2026年04月13日 15:00 〜 16:00 10階ホール
イニゴ・デ・パラシオ・エスパーニャ駐日スペイン大使を囲む会

会見メモ

少数与党による左派政権を率いるサンチェス首相は、イスラエル・米国のイラン攻撃を、一方的な国際法違反と批判してきた。移民政策では、受け入れの厳格化に動く他の欧州とは一線を画した政策を進めている。

イニゴ・デ・パラシオ・エスパーニャ駐日スペイン大使が登壇し、"Spain and Japan:A Relationship of Cooperation and Friendship amid Profound Geopolitical Change"をテーマに話すとともに、対米への姿勢や移民政策などに関する質問に応じた。

 

司会 大内佐紀 日本記者クラブ企画委員(読売新聞社)

通訳 森岡幹予 サイマル・インターナショナル


会見リポート

世界の「潮流」に逆らうスペイン

寺本 麻子 (時事通信社国際報道部)

 「誰の目から見ても明らかに違法な侵略戦争だ。なぜ口にしてはいけないのか」。2月28日に始まった米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦での独自姿勢を問われ、きっぱりと答えた大使。開戦当初、表立った批判を控えてきた欧州主要国の中で、スペインは真っ向から異議を唱え存在感を示してきた。大使は、他国の軍事侵攻を非難することは、その国との関係を損ねるものではないとし、サンチェス中道左派政権の人権と法を順守する立場を改めて強調した。

 会見では、昨今の移民受け入れ制度も議題に上がった。政府は4月、犯罪歴がないことなどを条件に約50万人の非正規移民の在留を認める計画を正式承認した。移民の受け入れは、コミュニティーの摩擦や国民の反発を生むことが懸念されるが、対応策として、外国人がスペイン居住者との家族関係を証明する代わりに居住権を付与する制度(「アライゴ ソシアル(社会的定着)」)で下地を整えてきたという。現状では「経済成長や公共財政に大きく貢献している」と力説した。

 受け入れに伴う摩擦が比較的小さい背景には、歴史的に宗教・文化・言語の面で共通点を持つ中南米の国からの移民が多いことも関係しているとみられる。大使は、現地社会に溶け込みやすいという中南米移民にとっての優位性が「もちろん働いている」とした上で、近年では北アフリカのモロッコやアルジェリアからも増えていると指摘。国籍が多様化する中、政策の是非を巡り極右政党からの反対など「一部で(政治的)論争はある」と明らかにした。

 移民を厳格化する欧州の動きとは逆に、国の一員として認め経済発展につなげるスペインの取り組みは、今後も各国からの注目を集めそうだ。


ゲスト / Guest

  • イニゴ・デ・パラシオ・エスパーニャ / Iñigo DE PALACIO España

    駐日スペイン大使 / Ambassador to Japan, Spain

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