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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実
春名 幹男(共同通信出身)
▽米国は日本を守ってくれるか
8年前に「在日米軍は日本防衛のために駐留しているわけではない」と明記した米機密文書を発見した時は正直驚いた。あえて今、この古文書を紹介したのは、新しい「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)に作為的翻訳の事実が隠されていたからだ。実は、新安保法制で自衛隊の活動が拡大しても、米軍の日本防衛への関与は後退する。なぜか。
「沖縄返還」や「繊維交渉」、「ニクソン・ショック」の秘話を紹介し、同盟の仮面をはがして、その理由を明らかにする。
文春新書 / 864円 / ISBN 4166610538
■日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた
嶌 信彦(毎日新聞出身)
▽ウズベキスタンに伝わる日本兵抑留の奇跡
私が日本ウズベキスタン協会を設立した1997年以降、10年以上にわたり取材、調査し、書いたノンフィクションである。
中央アジアの収容所で過ごした10代から30歳までの457人の日本人捕虜は、旧ソ連の4大オペラハウスの1つとなる「ナボイ劇場」をロシア革命30年にあたる47年に完成させた。よく知られた悲惨なシベリア抑留とは異なる波乱万丈の建設秘話で、完成時、ロシア人にもウズベク人にも感謝されたという特殊な胸温まる話である。66年のタシケント市を襲った大地震でもこの劇場だけはビクともせず親日の象徴となり、先日、安倍首相夫妻も訪れた。
若き日本の抑留者たちの労苦と協力・和の精神が中央アジア全体に多くの親日国を作ったことに繋がったことを知っていただき、満州抑留兵のもう1つの秘話を広めてほしいと思っている。
KADOKAWA / 1728円 / ISBN 4041035376
■ザ・クロニクル 戦後日本の70年
細田 正和(共同通信デジタル推進局長)
▽14巻でたどる戦後ニッポン年代記
私たちはどこから来て、どこへ行こうとしているのか?―ジャーナリズムに携わる者が忘れてはならない問いだろう。戦後70年の節目に足掛け2年にわたって刊行された写真集は、この問いを手放すことなく報道を続けてきた通信社の〝中間報告〟といえる。
共同通信が所蔵する2000万枚もの報道写真から約5000枚を厳選、全国の加盟社の秘蔵写真も提供いただいて編纂された。「1945―49 廃墟からの出発」と「1960―64 熱気の中で」を昨年10月に刊行、今年10月の最終巻「2010―14 未来への選択」をもって完結した。戦火の焼け野原から重い膝を上げた私たちは、幾多の試練と高揚と哀楽を経て、再び大震災の惨禍から立ち上がろうともがいている。その歩みが、曲がりなりにも「平和史」としての70年であったことに、深く思いをはせたい。
幻冬舎 / 0円 / ISBN 4344952529
■働き場(Ba)革新
坪田 知己(日本経済新聞出身)
▽オフィス激変の時代
昨年6月、アマゾンから『サービス文明論』を電子出版した。私も参加している京都工芸繊維大学のオフィス研究グループが「おもてなしのオフィス」という研究をしていて、そこで本を作ることになり、『サービス文明論』のあらましを第1部とした。効率優先の作業場だったオフィスが、「知的創造の場」として大変身を遂げつつある。「世界の先端企業に負けるな」という檄を飛ばした本である。事例紹介が豊富。マスコミ企業も見習うべきだ。
白揚社 / 2376円 / ISBN 482699057X
■謎と恐怖の楽園で ミステリー批評55年
権田 萬治(日本新聞協会出身)
▽二足のワラジの集大成
『松本清張 時代の闇を見つめた作家』(文藝春秋)を出してから6年。二足のワラジで続けていたミステリー批評も今年で55年になる。そろそろ〈終活〉の時期と考えて、これまで書いた現代ミステリー論、作家論、論争、対談、作品論、自筆年譜などをまとめて1冊にしてみた。
松本清張、佐野洋をはじめ最近の堂場瞬一など、新聞界出身の作家も多いが、ミステリーにご関心のある会員各位にもぜひ読んでいただきたいと願っている。
