2021年02月22日 13:30 〜 14:30 オンライン開催
「新型コロナウイルス」(55) 全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部 飯泉嘉門本部長、平井伸治本部長代行

会見メモ

全国知事会で新型コロナウイルス緊急対策会議の本部長を務める飯泉嘉門会長(徳島県知事)と、平井伸治本部長代行(鳥取県知事)がリモートで会見。ワクチン接種に向けた都道府県の動き、特措法、感染症法の改正を踏まえた知事の役割、都道府県の施策について話した。

司会 伊藤雅之 日本記者クラブ企画委員(NHK)

 

写真左から飯泉嘉門氏、平井伸治氏。


会見リポート

知事会提言、多くが実現

斉藤 徹弥 (日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

 全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部のツートップが登場し、2年目に入ったコロナとの闘いの最前線を語った。

 47知事が参加する対策本部はこの1年でオンライン会議を十数回開催し、毎回、3時間ほど議論して政府への提言をまとめている。飯泉氏は、特措法の改正や臨時交付金の拡充など、知事会の提言の多くは受け入れられていると評価した。

 知事会の要請で特措法に設けた罰則には私権制限を懸念する声がある。平井氏は「積極的疫学調査で調査に応じてもらえず、警察を伴わなければならない危険なケースもある」と実情を説明し、こうした時の担保措置になると理解を求めた。

 緊急事態宣言で第3波は収まりつつある一方、地域経済に関して飯泉氏は「緊急事態宣言の対象地域ばかりが注目されるが、それ以外の地域も厳しくなっている」との認識を示す。影響は業種や地域によって異なることから都道府県への臨時交付金などで対応するよう求めた。

 第3波後の課題として飯泉氏は「積極的疫学調査を地方はやっているが、大都市部は十分でない。市中監視態勢をきちんとすることが大切だ」と指摘。平井氏は「病床を確保するため、多くの地域は余裕のある時期に病院を一つ一つ説得して歩いたが、大都市部はうまくいっていなかった。感染が収まった段階で、国全体で病床の確保策を進める必要がある」と語った。

 総務省で同期だった両氏は対策本部でも息はぴったり。飯泉氏が勧進帳のごとく立て板に水で説明し、物腰柔らかな平井氏が知事たちの意見を柔軟にさばく。平井氏が和歌を詠むのも恒例になっており、この日の会見でもスペイン風邪にかかった斎藤茂吉の1首を披露した。

 はやりかぜ 一年おそれ 過ぎ来しが 吾は臥りて 現ともなし


ゲスト / Guest

  • 飯泉嘉門

    全国知事会会長、新型コロナウイルス緊急対策本部長(徳島県知事)

  • 平井伸治

    全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部長代行(鳥取県知事)

研究テーマ:新型コロナウイルス

研究会回数:55

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