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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■日本人らしさの発見 しなやかな〈凹型文化〉を世界に発信する
芳賀 綏(個人D会員、東京工業大学名誉教授)
▽世界の中の日本人再発見
「眼からウロコ」と評されて心強い。中韓両国はそもそも日本と〝近くない〟国だったと得心してもらえた。世界は、6~7千年も前から、ヨーロッパから中韓にまで及ぶ〈凸型文化圏〉と、日本や東南アジア諸国その他の〈凹型文化圏〉に分かれ始めた。その風土的・歴史的背景を知らない近隣幻想では真の友好へ前進できない。そのことや戦時日本の総括も含め、世界の中の日本人の位置と役割の再発見を、と縦横に、平明・懇切に説きました。
大修館書店 / 2100円 / ISBN 4469213462
■原発災害、その時テレビは… ~終わりの見えない取材の中で~
佐藤 崇(福島中央テレビ取締役報道制作局長)
3年が過ぎようとする中で、あの時の記憶が薄れかけている。映像や番組の形で記録し続けてきたつもりだが、時にこぼれ落ちていく。本書は、応援を継続いただいているNNN各局に防災対応の参考にしてもらうことを目的に、地元メディアとしてどう対応したかを主題にまとめたが、これほどの大災害ではスタッフの個人的な事情も無視できなかった。取材と被ばくの不安、家族の安全との間の葛藤についても寄稿を求め、あるいは聞き取った。ロジスティックスやローカル特番編成、民放ならではのCM対応など、さまざまな混乱とその対応ぶりについても記録した。プライバシーに関わる部分もあり非売品としたが、長く続く福島の闘いの1つの側面が今後の防災減災のためにも記憶されればと願う。
/ 0円 / ISBN
■リー・クアンユー 未来への提言
小池洋次(日本経済新聞出身)
▽各界の指導者に読んでもらいたい
シンガポールの建国の父で、「アジアのオピニオンリーダー」と言われた政治家のインタビュー集を監訳しました。その危機意識の強さと行動的知性の在り方から日本への教訓を読み取っていただきたいと思います。監訳書とはいえ、日本人向けに構成を変え、さらに、各章ごとの説明と、リー・クアンユー論というべき解説をつけました。自著を刊行したような気分です。この仕事を引き受けたのは、リー氏は私が記者時代に最も刺激を受けた人物だったからでもあります。
日本経済新聞出版社 / 3150円 / ISBN 4532168961
■ミツバチ大量死は警告する
岡田幹治(朝日新聞出身)
▽知らないことほど怖いものはない!
母体や母乳から取り込んだ微量の化学物質(農薬など)が、子どもの脳・神経系の発達を阻害し、発達障害の原因となる──そんな研究がいくつも発表されていることをご存じだろうか。このような、知られることの少ない環境化学物質の危険性を、最新の情報をもとに具体的に明らかにした。とっつきにくいテーマなので、ミツバチという環境の変化に敏感な生き物の助けを借り、わかりやすくするよう心がけた。豊かな社会を支える近代科学技術文明への批判でもある。
集英社新書 / 798円 / ISBN 408720717X
■有害化学物質の話 農薬からプラスチックまで
井田徹治(共同通信編集委員)
▽有害化学物質汚染の入門書
ダイオキシンやPCBなどに関する長年の取材結果をまとめた地球環境問題としての有害化学物質汚染の入門書です。汚染は発展途上国や極地でも深刻化し、妊娠中の母親を通じた胎児への影響の懸念も高まっています。日本では「空騒ぎだった」などと言われている環境ホルモンの問題も、海外ではこの15年ほどの間に研究が進み、近年、さまざまな進展がみられます。ここでも重要なのは「予防原則」と「世代間の公平性」の視点です。
PHP研究所 / 987円 / ISBN 4569814689
■金正恩の北朝鮮 独裁の深層(黒田勝弘・武貞秀士共著)
黒田勝弘(産経新聞ソウル駐在客員論説委員)
▽北朝鮮は面白い!
