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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■人民元の興亡 毛沢東・鄧小平・習近平が見た夢
吉岡 桂子(朝日新聞社編集委員・バンコク駐在)
▼通貨と権力の150年史 建国のカリスマ毛沢東は、お札の「顔」になることを長く拒んでいた――。そんな「記録」を見つけたことが、この本を書くきっかけになりました。虚実入り交じる史料と、記者として足を運んだ現場や当局者、歴史家への取材を往復しながら、中国の国家建設の道のりをたどりました。
通貨は、国籍と国際の交差点でもあります。元と円の因縁は深く、復興を夢見る大国を追いかけるうち、日本を考えることになりました。
小学館 / 1944円 / ISBN 4093897719
■トランプ後の世界秩序 激変する軍事・外交・経済
笹島 雅彦(跡見学園女子大学教授・読売新聞出身)
▼政権発足直後の外交政策をメディア出身者らが徹底分析 パリ協定からの離脱表明など、トランプ大統領の暴走が止まらない。世界秩序を揺るがす「現状変更国家」は、中露だけでなく、トランプ政権下の米国も加わったのではないか。
そんな疑念を抱きながら、グループ研究の成果の一端をまとめた。前嶋和弘・上智大教授のほか、田村秀男・産経新聞特別記者、名越健郎・拓殖大教授、杉田弘毅・共同通信論説委員長らがそれぞれ、分担・執筆している。
東洋経済新報社 / 1620円 / ISBN 4492212329
■正社員消滅
竹信三恵子(和光大学教授・朝日新聞出身)
▼「働き方改革」の実像に迫る 低賃金で不安定な非正社員の実態が知られるにつれ、正社員になりたがる若者が増えている。だがいま、過酷な長時間労働やリストラの横行で、正社員の安定や安心も有名無実化しつつある。非正社員の増加による「量の正社員消滅」と、正社員の働き方の劣化による「質としての正社員消滅」の2つの消滅だ。
問題は、国民の雇用を守るべき政府が、こうした正社員の劣化政策の旗を振っていることだ。「働き方改革」の実像が、ここにある。
朝日新書 / 821円 / ISBN 4022737107
■絶家を思う
長宗我部友親(共同通信出身)
▼家系、先祖供養をどうするか 土佐の猛将といわれる、わが先祖の長宗我部元親は、土佐から発して、四国をほぼ統一した。その後、秀吉に攻められ、家康によって滅ぼされる。そのため徳川時代は、家名も使えず忍従の生活に耐え、大政奉還によって、ようやく家名を取り戻した。
だが、民主主義を基本とした現代、「家」というものに対する価値観は大きく変化した。家を継ぐものとして、今後いかに生きていくべきか。墓や先祖供養は。その思い、悩みなどを綴った。
新講社 / 1512円 / ISBN 486081553X
■崩れた原発「経済神話」 柏崎刈羽原発から再稼働を問う(新潟日報社原発問題特別取材班)
前田有樹(新潟日報社報道部)
福島第1原発事故を受けて停止した原発の再稼働を求める声が、リスクを負っているはずの原発立地地域から上がっています。背景に「再稼働によって地域経済が良くなる」との期待があります。それが根拠の乏しい「神話」であることを明らかにした連載企画を収録しました。
東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の柏崎刈羽地域に焦点を当て、地元企業に対する聞き取り調査や地域経済データの分析を行った結果を詳しく載せました。原発が地域経済にもたらす効果は限定的であることが具体的なデータによって示されています。
本書では他に、首都圏のための原発が新潟県に立地した歴史的背景、再稼働を求める地元経済界の事情などについても探りました。原発と立地地域との関係を考える上で、新たな視点を持っていただける内容になっています。
明石書店 / 2160円 / ISBN 4750345253
