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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■戦後史で読む憲法判例
山田 隆司(読売新聞出身)
▽重要裁判の時代背景に迫る
憲法判例を理解するうえで、事件の舞台となった時代状況を知っていた方が格段に面白い。沖縄返還を巡る密約が問題になった西山事件、後に駐日米大使と最高裁長官の密談が明らかになった砂川事件など17件の判例・事件を解説した。
今、大学で憲法を学ぶ学生でも、その時代の「空気」をできるだけ吸い込み、当時の感覚に近づいて事件に迫れるよう、戦後史の中に憲法判例を位置づけた教科書らしくない憲法の本である。
日本評論社 / 2376円 / ISBN 4535521867
■激論 マイナス金利政策(日本経済研究センター編)
斎藤 史郎(日本経済新聞出身)
▽日本を代表する金融の専門家15人が功罪を語る
黒田東彦総裁の下で日銀が異次元緩和策を打ち出してから間もなく4年が経過する。一連の政策の中で最も人々に衝撃を与えたのがマイナス金利政策である。量的緩和策が先行し、長期金利コントロール政策が続いた。日銀は未踏の領域への実験と語り、批判的なエコノミストは危険な賭けであると分析する。
論理の裏付け、技術的限界、財政破綻と隣り合わせの出口問題…。日銀幹部、OB、日本を代表する経済学者、エコノミストが徹底的に議論した記録である。
日本経済新聞出版社 / 2700円 / ISBN 4532357179
■権力に迫る「調査報道」原発事故、パナマ文書、日米安保をどう報じたか(高田昌幸、大西祐資、松島佳子共著)
高田 昌幸(高知新聞社報道部副部長・部長待遇)
昨年は「調査報道」という語句が(少しだけ)脚光を浴びた。言うまでもなく、ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)によるパナマ文書報道が発端である。 ただ、日本では既存メディアの取材力低下がさらに目立ち、調査報道も一時の勢いを失っている。本書はそうした状況に歯止めをかけ、取材力の向上と調査報道取材のノウハウ共有を目的とした。2011年に旬報社から発刊した『権力VS.調査報道』の続編であり、今回も調査報道を実践しているジャーナリストに対し、志を同じくする記者がインタビューする形を取った。 語るのは秦融(中日新聞)、木村靖(同)、石井暁(共同通信)、日野行介(毎日新聞)、日下部聡(同)、萩原豊(TBS)、アレッシア・チェラントラ(イタリア人ジャーナリスト)、立岩陽一郎(NHK)の8氏。聞き手(著者)の3人はいずれも地方紙の記者である。
旬報社 / 1944円 / ISBN 4845114836
■EUはどうなるか Brexitの衝撃
村上 直久(時事通信出身)
▽等身大のEUを描く
英国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まったことは、世界最大の地域共同体EUを混乱と先の見えない不安に満ちた状況に陥れた。
本書は、英国が1973年にEUの前身、欧州共同体(EC)加盟以来の両者のぎくしゃくした関係をたどったうえで、過去数年間、ウクライナを巡るロシアとの対立やユーロ圏ソブリン債務危機、中東などからの難民の大量流入、イスラム過激派の連続テロなどに直面するEUのリアリティーを「等身大」に描こうと試みた。
平凡社 / 842円 / ISBN 4582858317
■日本「一発屋」論 バブル・成長信仰・アベノミクス
原 真人(朝日新聞社編集委員)
▽日本人はバブル志向の「一発屋」か
日本銀行による異常な規模の金融緩和が続いています。これは「バブル一発」あれば景気は良くなる、というギャンブル的発想の政策です。すでに失敗は明らかですが、今も止められず、出口もまったく見通せていません。アベノミクスがこれによって立つ以上、引くに引けないのです。
日本には知恵も技術も底力もあります。それらを生かす政策への転換こそ必要です。「一発屋」発想のままでは、日本経済は破綻するまで突き進まざるを得なくなります。まるで、あの戦争のように。
朝日新聞出版 / 821円 / ISBN 4022736917
■女性記者が見る基地・沖縄
島 洋子(琉球新報社政治部長)
▽沖縄の2つの神話を問う
在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄。東京で多くの人が言う、米軍基地を沖縄に置き続ける2つの理由は「基地経済」と「抑止力」だ。「沖縄は基地で食っている」「米軍普天間飛行場は抑止力維持のために沖縄県内に移設しなければならない」。この2つの論が「神話でしかない」ことをデータや米側の論調も含め紹介した。基地の街で生まれ育った私が、新聞記者として見つめてきた沖縄を知ってほしい。
高文研 / 1404円 / ISBN 4874986021
■EUは危機を超えられるか―統合と分裂の相克―(岡部直明編著)
岡部 直明(日本経済新聞出身)
▽たゆたえども沈まぬEUを冷静に分析
英国のEU離脱決定、反EU勢力の拡大、難民受け入れをめぐる亀裂などでEUが最大の危機に直面するなかで、第一線の研究者を結集してEUの行方を総合的に分析した。EU崩壊、ユーロ解体といった行き過ぎた悲観論に陥ることなく、EUの実態を冷静に分析し、グローバルアクターとしてのEUの存在意義を提示している。巨像であるEUを多面的に分析できたのは明治大学国際総合研究所・EU研究会での研究の成果である。
NTT出版 / 2592円 / ISBN 4757123604
■中国共産党 闇の中の決戦
中澤 克二(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)
▽激しい権力をめぐる闘いの裏舞台
中国共産党トップに就いてから既に4年が過ぎようとしている習近平氏。権力の早期掌握に向けて苛烈な「反腐敗」運動を推し進め、政敵を次々に倒し、牢の中に送り込んできた。だが今、その手法が大きな壁に突き当たっている。不穏な動きを見せる中国の体制内で何が起きているのか。習氏の任期切れは一般的には2022年。安倍晋三首相が自民党総裁任期の延長に動いたように、習氏もまたそれをめざすのか。闇の中で動く闘いの実相を探った。
日本経済新聞出版社 / 1728円 / ISBN 4532176069
■孤立する韓国、「核武装」に走る
鈴置 高史(日本経済新聞社編集委員)
▽韓国も核武装を着々と準備
北朝鮮の核・ミサイル開発が注目を浴びています。しかし、韓国も負けていません。いつでも核武装宣言できるよう、核ミサイル搭載可能な大型潜水艦を2020年に実戦配備します。水中発射型ミサイルも開発中です。核弾頭も韓国なら2年もあれば実用化できるといわれています。目的はもちろん北の核に対抗すること。「離米従中」で米韓関係が悪化し、米国の核の傘を期待しにくくなった結果でもあります。韓国外交をリアルタイムで分析する、このシリーズの9冊目です。
日経BP社 / 1512円 / ISBN 4822236803
■日本の死に至る病 アベノミクスの罪と罰
倉重 篤郎(毎日新聞社専門編集委員)
▽アベノミクスの怪しさを撃つ
アベノミクスって、そんなに大した経済政策なのだろうか。という素朴な疑問から、それを批判的にウオッチしている10人を選び、インタビューしたものをまとめました。聞けば聞くほどに怪しい政策だと感じました。そもそも「三本の矢」が怪しい。実は異次元緩和という一本足打法であるにすぎません。成長至上主義、次世代過度依存、リスク過小評価も怪しく感じました。当クラブでの会見も参考にさせてもらいました。多謝。
河出書房新社 / 1728円 / ISBN 4309247792