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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■完全版 検証・免田事件
高峰 武(熊本日日新聞社論説顧問)
▼1人の闘いが教えるもの わが国初の死刑囚再審で無罪になった免田栄さんは92歳。2017年は免田さんにとって“節目”の年だった。獄中生活34年、「自由社会」34年。人生の“やじろべえ”が釣り合ったことになる。しかしその34年はどちらも厳しい道であった。本書は、無罪判決から1年後に出された『検証・免田事件』などに近年の10年の動きを加え、「完全版」とした。再審無罪の元死刑囚になぜ年金がないのか。免田さんは1人で異議を申し立てた。えん罪の原点とも言える事件から、私たちの社会の「ブラックボックス」が見える。
現代人文社 / 2916円 / ISBN 487798707X
■10代に語る平成史
後藤 謙次(共同通信社客員論説委員)
▼「平成」を語り継ぎたい 「俺は後世に名前が残るが、小渕は顔が残る」―。こう語ったのは昭和から平成への代替わりを担った竹下登元首相。昭和天皇の「大喪の礼」を終えた直後の平成元年2月26日。65歳を迎えた誕生祝いの席で漏らした竹下氏の一言だった。「小渕」とは言うまでもなく小渕恵三官房長官(後の首相)。その顔は「平成おじさん」として国民に定着した。平成も30年の時を刻み、来年の4月に幕を下ろす。去来した様々な出来事を時代の空気とともに若者に伝えたい。そんな思いで執筆した。記者というよりは「語り部」の心境に近い。
岩波ジュニア新書 / 972円 / ISBN 400500878X
■世界を踊るトゥシューズ 私とバレエ 針山愛美
倉澤 治雄(日本テレビ出身)
▼バレリーナから見た世界 激動の世界を舞台から見続けた「空飛ぶバレリーナ」針山愛美。ソ連崩壊、モスクワ騒乱と続く中、ボリショイバレエ学校を首席で卒業した針山は、今もトゥシューズをバッグに詰めて、世界を飛び回る。ヨーロッパでのバレエ武者修行、アメリカでの公演と「9・11」、ベルリンやキューバでの天才マラーホフとの共演。本書は針山のユニークな経験を私がまとめて執筆したもので、バレエと音楽を愛するすべての人々に捧げたい。
論創社 / 2160円 / ISBN 4846017346
■明治日本の産業革命遺産 ラストサムライの挑戦! 技術立国ニッポンはここから始まった
岡田 晃(テレビ東京出身)
▼モノづくりの原点と経済復活へのヒント 世界遺産「明治日本の産業革命遺産」は軍艦島、松下村塾、官営八幡製鉄所など、幕末~明治の近代化の跡を示す23の史跡群で、今日のモノづくりの原点であり、ここには日本経済復活のヒントが詰まっている。こうした視点から、本書では同遺産の歴史的・産業的価値を明らかにするとともに、サムライたちが失敗を繰り返しながらも近代化に挑戦し続けた様子を史実に基づいて描いた。「明治150年」の今年。先人の知恵と遺産を未来に生かすことが我々の責務だと強調したい。
集英社 / 2052円 / ISBN 4087861007
■海防僧 月性 明治維新を展いた男
秋田 博(読売新聞出身)
▼幕末維新史を問い直す 周防遠崎の月性は、僧侶にして志士、志士にして秀でた詩人だが、西郷隆盛と錦江湾で入水し、死去した京都清水寺成就院の祈?僧月照と間違う人が大半である。明治百五十年史を断罪し、貶める稗史が跋扈する昨今、吉田松陰や久坂玄瑞らを指導して維新の扉を開いた僧月性の事績を更めて問うことにした。西欧列強、キリスト教文明の植民地化を防ぐため、明治維新こそは日本民族の智慧だった。先見僧月性には、古代以来の歴史が宿っていた。
人文書館 / 3240円 / ISBN 4903174395
■小泉進次郎 日本の未来をつくる言葉
鈴木 款(フジテレビ解説委員)
▼進次郎に総理の資格と覚悟はあるのか? いま世論調査で「総理にしたい政治家」ナンバーワンの自民党小泉進次郎筆頭副幹事長。本書では、小泉氏のNY留学時代を知るフジテレビ解説委員の筆者が、14年に及ぶ膨大な映像素材と取材メモ、さらに石破茂氏をはじめ多くの議員や官僚たちの証言をもとに、小泉氏の実像に迫る。そして、今秋の自民党総裁選とその先にある2021年の総裁選に、小泉氏は出馬する覚悟と用意はあるのかを明らかにする。
扶桑社新書 / 896円 / ISBN 4594079911
■プラナカン 東南アジアを動かす謎の民
太田 泰彦(日本経済新聞論説委員兼編集委員)
▼「通商貴族」の素顔を追う 清朝の時代、生き残りをかけて中国大陸からマラッカ海峡に渡った男たちが、マレー系の女性と所帯を持って現地化していった。その末裔はプラナカンと呼ばれ、一般の華僑とは異なる独特の文化や価値観が現代に受け継がれている。シンガポール建国の父リー・クアンユーも実は出自がプラナカン。東南アジアの歴史が大きく動いた舞台に必ずプラナカンの姿がある。謎に包まれた氏族の素顔を追い、日本と深く関わった秘史を掘り下げた現場ルポです。
日本経済新聞出版社 / 1944円 / ISBN 4532176352
■三つの空白 太宰治の誕生
鵜飼 哲夫(読売新聞社編集委員)
▼太宰が苦悩した時期に焦点 太宰治が70年前に心中した時、次女津島佑子は満1歳。長じて父と同じ道に進んだ津島は、母を亡くした年、短編「母の場所」を発表、母親の日記では夫を亡くした最悪時期が空白だったと記した。中学時代から創作を始めた太宰にも辛い別離や「人間失格」体験という精神科病院への入院などで苦悩して生涯に3度、小説を書かない時期があった。この「空白」にスポットを当て、挫折を経るたびに脱皮し、太宰という作家が誕生するまでを描く。
白水社 / 3240円 / ISBN 4560096287
■ルポ 児童相談所
大久保 真紀(朝日新聞社編集委員)
▼奮闘する児童相談所の職員たち 東京都目黒区で今年3月に5歳の女の子が虐待によって死亡した事件では、改めて児童相談所のあり方が問われている。2016年度に全国の児童相談所が対応した虐待相談は12万件を超えた。10年前の約3・3倍だ。虐待対応の最前線である児童相談所は、死亡事件が起こると批判と非難の矢面に立たされるが、実態はあまり知られていない。子どもの命を守るために、子どもの最善の利益のために、何が必要なのか。奮闘する児童相談所の職員たちの日々を追った。
朝日新聞出版 / 886円 / ISBN 4022730935
■8のテーマで読む水俣病
高峰 武(熊本日日新聞社論説顧問)
▼過去と現在の視点で見直す 巨大なミラーボールのようでもある水俣病事件。過去と現在という2つの視点を交差させながら見直したのが(Ⅰ)の「8のテーマ」である。(Ⅱ)ではスイス・ジュネーブであった水俣条約の第1回締約国会議に参加した胎児性患者の坂本しのぶさんの同行取材や、2018年2月に亡くなった石牟礼道子さんの「眼差し」など、(Ⅲ)は1956年の水俣病公式確認時の水俣保健所長・伊藤蓮雄氏が亡くなる直前に当時の状況を孫娘に語ったテープを再生、文章化した。「負の遺産」をどうしたら「正の遺産」にできるか。見えないものを見る試みでもある。
弦書房 / 2160円 / ISBN 4863291701