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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■わが母 最後のたたかい 介護3000日の真実

相田 洋(NHK出身) この本は13年に及ぶ在宅介護の末に、100歳で旅立った母と、息子である私との会話録です。 1998(平成10)年2月のある日、母は全財産を取引銀行から下ろして作ってもらった小切手を持って、隣の家に「これをどうしたらよいか」と何度も相談に行きました。それが母の認知症が発覚した時でした。それ以来、母が次々に巻き起こす出来事を、テレビ屋の私はビデオカメラで撮影。時間数にして200時間を超えました。 認知症と一口に言ってもその状態は時々で違い、全く正気同然の時もあれば、完全ぼけの時もありました。その会話の中にしばしば出てきたのが、旧朝鮮や満州での暮らしや出来事でした。幼い時から旧朝鮮で育ち、結婚後は満州に移住した母の脳裏には生涯忘れることのできない諸事が詰まっているようでした。 第2章「母の戦争」はそれを書き起こしたパートですが、映像化して戦後70年関連番組として放送する予定で、現在制作中です。 
NHK出版 / 2268円 / ISBN 4140816694

■国際情勢判断・半世紀(岡崎久彦著)

三好 範英(読売新聞編集委員) 岡崎久彦・元駐タイ大使をあらためて紹介する必要はないだろう。昨年10月に死去したが、最晩年、読売新聞「時代の証言者 日本外交とともに」(昨年6~7月掲載)で生涯を振り返った。本書は、死後、この連載を担当した私(三好)が、岡崎研究所、育鵬社編集部と協力し、残された速記録や遺稿を整理してまとめた回想録である。 岡崎氏が生涯をかけて追求した情報分析に関する考え方や、幼年、学生時代の思い出、現役外交官時代の多くのエピソードが語られている。また、歴史認識問題や対中外交に関する氏の主要論文や、生前交際のあった人々の証言も収録している。安倍首相も「岡崎久彦大使と父子三代」と題した追悼文を寄せている。 岡崎氏は外務省の本流を歩いた人ではなかった。とはいえ、情報重視の考え方を省内に根付かせることに貢献したし、集団的自衛権容認も氏の活動がなければ、実現しなかったかもしれない。そんな希代の外交官の本音がかなり率直に語られているので、興味は尽きないと思う。
育鵬社 / 1836円 / ISBN 4594072380

■福島原発事故と国民世論(柴田鉄治・友清裕昭著)

柴田 鉄治(朝日新聞出身) ▽原発にまつわる世論と政策 原子力ほど国民世論が揺れ動いたものはない。賛成一色から始まって1980年代には反対派が多数と逆転し、世論と政策の乖離が起こったが、どのメディアも無視した。そこまでの動きを追った『原発国民世論』(99年刊)の続編が本書である。福島事故が起こって反対派が急増、再び世論と政策の乖離が始まっているが、今はメディアの論調は二極分化している。福島事故後の外国の世論の変化もできるだけ調べた。
ERC出版 / 1944円 / ISBN 4900622540

■不妊治療と出生前診断 温かな手で(信濃毎日新聞取材班)

小市 昭夫(信濃毎日新聞報道部長)  女性の晩婚化、出産の高齢化に伴い、不妊治療、出生前診断など生殖医療技術が進歩を続ける。妊婦の血液を調べるだけで、胎児の異常が分かる新出生前診断の臨床研究も始まった。この先にどんな時代が待っているのか―。  信濃毎日新聞が社会面に連載したルポルタージュ「温かな手で―出産を支える社会へ」(2014年1~6月)は信州を主な舞台に、高度化する医療技術を前にした夫婦らの葛藤を取材。米国の生殖医療ビジネスの実態も伝えながら、命の尊厳を問い、少子化の重荷を女性だけに背負わせない社会への道筋を探った。  連載は、14年度新聞協会賞(編集部門)と、ファイザー医学記事賞優秀賞を受賞したキャンペーン報道の柱。「不妊治療と出生前診断 温かな手で」のタイトルで、78回のルポを全話収録した。
講談社文庫 / 810円 / ISBN 4062930250

