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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■インドの社会と名誉殺人(チャンダー・スータ・ドグラ著、鳥居千代香訳)

鳥居 千代香(帝京大学外国語学部教授) ▽私的制裁を追う 名誉殺人とは、親が決めた相手との結婚を拒んだり、共同体の掟に反する相手と結婚を希望したり、結婚した女性や相手の男性が「名誉を汚した」と家族や部族の長老の決定で殺される私的制裁のことである。インドでこの種の事件は多いが、初の有罪判決が下され、現在なお最高裁判所で係争中の事件をジャーナリスト(女性)が身を危険に晒しながら追う。  インド最大の通信社PTIでも同様の事件が起きた。同社で働く男性ジャーナリストの婚約者が実家で命を落とした。彼女もジャーナリスト。2人とも最上位のバラモン階級のカーストであったが、その内部の身分が男性の方が低かったのが原因だと言われている。
つげ書房新社 / 2700円 / ISBN 4806806773

■日本はASEANとどう付き合うか:米中攻防時代の新戦略

千野 境子(産経新聞出身) ▽ASEANの流儀を知る インドネシアの高速鉄道受注合戦で日本は中国に敗れた。でも親日でODA最大の受取国なのにと怒ってもダメ。国益優先は日本も同じなのだから。これは東南アジア諸国連合(ASEAN)にも当てはまる。  米中攻防の太平洋を舞台に、米中も日本も大事とサバイバルを図るASEANの流儀とは。設立の背景や争わぬ仕掛け、加盟国の対中・対米観の深層などを書きつつ、ますます重要になるASEANと日本の最善の関係構築に向け、提言も試みた。
草思社 / 1944円 / ISBN 4794221576

■美智子さま マナーとお言葉の流儀

渡邉 みどり(日本テレビ出身) ▽人を大切に想う心72のエピソード  世の女性たちに、美智子さまから眞子さま・佳子さまへ引き継がれる「人を大切に想う心」をお届けしたい。  そんな思いから本書は生まれた。 皇后美智子さまの立ち居振る舞いはいつでも気品に溢れている。  諸外国や被災地への訪問で見せられるお相手を気遣ったお言葉、TPOに合わせたファッション、そしてそのお心を伝える子育てなど、エピソードは合わせて72。私たちの生活にも直結するので、一読してぜひ役立てていただきたい。
こう書房 / 1512円 / ISBN 4769611439

■財務省と政治「最強官庁」の虚像と実像

清水 真人(日本経済新聞編集委員) ▽政と官の一筋縄ではいかぬ力学 タイトルを「財務省」ではなく、「財務省と政治」としたことにはこだわりがある。大蔵・財務省の政策の分析や組織の内幕ものとは違う。首相官邸・国会・与党・霞が関などを包含する統治システムは平成以降、「移りゆく40年」(経済学者の故青木昌彦氏)とも呼べる変革の渦中にある。重要なプレーヤーである同省の動きを軸に、一筋縄ではいかない政と官の力学の変容を、見たままに描いた。四半世紀近く取材してきた政治記者の、どこまでも政治書だ。
中公新書 / 950円 / ISBN 4121023382

■検証 バブル失政―エリートたちはなぜ誤ったのか―

軽部 謙介(時事通信解説委員長) ▽経済記者の反省 1992年1月。私と不動産屋の会話。 「地価が下がり始めていますよね。今マンション買っていいのかな」 「何を言っているんですか。下落もこの辺までですよ。第一、これ以上地価が崩れたら日本経済はおしまいじゃないですか。ハハハ」 この言葉に背中を押されて、売買契約書にサインした。その後、地価下落は続き、不動産屋の言うとおり日本経済は崩壊してしまった。バブルの生成と破裂を見抜けなかった愚かしい経済記者の反省。これが執筆動機です。
岩波書店 / 3024円 / ISBN 4000244795

■核と反核の70年 恐怖と幻影のゲームの終焉

金子 敦郎(共同通信出身) ▽核抑止戦略はフィクション トルーマン米大統領は原爆投下を正当化し続けた。だが実は生涯、後悔にさいなまれて、理性ある人間は核兵器を使うことはできないという言葉を残した。核タブーの始まりとされる。 歴代大統領も、外交・安保政策を担った大統領補佐官や国務省、国防総省・軍部のトップたちの多くも、本心は同じだった。引退後に核廃絶運動に転じた人も珍しくない。 「使えない核」で威嚇する核抑止戦略とは? 広島・長崎の後も核を手放さないためのフィクションだった。
リベルタ出版 / 4320円 / ISBN 490372445X

■〈日本的なもの〉とは何か ジャポニスムからクール・ジャパンへ

柴崎 信三(日本経済新聞出身) ▽グローバル化と「日本らしさ」の相克 プッチーニのオペラ「蝶々夫人」、横山大観が描き続けた富士山、辰野金吾の東京駅と妻木頼黄の日本橋など、20世紀の日本を代表する表象物の成り立ちと受容、反発などをたどって、今日の〈クール・ジャパン〉につながる「日本的なもの」が立ち上がってきた背景を探った。世界遺産の指定や東京五輪の開催をめぐる国内世論の隆盛と、そこに注がれる熱い世界のまなざしの意味を考える上での素材にもなろう。
筑摩書房 / 1728円 / ISBN 448001621X

■「独り相撲」で転げ落ちた韓国

鈴置 高史(日本経済新聞編集委員) ▽「無能」と批判された朴槿恵外交 「日経ビジネスオンライン」の連載の書籍化第6弾です。 「米中両大国の力を背景に日本を叩く」朴槿恵外交が破綻しました。米中は韓国の思惑どおりには動かなかったからです。今春には保守系紙からも「無能」「外交敗北」と批判されるに至りました。しかし韓国は明治の産業遺産登録問題などで日本の足を引っ張り続けます。一方、中国の南シナ海埋め立てには知らん顔。ますますの「離米従中」で米国との関係も険しさを増すばかりです。
日経BP社 / 1512円 / ISBN 4822279294

■今井素牛之日記―幕末維新期・信州小布施の庶民生活(今井素牛之日記編集委員会編)

羽原 清雅(朝日新聞出身) ▽一五〇年前の変化と継続 今井素牛(1805-78)は修験者で、廃仏毀釈政策で住職から神主に転じた小布施界隈の知識人。近隣の相談、私塾から学校への動き、罪人の教誨、漢詩会など、さらに、長岡、会津藩攻撃に向かう新政府軍の動き、維新期の日章旗掲揚や天皇行幸の記録、中野など全国一多かった農民一揆などを描く。それはまさに庶民感覚だ。 収録の日記は明治維新をはさんだ14年分。門外漢の小生のコメント、解説、語釈などは愉快な仕事だった。405頁、B5判。
文藝春秋 / 8000円 / ISBN

■総理の演説

田勢 康弘(日本経済新聞出身) ▽64本から感じた匂い リンカーンやケネディの演説は知っていても歴代総理の演説を記憶している日本人は珍しいだろう。新聞の社説同様、床の間の天井なのである。すなわち、ないと格好がつかないが誰も見ない。そんな総理の演説を64本読んでみた。むろん、総理が自分で演説を書いたりはしない。いずれの演説も他人が書いているのだが、不思議にその総理の特徴や時代の匂いがしてくる。演説の格調が低くなってくるのは社会の無教養化と無縁ではない。
バジリコ / 2592円 / ISBN 4862382207
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