会見リポート
2021年02月04日
10:30 〜 11:30
オンライン開催
「3.11から10年」宮本皓一・富岡町長
会見メモ
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から間もなく10年を迎えるのを前に、福島県富岡町の宮本皓一町長がリモートで登壇。町の復興の現状、コミュニティーの再建に向けた取り組み、今後の課題などについて話した。
富岡町はほとんどの地域で避難指示が解除されたが、町の全面積の約12%に帰還困難区域が残る。
宮本町長は「帰還困難区域の再生をなくして、復興はない。どの地域も取り残さない」とあらためて強調。
「国には時間軸をつけ今後の道筋を示してほしい」と求めた。
司会 村山知博 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)
会見リポート
町民帰還が「最も困難」
後藤 啓文 (朝日新聞社論説委員)
東京電力福島第一原発の事故で全町民に避難指示が出された福島県富岡町。宮本皓一町長が繰り返し語ったのは「一部の地域を取り残してはいけない」という考えだ。
富岡町では2017年4月に一部を除いて避難指示が解除されたが、町面積の約12%を占める帰還困難区域は立ち入りが制限され「時が止まった状態」。わが家が朽ち果てていく光景に心を痛める町民もいるが、町が求める全域の除染の見通しは立たない。「10年を迎えても国から方向性が示されていない。こんな状況はないと思う」
町の再生への課題は多いが、「最も困難」と言うのが町民の帰還。会見当時の居住者は1576人で、町の人口の1割強にとどまる。「(教育や仕事のため)避難先に拠点ができてしまったことが大きな要因」。もともとの町民だけでなく、移住者を増やす取り組みにも力を入れている。
ゲスト / Guest
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宮本皓一 / Koichi Miyamoto
福島県富岡町長 / Mayor, Tomioka town, Fukushima Prefecture
研究テーマ:3.11から10年
研究会回数:3