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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■希望を振る指揮者 ゲルギエフと波乱のロシア
小林 和男(NHK出身)
国崩壊の混乱で見たロシアの底力
世界の秩序がガラリと変わる現場に立ち会ったのは記者冥利に尽きるが、現実に見たのはおぞましい混乱だった。経済の混乱だけでなく信じていたものを失った国民の狼狽ぶりは想像を超える。その中で出会った男が主人公の指揮者ゲルギエフ。奇妙な初対面だったが、以来四半世紀の付き合いで彼の言葉が徐々に実現するのを見るのは感動的だった。具体的なエピソードと彼の言葉で、ロシア社会に潜む力をお伝えする。
かまくら春秋社 / 1728円 / ISBN 477400782X
■ドキュメント 誘導工作 情報操作の巧妙な罠
飯塚 恵子(読売新聞欧州駐在編集委員)
情報の「兵器化」による選挙介入
2016年の米大統領選と英国のEU離脱国民投票は、ロシアによるソーシャルメディアを使った情報操作と選挙介入の主舞台となった。西側世界の反撃は、大手IT企業の消極姿勢が目立つ米国より、欧州の方が一歩進む。その欧州各地の当局者らに直接取材を重ね、欧州の対策の現状と課題、日本にも「誘導工作」は起きるのか、を考察した。彼らは来年の東京五輪・パラリンピックを控え、日本はもっと危機に敏感になるべきだと説く。
中公新書ラクレ / 886円 / ISBN 4121506529
■港から見るオーストラリア・海から見る日豪関係
麻生 雍一郎(読売新聞東京本社社友、初代読売新聞シドニー特派員)
港と海から見た豪州建国史
読売新聞シドニー支局を開設してから40年余が経つが、豪州との縁は今も続く。キャプテンクックがシドニーに上陸し、英国領を宣言してから2世紀半、連邦国家として独立してから120年。この短い期間に豪州は近代国家としてめざましい発展を遂げた。労働力も資本も限られていたが、それを港の造成に集中投資、そこから後背地の都市を作り、開発と交易に乗り出した。これは港と海から見た豪州建国史と日豪交流史。豪連邦政府設立の豪日交流基金が今年度の出版助成図書に選定した。
新聞情報社 / 1620円 / ISBN
■日本銀行「失敗の本質」
原 真人(朝日新聞社編集委員)
日本軍と黒田日銀の驚くべき相似
日本銀行の異次元緩和は6年超に及び、まったく出口が見えない。黒田日銀はいまや超金融緩和の罠にはまってしまった。これではまるで戦争を止められなかった太平洋戦争下の日本軍と同じだ。日本軍を組織論的に分析した『失敗の本質』の着想をヒントに、現代の日銀の失敗の構造を読み解いた。自分でも驚くほど戦時との相似が多いことに気づかされた。財政ファイナンスの行き着く先は、間違いなく「第2の敗戦」であろう。
小学館新書 / 907円 / ISBN 4098253437
■十二代目市川團十郎の世界―家元探訪・妻の思い出・多彩に輝く成田屋―
河村 常雄(読売新聞出身)
團十郎の知られざる魅力
歌舞伎俳優十二代目市川團十郎は病を得て道半ばにして逝ったが、本業以外でも多方面で活躍した。「勧進帳」ゆかりの小松市では子供歌舞伎を、また九代目團十郎の衣鉢を継ぎむすめ歌舞伎を指導した。三大学の教壇に立ったほか、骨髄バンク運動にも尽力した。これほど多岐にわたる業績を持つ歌舞伎俳優は珍しい。そして夫人の大きな愛に支えられていた。歌舞伎への執念、豊かな人間味。團十郎の知られざる魅力を伝えたい。
出版研究センター / 1620円 / ISBN 491508518X
■凛としたアジア
伊藤 千尋(朝日新聞出身)
アジアの民衆のパワーの源泉
100万人規模の市民運動で大統領を失脚させた韓国の民衆のエネルギー、ベトナム和平の花形だった「ベトコンの女王」から見るベトナムの今、米軍基地を返還させ原発を使わないまま廃炉にしたフィリピン、そしてテロの応酬から立ち直ろうと努力するスリランカを現地で歩きながら考えた。サンフランシスコ講和会議で「憎しみに愛を」と演説し、戦後日本の復興を助けたスリランカ外交を忘れてはなるまい。アジアは面白い。
新日本出版社 / 1728円 / ISBN 4406063331
■米中対決の真実
古森 義久(産経新聞社ワシントン駐在客員特派員)
両国はなぜ対立するのか
いまの国際情勢を最も激しく動かす要因といえば、まず米国と中国の対立だろう。では米中両国はなぜ衝突し、対決までするのか。本書はワシントンから長年の報道を続けてきた著者が北京駐在の体験をも生かし、米中関係の現状を多角的に分析した報告である。中国の近年の膨張を米国歴代政権がどう見てきたのか。特にトランプ政権の中国への認識や政策はどう形成されたのか。このあたりの実態に当事者の証言や一次資料の紹介で光を当てる。
海竜社 / 1512円 / ISBN 4759316612
■平成経済徒然草 パラダイム転換する世界と日本
小島 明(日本経済新聞出身)
「激変」の時代に脱落した日本
平成の30年余は、敗戦から復興、経済大国にいたる「激動」の昭和に対して「激変」の時代だといわれる。「激変」したのは日本を取り巻く世界の地政学、地経学的な環境であり、日本自体は必要な大改革もできず世界の大潮流から脱落した。
世界最速で進む人口高齢化も含め、大きな課題への取り組みが令和時代に先送りされた格好である。いろいろな分野で周回遅れとなっている日本の現実は厳しい。浮かれている時ではなく、現実を直視し、行動する覚悟が問われている。
日本経済新聞出版社 / 2160円 / ISBN 4532358175
■バブル経済事件の深層
奥山 俊宏(朝日新聞社編集委員)
村山 治(朝日新聞、毎日新聞出身)
平成バブル崩壊の歴史書
平成の30年間は、バブルの絶頂に始まり、その処理に追われ、停滞に苦しめられた「失われた30年」でもあった。なぜこんなことになったのか、なぜこんなに長引いたのか。大蔵省と特捜検察、日本興業銀行と日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、大和銀行を取り上げて、今だから初めて明かせる事実を追求した。平成とバブル崩壊の歴史書として残す、そんな意気込みで30年分の取材資料と最新の証言、新資料を一気通貫にとりまとめた。
岩波新書 / 886円 / ISBN 4004317746
■日本財団は、いったい何をしているのか 第五巻・新生アフリカ農業
鳥海 美朗(産経新聞出身)
地道な活動の記録
アフリカ大陸で繰り返し起きる飢饉と深刻な食糧不足。解決には、アフリカ人口の大半を占める零細農家の生産力を上げるしかない……。そう考えた日本財団は1986年、ササカワ・アフリカ財団を設立し、計15カ国で農業を刷新する取り組みを展開してきた。ウガンダやエチオピア、そしてガーナでの現地ルポを織り込んだ本書は、支援のありのままを映し出す。苦い経験も詰まったドキュメントである。
木楽舎 / 1512円 / ISBN 4863241399