マイBOOK マイPR

会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■捏造の科学者 STAP細胞事件(須田桃子著)

長尾 真輔(毎日新聞科学環境部長) 理化学研究所が昨年1月、華々しく発表したSTAP細胞論文は、さまざまな疑義が上がった末に論文撤回、そして細胞自体の否定という科学史に残るスキャンダルに発展した。毎日新聞で朝夕刊の1面に記事が掲載された数は実に42回に及んだ。STAP騒動に揺れた2014年を振り返り、大きな「負の遺産」を検証するには格好の書と言えるだろう。  本書では、著者が一度は細胞の存在を信じながら、ネット上での情報をきっかけに同僚記者と共に徹底した関係者への取材や裏付け資料の入手を通じて真相に迫っていく。上梓後、直木賞作家の白石一文氏が自身のツイッターで「新聞の役割を再認識する上で必読」と評し、佐倉統・東大教授は中央公論書評欄で「刮目すべし。これが日本の科学ジャーナリズムの底力」と指摘するなど、新聞人の一人として大いに勇気づけられた。
文藝春秋 / 1728円 / ISBN 4163901914

■ピケティ入門 『21世紀の資本』の読み方

竹信 三恵子(朝日新聞出身) ▽アベノミクス切り口に解説 経済成長すれば格差は自然に縮小する―。フランスの経済学者、トマ・ピケティの『21世紀の資本』は、そんな予定調和的な主流の経済理論に、「格差は放置すれば自然に拡大する」と冷や水を浴びせ、話題になった。ただ最近の日本では、話題の理論が都合よくねじまげられることが増えている。そんなことにならないよう、英語版をもとに、日本語版とほぼ同着の出版を目指した解説書が本書だ。  友人の女性たちからの「私たちにも理解できる解説を」という声も背中を押した。アベノミクスという身近な問題を切り口に解説してみた。「おかげでピケティ来日の際、その発言の意味がよくわかった」という読者の言葉がなによりうれしかった。
金曜日 / 1296円 / ISBN 4865720006

■ドキュメント平成政治史3 幻滅の政権交代

後藤 謙次(共同通信客員論説委員) ▽〝語り部〟としてまとめた政治史 政治記者の道を歩み始めたのはいまから33年前。右も左も分からない新米記者に社の垣根を越えた先輩記者は実に多くのことを教えてくれた。政変の背景、政治家同士の人間模様。誰もが一流の〝語り部〟だった。そこで学んだことが日々の政治取材にどれほど役立ったことか。その恩はいまも忘れることがない。「そろそろ自分も〝語り部〟の側に回る年齢を迎えたのではないか」。そんな思いも込めて書き上げたのが『平成政治史』全3巻である。一応、2012年12月の第2次安倍晋三内閣発足までを一区切りとしたが、機会があれば続編に挑戦したいと考えている。
岩波書店 / 3024円 / ISBN 4000281690

■戦後70年 保守のアジア観

若宮 啓文(朝日新聞出身) ▽日韓、日中の謎を解く 「なるほど、そういうことだったのか…の連続でした」と、好奇心あふれる若者が面白がってくれた。軍事政権下で結ばれた日韓条約に、民主化がもたらした化学変化。日中の国交に抵抗した右派勢力が、尖閣問題をテコに巻き返した執念。歴史教科書問題というボディーブロー。河野談話や村山談話と安倍首相の根深い確執…。吉田、石橋、岸から田中、大平、中曽根を経て小泉、安倍まで70年、保守政治のアジア観を総括する。
朝日選書 / 1944円 / ISBN 4022630272

■習近平の強権政治で中国はどこへ向かうのか

濱本 良一(読売新聞出身、国際教養大学教授) ▽うごめく巨龍の実像に迫る 隣国・中国の動向を克明に追い続けると、その先にどんな像が浮かび上がるのか。そんな思いで5年前から中国メディアや香港情報などをもとに、政治、外交、経済、社会と中国の現状分析を続けている。大国だけにニュースは事欠かず、毎月、原稿用紙で40枚を超える。シリーズ2冊目は胡錦濤政権末期から習近平政権スタートの2年間の成果をまとめた。「はじめに」と「おわりに」で最新分析も試みた。「習近平の中国」の先行きはまだ見えない。事実を積み上げる作業をコツコツ続けるしかないと考えている。
ミネルヴァ書房 / 4860円 / ISBN 462307174X

