きましたが、今回はほとんど触れていません。その代わり、語感の違い、季節感の取り入れ方、比喩やオノマトペの使用法、パロディの本質などについて、いろんな作品をもとに考えてみました。すぐに役立つハウツー本ではありません。読み物として読んでいただければ幸いです。
さくら舎 / 1650円 / ISBN 486581356X
■冤罪をほどく〝供述弱者〟とは誰か
秦 融(元中日新聞編集委員)
▼捜査、司法にはない独自の視点で
「裁判は裁判、報道は報道」。原審から7回も有罪が認定された殺人事件を「冤罪」と訴え続けた報道「西山美香受刑者(出所後は「さん」)の手紙」には、自分たちの取材を信じる記者たちの信念が込められていました。冤罪報道で求められるのは捜査機関、裁判所にはない独自の視点です。必要なのは勇気ではなく、紙面化までの技術的なハードルをどう越えるか。余すことなく明らかにしました。講談社本田靖春ノンフィクション賞受賞。
風媒社 / 1980円 / ISBN 4833111446
■転生 満州国皇帝・愛新覚羅家と天皇家の昭和
牧 久(日本経済新聞出身)
▼溥儀と溥傑 波乱の生涯たどる評伝
人はどこまで変わることができるのだろうか? 清朝最後の皇帝「宣統帝」、満州国皇帝「康徳帝」、戦後はソ連に抑留後、戦犯として中国に送還され、中国共産党の思想改造教育を受けた後は、北京市民として三つの人生を生きた溥儀。一方、弟の溥傑は嵯峨侯爵家の娘・浩と結婚、終戦後に生き別れになったものの16年後に奇跡の再会を果たし、生涯愛し続けた。ふたりの波乱の人生は日本と天皇家の「昭和」を裏側から照射している。
小学館 / 3300円 / ISBN 4093888582
■アメリカの政治任用制度―国際公共システムとしての再評価
小池 洋次(日本経済新聞出身)
▼日本の改革論議にも一石投じたい
アメリカの政策形成の核心というべき政治任用制度について、四半世紀にわたり調査・研究した結果です。専門書の体裁を取っていますが、多くの人々に読んでもらえるように書きました。政策を作るために国民各層の総力を結集できるのがアメリカのシステムです。我々はそれをもっと深く理解すべきではないでしょうか。国の統治のあり方を議論する際に、ぜひ、参考にしていただきたいと思っています。
東洋経済新報社 / 6050円 / ISBN 4492212493
■国際報道を問いなおす―ウクライナ戦争とメディアの使命
杉田 弘毅(共同通信社特別編集委員)
▼日本の国際報道の突破口に
ウクライナ戦争を新聞もテレビも毎日ふんだんに伝えている。米国のメディアよりもその割合は大きいようだ。プーチン氏の悪魔性、可視化された爆撃被害、ガソリン・食料価格の高騰、そして核戦争の恐怖など、日本人が引きつけられる理由はある。外国メディアの「翻訳・紹介」としばしばやゆされた国際報道の突破口になりそうだ。戦争報道の歴史に始まり、投稿画像分析に代表されるOSINTなど最新事情も盛り込みました。
筑摩書房 / 968円 / ISBN 4480074945
■「ナパーム弾の少女」五〇年の物語
藤 えりか(朝日新聞社デジタル機動報道部記者)
▼少女が送った苦難と激動の人生
ベトナム戦争末期の1972年、ナパーム弾を浴びた少女の写真がベトナム人のAP通信記者の手で撮影され、戦争の残酷な現実を世界に伝えて反戦のうねりを巻き起こしました。一方、被写体の女性がその後、いかに苦難と激動の人生を送ったかは意外と知られていません。本人や撮影者、関係者に取材を重ね、50年の節目にまとめました。カナダへの決死の亡命譚はまるで映画のよう。ロシアのウクライナ侵略などで戦争被害者や避難民が増える今こそ、広く伝えたいです。
講談社 / 1980円 / ISBN 4065288134
■沙飛〈中国のキャパ〉と呼ばれた戦場写真の先駆者
加藤 千洋(朝日新聞出身)
▼数奇な戦場カメラマンの足跡
沙飛は日中戦争をカメラで戦い、数多くの貴重な記録写真を残した八路軍初の従軍カメラマンだ。だが心身のストレスから入院した病院で主治医を射殺し、処刑されてしまう。主治医は新中国建設に協力するために残留した日本人医師だった。この悲劇は両国の関係者に深い傷を残す。改革開放後、刑事責任を負えない事件だったと沙飛は名誉回復され、「中国のキャパ」とも評されるなど再評価が進む。国交正常化50周年の今、数奇な戦場カメラマンの足跡は私たちに何を語るか。
平凡社 / 3080円 / ISBN 4582231322