■イタリア伯爵 糸の町を往く
富澤 秀機(日本経済新聞社客員)
▼異人さんが有史以来初めて上州にやってきた 日本近代化の夜明け前(明治2年)、馬にまたがったイタリア人7人が中山道を北へ向かった。出迎えたのは前橋藩17万石の武士と警護の80人。
製糸場などを熱心に視察した一行は、不完全な道具で良質な生糸を生産する様子に驚きつつ、器械による大量生産の必要性も痛感。一行が横浜へ戻った翌3年、前橋では日本で最初の器械製糸場が誕生。5年には富岡製糸場開設へとつながった経緯を明らかにする。
上毛新聞社 / 1296円 / ISBN 4863521766
■記者と権力
滝鼻 卓雄(元読売新聞東京本社社長、元日本記者クラブ理事長)
▼記者の仕事とは、その使命感いまこそ いま新聞、テレビ、インターネット系メディアを通して、世界や日本の出来事に接していると、どうしてもニュースに対する満足感が得られない。
もちろんニュース現場の記者たちは、懸命に事件に立ち向かい、最適な事実を伝えようとしているだろう。でも隠された事実まで到達していないのでは、と心配をしている。命懸けで取材してほしいといっても、生命を危険にさらすことだけを求めているのではなくて、あらゆる権力に向かって、身体を張って、隠された真実をつかんできてほしいと願っている。
言論に対して逆風が吹いているというのであれば、その風に向かって身体を突っ込み、真実をもぎ取ってくるのが記者の仕事。その使命感をいまこそ自覚したい。
早川書房 / 1620円 / ISBN 4152096802
■挑戦する世界の通信社~メディア新時代に(「世界の通信社研究会」編)
倉沢 章夫(新聞通信調査会編集長)
通信社は、新聞、テレビなどの報道機関や民間企業にニュースを提供するのを事業とする組織であり、「ニュースの黒子」「ニュースの問屋」などと言われてきた。一般の読者や視聴者の目に直接触れることがなく、その報道活動はあまり知られていない。また、ひと口に通信社と言っても、世界を見渡すと事業形態はさまざまだ。
本書は、世界の主要な通信社を対象に組織、事業、歴史、編集方針、将来戦略、提携関係などについて詳述している。日本の共同、時事はもとより、欧米、アジア、中東など世界各地域の通信社を現地で取材し、それらを基にアップデートな内容としている。特に、ネットメディア隆盛のデジタル時代に通信社がどのように進むべきか各社の幹部にインタビューして話を聞いている点は、興味を引くのではないだろうか。このような世界の各通信社を網羅した書は類例がないと自負している。
新聞通信調査会 / 2160円 / ISBN
■落穂拾記―新聞記者の後始末
羽原 清雅(朝日新聞出身)
▼私見私観を楽しむ
40年間の新聞記者生活を終えたころ、リベラルの立場をとるメールマガジン「オルタ」主宰の加藤宣幸さんに誘われ、月1、2本備忘録代わりに書いた記事が大半で約90本。長い政治記者の経験から、リタイア後の政治の動向が半分、あとは旧任地がらみ、世相、教育など。気が付くと、政治、社会をカーブさせる小選挙区制度の問題点の指摘が多かった。
政治を「距離」を置いて視る姿勢を自己点検しつつの10余年分だった。
オルタ出版室 / 2016円 / ISBN 4787491156
■サボる政治 惰性が日本をダメにする
坂本 英二(日本経済新聞社編集委員)
▼政治が手をつけない問題こそ本質
予算のほぼ全てと法律の多くは政府案のまま成立します。国会で与野党は日常的に激しく対決し、接点を見いだす努力はかすんでいます。
本書は長年の政治取材で痛感した疑問点を広く世に問うのが狙いです。国会は根本問題に手をつけず、立憲政治はゆがみ、今のままなら参院は不要で、日本は選挙が多すぎる――。統治機構の在り方への問題提起には異論反論があるでしょう。そうした議論こそが今の日本には必要だと感じます。
日本経済新聞出版社 / 1728円 / ISBN 4532176166