2026年04月08日 12:30 〜 14:00 10階ホール
「高市現象と日本の政治」(2) 中北浩爾・中央大学教授

会見メモ

自民党圧勝、中道改革連合の大敗という結果をどう解釈すべきか。

中北浩爾・中央大学教授が、政治史の流れや世界的なポピュリズムの潮流を踏まえながら、支持組織の変化、テレビからSNSへのメディアの変化などさまざまな要素から分析した。

 

司会 小栗泉 日本記者クラブ企画委員(日本テレビ放送網)

 


会見リポート

日本政治、多極型多党制へ

木谷 孝洋 (東京新聞政治部)

 2025年10月4日の自民党総裁選での高市早苗氏の選出とその6日後の公明党の連立離脱表明、そして衆院選での自民党の地滑り的な圧勝―。この半年の動きを予想できた政治記者はいないのではないか。中北氏の会見は1994年以降の政治改革の文脈を踏まえながら、このジェットコースターのような政局を理解するための補助線を与えてくれた。

 中北氏は、公明の離脱と自維連立の成立により日本の政党システムが2ブロック型多党制から多極型多党制へ移行したと指摘した。自民と維新の選挙協力は自公の強固なブロックに比べて互恵性が弱く、政局次第では連立の組み替えもあり得るからだ。野党サイドでは、参政党など自民よりも保守的な勢力が出現し、与党の左右に野党が分布する「双系野党」となった。与野党ともにブロック化が難しい状況で、自民の相対的な優位が当面は続くと考えるのが自然だろう。

 さて、会見で関心を集めたのは高市氏のアウトサイダー性を巡る議論だ。中北氏は「女性、非世襲で庶民出身、関西弁、大衆的な振る舞い(ノリの良さ)、前向きの頑張る姿勢」を挙げ、高市氏が既存の政治エリートではないポピュリズム的な人気を集めたと分析した。こうした性質は(性別や世襲かどうかの違いはあれど)小泉純一郎氏と重なる点が多い。高市氏自身は安倍晋三氏の後継者であることを強調するが、資質は劇場型政治を演じた小泉氏に似ているとの指摘に深く頷いた。

 会見ではシリーズ初回と同様、SNSが政治や選挙に与える影響力を急速に増している現状も強調された。ユーチューブなどでは「保守上げ、リベラル下げ」の傾向がはっきりと見て取れ、選挙結果にも無視できない影響を与えている。多極型多党制のなかで、SNS上の言論空間をどのように健全なものにしていくかは避けて通れない課題だろう。

 


ゲスト / Guest

  • 中北浩爾 / Koji NAKAKITA

    中央大学法学部教授 / Faculty of Law Professor, Chuo University

研究テーマ:高市現象と日本の政治

研究会回数:2

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