会見リポート
2026年04月21日
14:00 〜 15:00
10階ホール
アレクサンダー・ドゥ=クロー国連開発計画総裁 会見 ※会場を10階ホールに変更しました(4/17更新)
会見メモ
昨年12月に就任したドゥ=クロー国連開発計画(UNDP)総裁が、UNDPの現状などについて話した。
司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)
通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)
会見リポート
「開発支援は未来への投資」
竹澤 顕 (NHK出身)
国連による開発支援の中核を担う国連開発計画(UNDP)。その総裁に2025年12月に就任後、今回が初めての来日となった。
会見では冒頭から繰り返し、開発支援の意義を訴えた。「単なる援助ではなく未来への投資」「世界を安定させ安全にするもの」「安全保障の一環」などなど。
イランやベネズエラ、長期化するウクライナ。大国の自己中心的な行動が世界をかき乱している。国連が支え、支えられてきた多国間主義が揺らいでいる。自国第一が幅を利かせる世界では、「困っている人を助ける」にも、理由や理屈がこれまで以上に必要になっている。
UNDPによると、世界で極度の貧困状態にある人の数は、この25年間に半減した。しかし、アメリカとイスラエルのイラン攻撃による混乱で、3200万人が貧困状態に逆戻りしたという。総裁は「数十年かけて積み上げてきた実績が、7週間の戦争で破壊されてしまった」と話した。穏やかだった口調が少し鋭くなった。
UNDPは、持続可能な開発目標(SDGs)の策定と推進にも大きな役割を果たしてきた。ただ、自国第一主義の広がりは、SDGsにも逆風となっている。
2030年以降の次の開発目標はどうあるべきか? 質問に対し総裁は、「SDGsの枠組み自体は間違っていない。私見だが、169のターゲットは40まで絞ってもよいのでは」と述べた。では、その枠組みにアメリカを包摂できるのか? 「決定はアメリカ人自身が行うこと。私としてはコメントできない」とだけ答えた。
総裁は就任前まで、小政党が割拠するベルギーで、7党の連立政権をまとめ4年余りにわたり首相を務めた。その経験は、「参考になるかも」と笑った。アメリカはじめ各国・地域をまとめ、国際協調の枠組みを再構築できるか。UNDP総裁の任期は4年。新総裁の大きな仕事になる。
ゲスト / Guest
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アレクサンダー・ドゥ=クロー / Alexander De Croo
国連開発計画総裁 / Administrator, UNDP ( United Nations Development Programme )