光文社 / 3240円 / ISBN 433497838X
■ドイツリスク 「夢見る政治」が引き起こす混乱
三好 範英(読売新聞編集委員)
▽何事も表があれば裏がある
当クラブの会見に時々おじゃましているが、ゲストがドイツの人間だと必ず出る質問が、「ドイツは模範。日本に何かアドバイスを」。最近読んだ本には、「ドイツの労働効率性は高い。日本も学ぶべき」とあった。「何があっても午後5時ぴったりに帰宅する」社会は、サービス不在の不快社会を意味することは、ちょっと想像すれば分かりそうなものだが。何事も表があれば裏がある。本書で取り上げた、ドイツの脱原発、ユーロ問題、歴史認識問題なども同じ。世界のどこにも理想の国などない、という日本人の自覚の一助になれば幸いである。
光文社新書 / 907円 / ISBN 4334038794
■大村智 2億人を病魔から守った化学者
馬場 錬成(読売新聞出身)
▽ノーベル賞受賞を予言して的中させた本
新聞記者の勘が当たった。大村智博士がノーベル賞受賞者になると確信したのは2011年である。文藝春秋社の「2013年の論点」の中で「オンコセルカ症の特効薬の貢献ということなら単独で生理学・医学賞受賞もあり得る」とズバリ予言していた。
取材の端緒は荒井寿光・元特許庁長官の示唆だった。大村博士の産学連携活動を世の中に紹介するのが、ジャーナリストの仕事だと言う。大村博士が特許ロイヤルティーで250億円を研究現場に持ってきた実績もすごいが、取材を掘り下げていくうち天然有機化合物の研究でもっとすごい業績を挙げていることを知った。これはノーベル賞ものだ。
ノーベル賞を研究してきた筆者は、業績内容を知ると受賞できるかどうかが分かる。勘である。荒井さんに認めてもらうため『大村智』を上梓し勘を世に問うた。受賞後に大村博士のすごい業績だけでなく、魅力あふれる人柄が世に知れ渡った。そのほうがもっとうれしかった。
中央公論新社 / 2268円 / ISBN 4120043266
■インドの社会と名誉殺人(チャンダー・スータ・ドグラ著、鳥居千代香訳)
鳥居 千代香(帝京大学外国語学部教授)
▽私的制裁を追う
名誉殺人とは、親が決めた相手との結婚を拒んだり、共同体の掟に反する相手と結婚を希望したり、結婚した女性や相手の男性が「名誉を汚した」と家族や部族の長老の決定で殺される私的制裁のことである。インドでこの種の事件は多いが、初の有罪判決が下され、現在なお最高裁判所で係争中の事件をジャーナリスト(女性)が身を危険に晒しながら追う。
インド最大の通信社PTIでも同様の事件が起きた。同社で働く男性ジャーナリストの婚約者が実家で命を落とした。彼女もジャーナリスト。2人とも最上位のバラモン階級のカーストであったが、その内部の身分が男性の方が低かったのが原因だと言われている。
つげ書房新社 / 2700円 / ISBN 4806806773
■日本はASEANとどう付き合うか:米中攻防時代の新戦略
千野 境子(産経新聞出身)
▽ASEANの流儀を知る
インドネシアの高速鉄道受注合戦で日本は中国に敗れた。でも親日でODA最大の受取国なのにと怒ってもダメ。国益優先は日本も同じなのだから。これは東南アジア諸国連合(ASEAN)にも当てはまる。
米中攻防の太平洋を舞台に、米中も日本も大事とサバイバルを図るASEANの流儀とは。設立の背景や争わぬ仕掛け、加盟国の対中・対米観の深層などを書きつつ、ますます重要になるASEANと日本の最善の関係構築に向け、提言も試みた。
草思社 / 1944円 / ISBN 4794221576
■美智子さま マナーとお言葉の流儀
渡邉 みどり(日本テレビ出身)
▽人を大切に想う心72のエピソード
世の女性たちに、美智子さまから眞子さま・佳子さまへ引き継がれる「人を大切に想う心」をお届けしたい。
そんな思いから本書は生まれた。
皇后美智子さまの立ち居振る舞いはいつでも気品に溢れている。
諸外国や被災地への訪問で見せられるお相手を気遣ったお言葉、TPOに合わせたファッション、そしてそのお心を伝える子育てなど、エピソードは合わせて72。私たちの生活にも直結するので、一読してぜひ役立てていただきたい。
こう書房 / 1512円 / ISBN 4769611439