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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■「ポスト・グローバル時代」の地政学

杉田 弘毅(共同通信社論説委員長)

▼感情と地政学が渦巻く世界 地政学ブームだが、地政学だけで世界は決まらない、との信念で書き上げた。地政学の祖マッキンダーの「地理の奴隷になるな。知恵で乗り越えろ」との説法の方が、これまでの国際取材の経験からしてしっくりきたからだ。

しかし、今は人間の「知恵」よりも「怒り」がうなりを上げて、世界を歪めている。怒りの反響板ソーシャルメディアも力を発揮している。怒りの根源である格差解消の手だては見えない。そして民主主義は劣化し、元凶である格差や自分第一主義を解消する手だては見えない。

感情と地政学が渦巻く地球の現在地を、取材ルポ中心で描きました。


新潮選書 / 1512円 / ISBN 4106038196

■1967中国文化大革命写真集

荒牧 万佐行(元毎日新聞社)

▼文革時代の人々の姿 1967年1月から2月の約2週間、毎日新聞中国特派視察団として、深圳、広州、武漢、北京、上海を足早に回った。カメラを向けると〝われわれの問題だ〟写真はヤメロ、と何度も追いかえされた。これらの写真の中から160枚の写真を選び①街は巨大な掲示板になった。②議論を尽くし社会と自己を改造する。③ひたすら歩く。④群れる、好奇心。⑤労働は権利だ。⑥天の半分。⑦生活の中の革命。7章に分類した。

 


集広舎 / 2700円 / ISBN 4904213548

■ノーベル賞の舞台裏

共同通信ロンドン支局取材班 編

▼最高権威の真の姿は カズオ・イシグロの文学賞受賞で今年も注目を集めたノーベル賞。誰がどうやって決めているのか、なぜ村上春樹は文学賞を取れないのか。選考委員長ら多くの当局者にインタビューし、無数の資料をめくると、「世界で最も権威ある賞」というイメージとは異なる姿が浮かび上がる。その舞台裏は思いのほか取り散らかっていた。単なるうんちく本ではなく、ロンドン特派員5人が独自の視点で切り込んだ3年以上に及ぶ取材の記録。

 


ちくま新書972 / 972円 / ISBN 4480071032

■広島じゃけぇ、「中国」じゃないけぇ。

三山 秀昭(広島テレビ会長)

▼なんで「中国地方」なの? 中国新聞、中国放送、中国電力、中国銀行…。「中国地方」には「中国」という名の会社が多い。大手企業の中国支社・支店も多数ある。北京から中国銀行が日本に支店を開いたため、岡山が本店の「中国銀行」が商号を変えるハメに。中国放送は「中国」を避け、「RCC」に徹する。会社名から「中国」を削った例もある。大陸の中国との混同が生む悲喜劇の数々。そもそも、なぜ「中国地方」なのか? 都と九州の中間地帯だから? やはりチャイナとの関係? 古事記が起源? さて正解は?

 


南々社 / 1188円 / ISBN 4864890714

■王蒙先生『論語』を語る(抄訳版)

李海・訳(香港衛星テレビ東京支局長)

▼中国人の儒教意識は 中国の著名作家であり、かつ元文化大臣である王蒙先生が『論語』について語った書籍の抄訳である。文尾には、論語に関する19の問答集がまとめられており、中国人の儒教に対する見方をうかがうことができる。近年、中国では伝統回帰が叫ばれており、習近平国家主席も党第19回全国代表大会において中国文化の発揚を強調した。中国でベストセラーとなった同書籍の日本語訳が、11月の王蒙先生来日に合わせ発刊できたことを大変嬉しく思う。

 


アジア・ユーラシア総合研究所 / 2160円 / ISBN 4904794913

■Great Trade Alliance Formation Game in Asia-Pacific

村上 直久(時事通信出身)

▼英文対外発信の重要性 日本関連の情報、主張の英文による対外発信の重要性は通信社で英文記者をしていたころデスクによく言われた。本書はアジア太平洋EU学会(EUSA AP)で発表し、同学会の論叢に掲載された、自由貿易協定や原発事故、ユーロ圏危機などに関する5本の論文を所収している。幸運にも論文がドイツの学術出版社の目に留まり、オファーがあったことで出版が実現した。

 


LAP LAMBERT Academic Publishing / 4025円 / ISBN 3659633763

■オーケストラ解体新書

飯田 政之(福岡放送取締役、読売新聞出身)

▼感動の舞台裏 3年前、読売の論説副委員長(政治担当)から読売日本交響楽団常任理事・事務局長に異動した。厳しい経営の一方で芸術を追求するプロオケの世界は実に刺激的で、「記者魂」がよみがえる。読響事務局の同僚・松本良一君(元読売文化部記者)と2人で、演奏会が実現するまでのディテールを描いたのがこの本。指揮者や楽団員、事務局員の声、歴史的エピソード、数多くの音楽関係者の談話など、クラシック音楽ファン以外にも楽しんでもらえると思う。

 


中央公論新社 / 1512円 / ISBN 4120050076

■がんになる前に乳房を切除する 遺伝性乳がん治療の最前線

小倉 孝保(毎日新聞外信部長)

▼女性のたくましさに脱帽 米国女優、アンジェリーナ・ジョリーの告白で話題になった乳房の予防切除。遺伝的にがんになりやすい女性が、将来のがんリスクを下げるために行う医療措置だ。その源流は英国女性、ウェンディ・ワトソンにある。彼女が両乳房を予防切除するまでの医師や官僚とのやりとりは時におかしく、時に常識破りだ。彼女の奮闘ぶりを中心に、日本の乳がん治療、乳房再建の現状も報告している。まじめなテーマだが、笑えるエピソードも多い。

 


文藝春秋 / 1728円 / ISBN 4163907270

■ダライ・ラマとチベット 1500年の関係史

大島 信三(産経新聞出身)

▼歴代法王の知られざる素顔 なぜ当代のダライ・ラマはチベットのラサではなく、インド北端のダラムサラにいるのか。その経緯を知る若者は少なくなるばかりだ。そもそもダライ・ラマとは何者なのか。生まれ変わりによる相続システムとは。いずれ後継者問題は国際社会をにぎわすことになろうが、当代は跡継ぎの選考にあたって中国に主導権を奪われないために秘策を抱いている。チベット問題の発端やラサを目指した明治の日本青年たちの活躍も描いた、わかりやすいチベット入門の書。

 


芙蓉書房出版 / 2700円 / ISBN 4829507209

■エマニュエル・マクロン フランスが生んだ革命児

伴野 文夫(NHK出身)

▼地球を救う救世主 マクロン仏大統領の登場は、39歳の年齢とか、25歳年上の夫人とか、話題満載でにぎやかだった。しかしマクロンの政治哲学はあまり語られていない。マクロンが立候補に当たって発表した著書『革命』を徹底分析した。マクロンが目指す「革命」はフランスだけのものではない。環境破壊される地球を救う革命だと思う。COP21から脱退するトランプ米大統領と真っ向対立する考えだ。すでに原子炉の一部閉鎖とガソリン車の廃止を打ち出している。注目の第一歩だ。

 


幻冬舎 / 1080円 / ISBN 4344971833
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