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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■小泉進次郎 日本の未来をつくる言葉
鈴木 款(フジテレビ解説委員)
▼進次郎に総理の資格と覚悟はあるのか? いま世論調査で「総理にしたい政治家」ナンバーワンの自民党小泉進次郎筆頭副幹事長。本書では、小泉氏のNY留学時代を知るフジテレビ解説委員の筆者が、14年に及ぶ膨大な映像素材と取材メモ、さらに石破茂氏をはじめ多くの議員や官僚たちの証言をもとに、小泉氏の実像に迫る。そして、今秋の自民党総裁選とその先にある2021年の総裁選に、小泉氏は出馬する覚悟と用意はあるのかを明らかにする。
扶桑社新書 / 896円 / ISBN 4594079911
■プラナカン 東南アジアを動かす謎の民
太田 泰彦(日本経済新聞論説委員兼編集委員)
▼「通商貴族」の素顔を追う 清朝の時代、生き残りをかけて中国大陸からマラッカ海峡に渡った男たちが、マレー系の女性と所帯を持って現地化していった。その末裔はプラナカンと呼ばれ、一般の華僑とは異なる独特の文化や価値観が現代に受け継がれている。シンガポール建国の父リー・クアンユーも実は出自がプラナカン。東南アジアの歴史が大きく動いた舞台に必ずプラナカンの姿がある。謎に包まれた氏族の素顔を追い、日本と深く関わった秘史を掘り下げた現場ルポです。
日本経済新聞出版社 / 1944円 / ISBN 4532176352
■ルポ 児童相談所
大久保 真紀(朝日新聞社編集委員)
▼奮闘する児童相談所の職員たち 東京都目黒区で今年3月に5歳の女の子が虐待によって死亡した事件では、改めて児童相談所のあり方が問われている。2016年度に全国の児童相談所が対応した虐待相談は12万件を超えた。10年前の約3・3倍だ。虐待対応の最前線である児童相談所は、死亡事件が起こると批判と非難の矢面に立たされるが、実態はあまり知られていない。子どもの命を守るために、子どもの最善の利益のために、何が必要なのか。奮闘する児童相談所の職員たちの日々を追った。
朝日新聞出版 / 886円 / ISBN 4022730935
■三つの空白 太宰治の誕生
鵜飼 哲夫(読売新聞社編集委員)
▼太宰が苦悩した時期に焦点 太宰治が70年前に心中した時、次女津島佑子は満1歳。長じて父と同じ道に進んだ津島は、母を亡くした年、短編「母の場所」を発表、母親の日記では夫を亡くした最悪時期が空白だったと記した。中学時代から創作を始めた太宰にも辛い別離や「人間失格」体験という精神科病院への入院などで苦悩して生涯に3度、小説を書かない時期があった。この「空白」にスポットを当て、挫折を経るたびに脱皮し、太宰という作家が誕生するまでを描く。
白水社 / 3240円 / ISBN 4560096287
■8のテーマで読む水俣病
高峰 武(熊本日日新聞社論説顧問)
▼過去と現在の視点で見直す 巨大なミラーボールのようでもある水俣病事件。過去と現在という2つの視点を交差させながら見直したのが(Ⅰ)の「8のテーマ」である。(Ⅱ)ではスイス・ジュネーブであった水俣条約の第1回締約国会議に参加した胎児性患者の坂本しのぶさんの同行取材や、2018年2月に亡くなった石牟礼道子さんの「眼差し」など、(Ⅲ)は1956年の水俣病公式確認時の水俣保健所長・伊藤蓮雄氏が亡くなる直前に当時の状況を孫娘に語ったテープを再生、文章化した。「負の遺産」をどうしたら「正の遺産」にできるか。見えないものを見る試みでもある。
弦書房 / 2160円 / ISBN 4863291701
■日本経済入門
藤井 彰夫(日本経済新聞社論説委員兼編集委員)
▼経済ニュースの参考書に バブルの絶頂と崩壊、その後始末の不良債権処理がやっと終わったと思ったら、リーマン・ショックと東日本大震災という二つの新たな危機にさらされた日本経済。
平成時代がもうすぐ終わり、バブルどころかその崩壊後の騒ぎも歴史としてしか知らない世代が社会人になり始めました。本書では、平成の30年を振り返るとともに、ポスト平成の日本経済が抱える課題を、分かかりやすく解説することを試みました。とっつきにくい新聞の経済ニュースを読む際のガイドブックになれば幸いです。
日経文庫 / 929円 / ISBN 4532113857
■9条を活かす日本 15%が社会を変える
伊藤 千尋(朝日新聞社出身)
▼世界に倣って憲法を使おう コスタリカは平和憲法を活用して「平和を輸出」し、国内では違憲訴訟を通じて人権重視の市民社会を築いた。他の国でも国民は憲法を活かして権威に抵抗する。一方、日本では国民と憲法の距離が遠い。国民が憲法を使うという発想が乏しく、与党は立憲主義すら反故にして改憲に走る。憲法を活かす社会づくりに向けて、東欧革命や9・11の現場体験から、「どうすれば日本を変えられるのか」を語る。
新日本出版社 / 1728円 / ISBN 4406062548
■村山龍平 新聞紙は以て江湖の輿論を載するものなり(ミネルヴァ日本評伝選)
早房 長治(朝日新聞社出身)
▼「朝日」を創ったマスコミ界の巨人 日本に今日のような近代的な新聞を誕生させたのは、朝日新聞の創立者、村山龍平である。明治中期、大阪でのことである。龍平の出自は紀州藩の支藩、田丸藩の上級武家の跡取り息子であり、貴族主義者といってもいいほどの保守主義者であった。しかし、右翼から左翼まで驚くほど幅の広い人材を集め、朝日新聞を「東洋のロンドンタイムス」と呼ばれるような、反権力で、国民に愛されるリベラルな新聞に育て上げた。
ミネルヴァ書房 / 2700円 / ISBN 4623083292
■母の家がごみ屋敷 高齢者セルフネグレクト問題
工藤 哲(毎日新聞社元特別報道グループ)
▼埋もれた深刻な現実 近親者の死による生活意欲の衰えや老化による体力低下、認知症などで身の回りのことができなくなるセルフネグレクト(自己放任)に陥る高齢者の実情を取材した。セルフネグレクトは当事者が相当数存在しているとみられるが、国や行政の実態把握は不十分だ。捨てることが難しくなり、自宅にものやごみが積み上げられることも少なくない。こうした現場や背景を探った。予想以上の数のメールが寄せられ、埋もれた現実の深刻さを感じずにはいられなかった。
毎日新聞出版 / 1512円 / ISBN 4620324671
■習近平帝国の暗号 2035
中澤 克二(日本経済新聞社編集委員兼論説委員)
▼毛沢東越え狙う習近平新時代の裏舞台 軍首脳の自殺、後継者は早々に失脚……。共産党大会の激しい前哨戦から、終身の国家主席まで可能にした「習一強」に至る舞台裏を描く中国政治ノンフィクション。習近平新時代を読み解くカギは自身が口にした「2035」という謎めいた数字に隠されている。超長期の工程表ににじむのは、米国を経済的に追い抜くまで最高指導者にとどまるという野望である。核実験を繰り返す金正恩との確執の裏側にも迫っている。
日本経済新聞出版社 / 1944円 / ISBN 4532357683
