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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■甦る被災鉄道―東日本大震災を乗り越えて
大澤 賢(東京新聞出身)
▽鉄道にみる大震災からの復旧と教訓
東北新幹線や三陸鉄道が素早く復旧した背景には、鉄道事業者の強い意志とライバル会社を含めた鉄道マンの献身、国民の熱い支持があった。一方、気仙沼線や常磐線など津波被災・原発事故線区は復旧の見通しが立っていない。大震災からの復旧はまだ道半ばであり、多くの教訓を踏まえて、迫る南海トラフ巨大地震と首都直下地震に備えよと訴えている。会員各位のご批評を乞う。
東京新聞出版局 / 1600円 / ISBN 4808309920
■真実の「わだつみ」 学徒兵 木村久夫の二通の遺書(加古陽治編著)
加古 陽治(東京新聞文化部長)
▽いまだからこそ伝えたい戦争の真実
戦没学徒の遺稿を集め、長く読み継がれる『きけ わだつみのこえ』。その中でも特別な遺書として巻末に掲載されている京大生・木村久夫の遺書は、実はもう一通存在した。それだけではない。『わだつみ』の遺書は、2つの遺書を合体させ、大幅に改変したものだった。本書は、昭和史の常識を覆す東京新聞のスクープで明らかになった父親宛ての遺書と、田辺元『哲学通論』の余白に書かれた遺書の全文を収録。記者による90枚の書き下ろし原稿を加え、学問の道に生きようとした木村の生涯と、木村が戦犯として処刑される原因となった「カーニコバル島事件」、遺書改変の真相に迫った。
政府が、戦後長く続いた平和主義を転換させようとしているいまだからこそ、加工されていない木村の生の声や背景にある事実を通じて、戦争の真実を知ってほしい。
東京新聞出版局 / 900円 / ISBN 4808309955
■科学ジャーナリストの半世紀 自分史から見えてきたこと
牧野 賢治(毎日新聞出身)
▽科学記者の経験伝えたい
科学記者の「遺言」の書のつもりで、足かけ6年がかりでまとめた。科学記者としての半世紀の大半を新聞社で活動したが、個人的な経験は書き残さなければ消えてゆく運命にある。何を書き、何を書けなかったか、何を考え、何を伝えたいのか。筆者の見聞は、概して些細なエピソードが多いが、若い科学ジャーナリストに読んでもらいたいと思う。自分史から普遍的なものを見てもらえれば幸いである。
化学同人 / 2200円 / ISBN 4759815716
■現代ジャーナリズム事典(武田徹、藤田真文、山田健太監修)
山田 健太(専修大学教授)
▽いまを生き、いまを知る
ジャーナリズムにまつわる事象を網羅的に解説する初の事典。法律家、研究者、現役の新聞記者ら約90人が執筆を分担、思想・倫理・運動・表現・裁判・事件・規制・団体など多岐にわたる内容の約700項目を収録。原発報道などでメディアのあり方が根本から問い直され、表現の自由を制約する社会の動きが目立ってきた。社会の目指すべき方向を一人一人が考え、ジャーナリズムをみんなが理解し、その健全な発展を守っていくために、ぜひ多くの人に手にしてもらいたい。
三省堂 / 4500円 / ISBN 4385151083
■誰も語らなかった〝日米核密約〟の正体 安倍晋三・岸信介をつなぐ日本外交の底流
河内 孝(毎日新聞出身)
▽日米密約の真相解明に迫る
この本を書くきっかけを与えてくれた元毎日新聞社社長の斎藤明氏は、昨年6月死去した。核持ち込みの日米マネジメントを探る「灰色の領域」取材チームに参加したのは1980年暮れ。連載は、古森義久記者の衝撃的なライシャワー・インタビューで幕を閉じた。斎藤記者は81年度の日本新聞協会賞に輝いた。30年後、民主党政権下で核持ち込みについて「密約調査」が行われたが、真相解明には至っていない。なぜか? 一読され、その裏面を知っていただければ幸いだ。
角川書店 / 800円 / ISBN 4041014905
■国際機関で見た「世界のエリート」の正体
赤阪 清隆(特別賛助会員 元・広報担当国連事務次長、現・フォーリンプレスセンター理事長)
▽日本の若者の挑戦に期待
グローバルな人材の育成が叫ばれていますが、国際機関でこそ日本人がもっと活躍してほしいと思ってこの本を書きました。国連本部をはじめ4つの国際機関で勤務しましたが、どこでも日本人職員があまりにも少ないのです。どうしてなのでしょうか。国際公務員の仕事には憂鬱な面もありますが、魅力の方が断然多いので、その正しい姿を知ってもらったうえで、日本の若者にグローバルな職場での活躍に挑戦してもらいたいと思います。
中央公論新社 / 780円 / ISBN 4121505026
■官房長官 側近の政治学
星 浩(朝日新聞特別編集委員)
▽最高権力者にどう仕えるか
毎日といっていいほど、新聞やテレビに登場する内閣官房長官。戦後、58人の政治家が経験している。最高権力者の首相にどう仕えるか。首相を間近に見ているだけに、時には「俺の方が……」といった「欲」も頭をよぎる。
そんな興味深い官房長官という仕事を解明してみた。名長官のベスト3なども、独断で選んでみた。権力者と側近の奮戦の日々、そして彼らの素顔をのぞいてみてください。
朝日新聞出版 / 1200円 / ISBN 4022630213
■「失敗」の経済政策史
川北 隆雄(東京新聞出身)
▽なぜ20年間も失われたのか?
バブル崩壊後の約20年間、日本経済が失われたのは、なぜなのか。大蔵省(現・財務省)も日銀も、自民党も民主党も努力はしたように見える。しかし、それらは結果的に裏目に出たというだけでなく、やってはならない政策を国民に犠牲を強いて実施したケースが多かった。いま、アベノミクスは円高是正と輸出産業の一時的な好調を実現したものの、本当に日本を「取り戻す」かどうかは不明だ。失敗を振り返り、未来の成功を見つめたい。
講談社現代新書 / 800円 / ISBN 4062882671
■ロシアを動かした秘密結社 フリーメーソンと革命家の系譜
植田 樹(NHK出身)
▽知られざる歴史を掘り起こす
ロマノフ王朝の絶対専制の皇帝権力や栄華の舞台裏で繰り返された野望と陰謀。これはロシアの表の国家権力と裏組織との絶えざるせめぎ合いの歴史である。西欧におけるフリーメーソンの起源、ロシアでの変容をたどり、彼らの秘密の活動様式と思想が流血のテロリストや革命家に引き継がれ巨大帝国を瓦解させた。さまざまな理想社会の実現をめざしたロシア・インテリゲンツィアの群像が民族の運命を突き動かした壮大な実験劇としてまとめた。
彩流社 / 2900円 / ISBN 4779120144
■ドキュメント平成政治史1 崩壊する55年体制
後藤 謙次(共同通信客員論説委員)
▽政治家の肉声から日本政治を検証
かつて新聞の政治面には政治家の肉声を拾った囲み記事が必ずあった。ユーモア、風刺、啓蒙―。政治家たちの片言隻句をどうさばくかは政治記者の腕の見せどころだった。
その「囲み記事」が消えて久しい。おそらく政治家が「囲み記事」に堪えられる言葉を発しなくなったことにも原因がある。平成に入って満25年。なぜ政治家の言葉から「力と魂」が消えたのか。政治家のむき出しの言葉で日本政治を振り返ることを試みた。表紙を見れば「学術書」、中身を読めば「赤坂太郎」。全3巻で間もなく第2巻を刊行します。
岩波書店 / 2300円 / ISBN 4000281674