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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■日中関係の針路とメディアの役割(高井潔司・保田龍夫編集)
保田 龍夫(共同通信出身)
昨年11月12日に(公益財団法人)新聞通信調査会が開いた同名の公開シンポジウムの模様を再現し、加筆補正しました。
当日は日本記者クラブが開いた小泉純一郎元首相の「大入り満員」会見と正にバッティング。当会にいったん申し込み、小泉会見の方に流れた会員の方に特にお薦めします。
基調報告は丹羽宇一郎・前中国大使と朱鋒・北京大学国際関係学院教授からいただき、日中両国のジャーナリストら4人(共同通信、元北海道新聞、新京報、南方週末)がパネリストとして意見を戦わせました。
そのさわりをいくつかご紹介。「英紙報道で見た日本メディアの勇気のなさ」「等身大の姿見せ合え」「一辺倒、妖怪化する日本の中国報道」「市場が『反日』を求めている」「実は最大の親日派は中国共産党」「中国の愛国教育のトーン下げよ」。付録の年表(ここ11年間の日中関係、中国メディアの動き)も役立ちます。
新聞通信調査会 / 1000円 / ISBN 4907087276
■福島と原発2 放射線との闘い+1000日の記憶(福島民報社編集局著)
紺野正人(福島民報社報道部副部長)
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から3年がたった。福島県民は一歩ずつ復興への歩みを進めている。
本書は、福島民報紙上で平成25(2013)年1月から11月まで計5部、96回(番外編を含む)に及んだ長期連載「ベクレルの嘆き 放射線との戦い」に加筆し、まとめた。原発事故に直面した県民の放射線への不安や葛藤、リスクコミュニケーションをめぐる政府や専門家の対応、農林水産業の再生の取り組み、除染の現状と課題、福島第一原発の汚染水問題などを追った記録である。原子力災害の本質を伝えようと試みた。
作家の柳田邦男さんが「福島で何が起きたのか、安全への納得につながるリスクコミュニケーションはいかにあるべきか、多岐にわたる記者たちの丁寧な深掘取材から生み出されたこの記録と提言は、判断に不可欠の要素を知るうえで必読の書だ」と推薦文を寄せている。
「3・11」から25年12月4日までの1000日にわたるドキュメントも収録している。
早稲田大学出版部 / 2800円 / ISBN 4657140027
■小選挙区制は日本を滅ぼす 「失われた二十年」の政治抗争
浅川博忠(山形新聞客員論説委員)
▽20年間の内情リポート
竹下登と小沢一郎による「竹小戦争」の副産物として誕生した衆院の小選挙区比例代表並立制。この制度により20年間に6回の総選挙が実施されてきているが、短期での首相交代劇や政治家の小粒化などで国家は迷走の連続。政権交代可能な2大政党誕生どころか一強多弱の多党化。この間の内情を間近で詳細にリポートしたのが本書。いまこそ抜本改革に臨まないと日本は滅びゆくリスクと直面しよう!
講談社 / 1400円 / ISBN 4062188511
■やさしい「経済ニュース」の読み方
岡田晃(テレビ東京出身)
▽日本経済の全体像つかむテキストに
日本経済新聞とテレビ東京での経験をもとに、少しでも多くの人に「経済ニュースは面白い」と感じてもらいたいとの思いから執筆しました。「やさしい」といっても単に経済用語の説明に終わるのではなく、実際の経済ニュースを題材にしながら、経済の仕組みやつながりを理解できるように解説しました。「経済を〝縦〟と〝横〟で見る」など独自の切り口を随所に盛り込み、日本経済の全体像と展望がつかめるような内容にもなっています。
三笠書房 / 1200円 / ISBN 4837925332
■原発敗戦 危機のリーダーシップとは
船橋洋一(元朝日新聞社主筆)
▽第2の敗戦と認識することから
福島第一原発事故を取材して痛感したことは、以下の3点です。
日本は、なぜ、リスクを取るのがこうも苦手なのか。なぜ、ガバナンスが効かないのか。東電の現場ではリーダーシップを発揮したのに、本店にはなぜ、それがなかったのか。