■今だから言えること3 歴代総理大臣の姿が語る、日本の光と影

国正 武重(朝日新聞出身) ▽歴代総理の生身の姿に肉薄 電子書籍シリーズ第3弾として配信。朝日新聞政治記者時代の膨大な取材ノートやインタビューを掘り起こし、政権を担った歴代首相の政権運営の根幹を描きました。今回、登場するのは、財界人中山素平、野田佳彦元首相、安倍晋三元首相(2006-07)、土井たか子元社会党委員長、宇野宗佑元首相、森繁久彌(俳優)などの方々です。その時々の政治から現代政治まで、そこで何が起きていたのか、政治家がどのように関わっていたのかを読み知ることで、現代の政治と平和、そして、私たちの暮らしを、もう一度考えるきっかけとなる1冊です。http://www.artislong.jp/works/imadakara.html
電子書籍版 / 350円 / ISBN

■中国が愛する国、ニッポン

八牧 浩行(時事通信出身)

▽中国庶民の率直な思い

日中両国の相手国に対する国民感情は最悪の状態。こんな時に必要なのは、旅行や留学などによる相互交流であり、正確な情報や本当の考え方が相手に伝わること。「たった5日間の旅行が私を変えた」「日本の小学校で見た忘れられない光景」「日本は窮地に救いの手―この差は何だ!」「世界が驚く日本の〝当たり前〟」など興味深い50のコラムを収載。日本人と同じ悩みや喜びを持つ中国庶民の新鮮な驚きや包み隠しのない心情が込められている。中国の若者世代には日本アニメを好む人が多く、訪日旅行客も急増。本当の日本を知れば知るほど「夢の国、日本」と認識し、日本人と仲良くしたいと思うようです。


竹書房 / 980円 / ISBN 4801900429

■坂本龍一×東京新聞 脱原発とメディアを考える

日本人初のアカデミー作曲賞受賞者で、環境問題にも関心が高い音楽家の坂本龍一さんが、菊池寛賞や日本ジャーナリスト会議(JCJ)大賞などを受賞して定評のある本紙原発報道に携わってきた記者たちと討論した。テーマは、原発や政治をめぐる問題や、相手の心を開かせる伝え方。東京新聞(中日新聞東京本社)で昨年末に行ったその討論の内容に、原発問題の現状が分かる解説を加えてまとめた。「二つの意見があったら、人は信じたい方を信じる」「『正しいことを言ってるんだから聞けよ』という言い方ではダメ」など、討論の中で特に印象深かった坂本さんの言葉もピックアップ。さらに、書籍化に当たって坂本さんが呼び掛け、村上龍、内田樹、國分功一郎、津田大介、堀潤の5氏が寄稿したコラム「メディアに求めるもの」も収録。東日本大震災以降のメディアの在り方を考察し、今後についても展望する1冊となっている。

岩岡 千景 東京新聞文化部


東京新聞編集局 / 900円 / ISBN 4808309963

■韓国人の研究

黒田 勝弘(産経新聞ソウル駐在客員論説委員)

▽韓国に〝長居〟できる秘訣

1973年、金大中拉致事件が起きた後、日本の韓国叩きはすごかった。これを第1次反韓ブームとするなら現在は第2次反韓ブームか。前回は「金大中だけが韓国ではないだろう」と韓国留学を思い立ち、今回は「反日だけが韓国ではないよ」と、この本を書いた。「反日」の腹いせに韓国のマイナスばかりあげつらうのは「日本の韓国化」みたいで見苦しい。反韓ストレス解消の流儀を教えます。


角川学芸出版 / 800円 / ISBN 4046534273

■緊急報道写真集「2014・9・27 御嶽山噴火」

紅葉期の週末、御嶽山(長野・岐阜県境、3067㍍)の山頂付近にいた人のうち、誰があの噴火を想像していただろうか。9月27日午前11時52分。突如噴き出した岩、熱風が登山者を襲い、57人の命を奪った。6人の行方不明者を残したまま年内の捜索活動は打ち切られた。緊急報道写真集『御嶽山噴火』は、戦後最悪となった火山災害の現実を約170枚の写真で伝える。立ち上る噴煙、登山者が逃げ込んだ山小屋、火山灰に覆われた山頂一帯…。救助・捜索活動は難航し、隊員たちに疲労がにじむ。捜索隊員に食事を差し入れ、山に祈りを捧げる山麓の人々。日々のドキュメントも載せた。東濃地震科学研究所の木股文昭・副首席主任研究員は巻末の寄稿で、こう指摘した。「いかに御嶽山と共に生きるか。いかに登山者に御嶽山を安全に楽しんでもらうか」。不十分だった観測・研究を検証し、二度と悲劇を起こさない道筋を描く覚悟が問われている。

小市 昭夫 信濃毎日新聞社報道部長


信濃毎日新聞社 / 700円 / ISBN 4784072497
ページのTOPへ