2026年04月24日 15:30 〜 16:30 10階ホール
渋谷正昭・小笠原村長 会見

会見メモ

高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の処分地の選定に向けた文献調査が東京都小笠原村の南鳥島で行われる見通しとなった。小笠原村の渋谷正昭村長が登壇し、国からの申し入れからこの間の経緯、住民説明会などにおける村民の反応、国に求めることなどについて話すとともに、地層処分地選定のプロセスについての見解や、交付金に関する質問などに応じた。

 

文献調査は、北海道の寿都町、神恵内村、佐賀県の玄海町で行われており小笠原村は4例目。応募や地元の請願を経ずに国が主導して調査を申し入れたのは今回が初。渋谷村長は、国からの申し入れに対し、「国が文献調査を実施する否かを判断するべき」とした上で、国が「文献調査を実施する」と判断するのであれば、村としてその判断を受け入れると回答。会見3日前の4月21日に赤澤亮正経済産業相と面会し、調査実施の方針が伝えられた、渋谷村長も受け入れる考えを示していた。

 

司会 行方史郎 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞社)

 


会見リポート

他の自治体にも申し入れを

渡辺 聖子 (東京新聞社会部)

 日本の最東端、東京都小笠原村の南鳥島で、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の第1段階となる文献調査が国の判断で実施されることになった。渋谷正昭村長は4日前、国からの調査申し入れに「国が主体的に責任をもって判断すべきだ」と回答したばかり。会見で「国は他の自治体にも申し入れてほしい」と述べ、全国的な議論の広がりを強く望んだ。

 先行する3自治体は、いわゆる「手挙げ方式」で調査が始まった一方で、小笠原村は国が主導して決まった初めてのケース。渋谷村長は昨年11月に国から「手を挙げる自治体がない」として申し入れを打診された経緯を説明し、小笠原が加わっても適地を比較検討して選ぶには「十分ではないと思う」と述べた。文献調査の意義について「国で言えば理解活動、われわれからすると議論を深める場だ」と繰り返した。

 国への回答時に要請した5項目の一つに、小笠原以外の自治体に申し入れがない限りは次のステップに進む意見表明はしないことを含めた。いわば国にくぎを刺した格好だ。次の概要調査に進むか否かは、村長に加え都知事の意見を聞き、その意に反しないことになっている。判断の仕方を問われ「どういう方向にいくかは白紙の状態だ」と述べた。調査実施イコール処分場建設ではないことも国に確約を得ている。

 文献調査を実施すると、国から最大20億円の交付金が支払われる。渋谷村長は現時点で議会の中にさまざまな意見があることから、受け取りの有無も含めて「議会で議論して決める」と述べた。

 申し入れの当初を振り返り「容認ということを考えてもいいかなと思っていた」と胸の内を明かす場面も。父島・母島から約1200㌔離れ、民間人がいない国有地に対し住民から多様な意見が出て、苦渋の末に冒頭の回答をしたことをうかがわせた。


ゲスト / Guest

  • 渋谷正昭 / Masaaki SHIBUYA

    小笠原村長 / mayor of the village of Ogasawara in Tokyo

ページのTOPへ