韓国では日本批判として「日本はドイツに学べ」とよく言うが、筆者は「韓国こそドイツに学びなさい」と反論している。早く南北統一して、東ドイツ出身のメルケル首相のように北朝鮮出身の大統領を生みなさい、それが民族的力量じゃないの、と。1970年代のソウル語学留学時代以来の友人である元防衛研究所の武貞秀士氏と、そんなことも含め語り合ってみた。お互いかなり異見はあったが「北は面白い!」では完全一致しました。
KADOKAWA / 840円 / ISBN 4046534249
■なぜ独裁はなくならないのか 世界の動きと独裁者インタビュー
千野境子(産経新聞出身)
▽若い読者に世界を見てほしい
アラブの春で起きた独裁者たちのドミノ倒し。その末路に、ノリエガ将軍やカストロ議長、イメルダ夫人ら独裁的指導者たちとの会見記が久々によみがえった。外信部デスク時代は東欧社会主義の崩壊に、特派員時代はスハルト独裁の崩壊に立ち会った。ベルリンで見たヒトラー大回顧展の衝撃…世界史は独裁者たちが死屍累々だ。歴史への関心をかきたて、世界にもっと目を向けてほしいと、独裁と民主主義を切り口に若い読者に向けて書いた。
国土社 / 1365円 / ISBN 4337187553
■EUの知識〈第16版〉
藤井良広(日本経済新聞出身)
▽情報で読み解くEUの素顔
欧州連合(EU)の現状と歴史、多様な諸機関、諸制度等を徹底的に解説したベストセラー書の最新版です。16版を重ねた今回は第1章で欧州債務危機問題を特集しました。ちまたの「EU解体論」「ユーロ崩壊論」とは異なる検証を試みました。それ以外にも、EUの政治・経済を中心に、環境、社会、消費など、幅広い分野を取り扱いました。EUを初めて学ぶ人はもちろん、すでにEUと付き合いのある人にも、最新情報の提供と、関連分野への関心をかきたてることを目指しています。
日本経済新聞出版社 / 966円 / ISBN 4532112907
■自動車設計革命 TPPに勝つもの作りの原点
長谷川洋三(日本経済新聞出身)
▽世界を席巻したトヨタ生産方式が変わる!
クルマ作りといえば、ジャストインタイムと擦り合わせ型のもの作りを基本にしたトヨタ生産方式というのが世界的常識になって久しい。ところが、自動車業界に「設計革命」の新しい波が押し寄せ、このトヨタ生産方式が大きく変質しつつある。新興国市場が台頭する中で、多様な消費者のニーズに素早く対応する生産方法としてVWなどがモジュール生産方式を前面に押し出し、トヨタ自動車も全体最適にカジ切りを始めた。この影響を受けたのが系列企業で、新規提案やコストダウンなど対応に大わらわだが、系列を抜け出して健闘する企業も少なくない。実はそのたくましさを描くことにこの本の狙いがある。
中央公論新社 / 1785円 / ISBN 4120045609
■テレビ報道職のワーク・ライフ・アンバランス─13局男女30人の聞き取り調査から(林香里・谷岡理香編著)
松本侑壬子(共同通信出身)
▽アンバランスな実態に切り込む
毎日24時間流れ続けるテレビニュースは誰がどのようにして作り、流しているのか。本書は、全国のテレビ報道現場の50代管理職21人と30代の若手9人への公私にわたる多角的なインタビューにより、現在のテレビ業界の実態と課題に迫る。編著者を含む15人の筆者の半数以上は、放送業界から学界へ転身した女性研究者集団。取材対象の人数も肩書も男女平等に丁寧に話を聞いたが、まとめてみるとはっきり男女差が出てくる。とりわけ世界水準に程遠い女性記者の数の少なさは、日本のマスメディアのアンバランスの象徴ではないのか。課題と提言を含め、ジャーナリズム研究として新たな境地に切り込んだ試みである。
大月書店 / 2940円 / ISBN 4272330829