■松陰の妹を妻にした男の明治維新

富澤 秀機(日本経済新聞客員) ▽群馬県が明治を支えた 動乱の幕末から明治末年まで生き抜き、地方創生の立場から近代日本の基盤づくりに力を尽くした男(楫取素彦=旧名・小田村伊之助)の物語である。松陰の妹寿を妻にした楫取は、松陰や仲間の志士が次々に倒れた後、その遺志を継ぐ形で群馬県の初代県令に。最大の輸出品であった生糸産業を振興し、富国の基礎をつくった。富岡製糸場の世界遺産登録が話題となる中、楫取の足跡をたどってみると、あらためて「長州が幕末を動かし、上州が明治を支えた」実像が見えてくる。
徳間書店 / 1944円 / ISBN 4198639191

■全論点 人口急減と自治体消滅(時事通信社編)

北原斗紀彦(時事通信出版局代表取締役)  日本の人口は2008年の1億2808万人をピークに急速な減少局面に入った。日本創成会議の推計は、2040年に全国自治体の半数が消滅の危機に直面すると警告する。人口の急減と東京一極集中は地域コミュニティーをどのように変えてしまうのか。行政サービスや教育、福祉はどうなるのか。毎日の暮らしから国の安全保障に至るまで様々な論点を網羅し、「ふるさと生き残り」の条件を探った。  本書で記者は「消滅危機」の現場を歩き、町や村で何が起きているのか報告。増田寛也元総務相ら有識者37人、山田啓二京都府知事ら24自治体の首長が現状分析と対策の提言をした。この中で、社会学者の水無田気流氏は女性の出産・育児・就労を支援する「子ども優先型」の家族制度への転換を訴え、片山善博元総務相は政府が進める「地方創生」の弱点も指摘している。
時事通信出版局 / 3024円 / ISBN 4788713942

■知財立国が危ない(荒井寿光・馬場錬成著)

馬場 錬成(読売新聞出身) ▽知財ブームを振り返る 「知財立国」が叫ばれ、一種のブームのように言われてから10年たつ。あのころ、知財畑にいたプロ集団は「知財、知財とどこへ行っても叫んでいるが、これは知財バブルだ」とも言っていた。結局、言われたようにバブルだった。知財立国に変革ができないうちに、韓国、中国などはどんどん変革して、部分的には日本を追い抜いていった。なぜそうなったのか。ブームをホンモノにできなかった日本の特殊事情を検証したものであり、解決策も提言した。
日本経済新聞出版社 / 1944円 / ISBN 4532319854

■私は中国の指導者の通訳だった 中日外交 最後の証言(周斌著/加藤千洋・鹿雪瑩訳)

加藤 千洋(朝日新聞出身) ▽日中交流舞台裏の貴重な証言 翻訳書である。著者は1972年日中国交正常化交渉で大平正芳・姫鵬飛外相会談を担当した中国外交部通訳で、共同声明づくりに参加。歴史認識と台湾問題で行き詰まった交渉を打開したのは、大平が提案した万里の長城へ行く車中会談だった。大平が日中戦争中に目撃した中国民衆の惨状を語る言葉が姫の心に届き、声明文言での合意の流れができた。通訳していて著者も胸を打たれたという。周恩来や田中角栄、大平らの素顔、そして立ち会った数々の民間交流の舞台裏に触れる歴史的な証言集だ。
岩波書店 / 4536円 / ISBN 400061021X

■「三面楚歌」にようやく気づいた韓国

鈴置 高史(日本経済新聞編集委員) ▽韓国の気分はもう、中立 対立を深める米中間で、韓国は中立を決め込んでいます。「ミサイル迎撃ミサイル」を韓国に配備しようとした米国には難色を示しています。中国が「核攻撃の対象にする」と脅したからです。一方、中国が計画中のアジアインフラ投資銀行に参加しかけ、怒った米国から「同盟に影響が出るぞ」と止められました。「対中接近は右傾化する日本のせい」との言い訳も、もう効きません。韓国の「離米従中」を描いた第5弾です。
日経BP社 / 1512円 / ISBN 4822279081

■ソーシャル・イノベーション~思いとアイデアの力(小池洋次編著)

小池 洋次(日本経済新聞出身) ▽やる気になれば誰でもできる ホームレス支援の仕組みを考えた人、がん患者の社会復帰をサポートする人、そうした人々のネットワークを作る人、アドバイスをする人…。社会を良くしたい人たちの挑戦の記録をまとめてみました。ソーシャル・イノベーションは「社会の問題を解決するための革新」といった意味ですが、固く考える必要はありません。自分ができる範囲で少しでも貢献することが大事です。「思いとアイデアの力」を少しでも伝えることができたとすれば、これ以上の幸せはありません。
関西学院大学出版会 / 2592円 / ISBN 4862831826
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