会見リポート
2026年04月17日
15:30 〜 17:00
10階ホール
「移民・難民から見た世界情勢」 ジャーナリスト・村山祐介さん
会見メモ
元朝日新聞記者で現在はドバイを拠点に活動する村山祐介さんが登壇。「クロスボーダー=難民移民、紛争、情報など国境を越える動き」をテーマに、ウクライナ、地中海、ポーランドなどさまざまな現場の様子を動画を交えて報告し、取材から見えてくる世界情勢について話した。
司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)
会見リポート
移民・難民受け入れのコンセンサス作り急務
原田 健男 (元JNNカイロ支局長・山陽放送出身)
欧州や米国等各地に足を運び、移民難民問題に特化して取材を続ける日本人フリージャーナリストがいる。村山祐介さん(54)だ。村山さんは商社勤務の後、朝日新聞に入社し約20年間記者として働き、2017年に中南米から密林を歩いて米国を目指す人々を取材したのをきっかけに、フリーに転向。オランダ・ハーグに拠点を移し欧州難民問題の取材を始めた。その後今度はドバイに移って中東・アフリカの移民難民を取材している。ドバイでは家族も一緒だが、イランによるミサイル反撃で危険が迫ったため、現在一時帰国中だ。
移民難民問題が大きくクローズアップされたのは2015年に発生した欧州難民危機である。アラブの春を発端とするシリアの内戦等でこの年100万人もの難民が中東やアフリカから地中海を渡って欧州に殺到した。村山さんも国境なき医師団の船に1カ月乗って取材したという。また2022年にはロシアがウクライナに侵攻し、これまでに600万人ものウクライナ人が周辺国等に流入している。米国ではコロナ後バイデン政権がビザなし移民の受け入れを増やしたため、国境を越えて入ってくる人々が増加、トランプ氏はこれを阻止する公約を掲げ、この問題が大統領選挙の争点の一つとなった。
欧州や米国では一定数の移民難民を受け入れてきた歴史がある。しかし急激な受け入れの増加にはそこに住んでいる人々との軋轢など問題も多く、右派政党がこれを攻撃し議会勢力を伸ばしている。一方日本ではこれまで難民・移民に厳しい制限をかけてきたものの、人手不足を前に対応を迫られている。国内では今や外国人労働者無しではやっていけない業種が増えており、国民の間でこの問題にどうコンセンサスを作ってゆくかが喫緊の課題だと村山さんも強調した。
ゲスト / Guest
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村山祐介 / Yusuke MURAYAMA
ジャーナリスト / journalist
