会見リポート
2021年02月24日
10:30 〜 11:30
オンライン開催
「3.11から10年」 吉田数博・浪江町長
会見メモ
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から10年を前に、福島県浪江町の吉田数博町長がリモートで会見。復興の現状と課題、今後のまちづくりに向けた浪江町の取り組みなどについて話した。
司会 川上高志 日本記者クラブ企画委員(共同通信)
会見リポート
「全ての古里を取り戻す」
渡辺 晃平 (福島民友新聞社浪江支局長)
「本日で3639日になります」。浪江町長恒例のあいさつで会見が始まった。10年前の3月11日からの日数だ。原発事故による帰還困難区域は今も町土の8割を占め、「全ての古里を取り戻す」までカウントをやめない。
帰還困難区域のうち約3%は人が再び住めるようにする特定復興再生拠点区域に指定され、2年後の避難指示解除を目指す。しかし国は拠点外の除染や解除の方向性を示していない。「早急に方針を示して」。町民の心の痛みを代弁し、改めて国に要望した。
現在の居住者数は約1500人で震災当時の1割未満。20年3月、大規模な水素製造拠点が開所し、町は水素を復興の鍵として関連産業の集積を図る。震災の教訓を踏まえた脱炭素の町づくりで、移住者獲得につなげる狙いだ。
復興計画で8千人の人口目標を掲げる町長。「厳しいが不可能ではない」。苦悩の日々は次の10年を迎える。
ゲスト / Guest
-
吉田数博 / Kazuhiro Yoshida
福島県浪江町長 / Mayor, Namie town, Fukushima Prefecture
研究テーマ:3.11から10年
研究会回数:12