事故収束で終戦? そうではありません。これは第2の敗戦なのです。その認識が欠如しているから日本はフクシマの教訓をいまなお学べないのです。とりわけお薦めは、第2部の対話編です。ここはお見逃しなく。
文春新書 / 800円 / ISBN 4166609564
■憲法と、生きる(東京新聞社会部編)
瀬口晴義(東京新聞社会部長)
憲法のことは書き尽くされている。いまさら新しい視点なんて…。そう思う人も多いだろう。取材経験のある記者ほどそう感じるかもしれない。昨年、東京新聞一面で連載した企画を書籍化した『憲法と、生きる』を読み、そんな浅薄な考えは消えた。憲法を分かりやすく丁寧に伝えることに徹した入門書であると同時に、憲法に新たな命を吹き込もうとする人々の生き生きとした姿を描き出す。
砂川事件で伊達秋雄裁判長とともに陪席裁判官として審理に当たり、駐留米軍を憲法違反とした松本一郎さんは「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」という高村光太郎の詩を胸に歴史的な判決を導き出した。GHQが日本政府に手渡した憲法草案に大きな影響を与えたとされる「憲法研究会」の中心人物だった鈴木安蔵の生家は、福島県南相馬市小高区(旧小高町)にある。被災した鈴木の生家の土蔵は昨年8月、取り壊された。憲法の柱である基本的人権の原型を起草した鈴木の故郷で、その基本的人権が失われた事実が胸に突き刺さる。
岩波書店 / 1800円 / ISBN 4000227971
■東海の産業遺産を歩く
安部順一(読売新聞編集委員)
▽ものづくりへの情熱ひもとく
東海3県は、言わずと知れた日本のものづくりの中心だ。なぜ東海のものづくりは強いのか。工場やダム、鉄道、建造物など、幕末・明治から昭和(戦前)にかけての産業遺産を訪ね歩いて考えた。そこで出会ったのは、先人たちのものづくりに対する情熱だった。「坂の上の雲」を目指す熱気は、商工業者や技術者にも満ちあふれていた。この本では、そうした産業遺産(33カ所)にまつわる人々の物語をつづってみた。オールカラーです。
風媒社 / 1680円 / ISBN 4833101521
■野球博覧 Baseball Tencyclopedia(大東京竹橋野球団S・ライターズ編)
原田三朗(毎日新聞出身・第4代監督)
▽ 竹橋野球団の愉快な歴史
大東京竹橋野球団は毎日新聞の論説委員や編集委員が集まってつくった草野球チーム。都内各社の同好の士とゲームを楽しんだが、草野球も衰退、創立30年の今年2月に解散。その記念誌として団員たちが執筆、刊行した(編集委員長は第5代監督・諸岡達一)。アメリカにも遠征した「大毎野球団」など毎日新聞が日本野球の発展に果たした軌跡から日本野球にまつわる人物伝、戦後初来日のサンフランシスコ・シールズ全試合詳報、野球の発祥に関わる最新の知見まで、焼け跡闇市三角ベース派には、読み出したらやめられない。Tencyclopediaは、天才とエンサイクロペディアを合わせた造語。
/ 0円 / ISBN
■「スイカ」の原理を創った男 特許をめぐる松下昭の闘いの軌跡
馬場錬成(読売新聞出身)
▽日本の知財制度と特許裁判の非合理
JRや地下鉄、コンビニなどで使っているスイカなどの非接触ICカードの原理は、1985年に日本の大学教授が発明して日米に特許出願した。米国ではすぐに特許になったが、日本では19年余かかった。権利が認められたとき、非接触ICカードは普及していた。発明者は特許侵害訴訟を起こすが敗訴する。その過程を克明に追跡し、日本の知財制度と特許裁判の非合理を提起し、発明者がいかに報われないかを示し、今後の制度改革も提言した。
日本評論社 / 2415円 / ISBN 4535519854
■1971年 市場化とネット化の紀元
土谷英夫(日本経済新聞出身)
▽グローバル化の源流を求めて
筆者が新聞記者になった1971年は、2つのニクソンショック①ニクソン米大統領の訪中発表(実行は翌年)と②ドルと金の交換停止があった年だ。「ブレトンウッズ体制」(通貨の固定相場制)が崩れ、中国が国連に迎えられたこの年、情報技術では、ネットワーク化に必須のマイクロプロセッサも生まれた。市場化、ネット化、新興国の台頭と「グローバル化」の主要な要素が出そろった年に、焦点をあてた。
NTT出版 / 1995円 / ISBN 4757123310