会見リポート
2018年12月12日
14:30 〜 15:30
10階ホール
ホルヘ・トレド・アルビニャーナ駐日スペイン大使 会見
会見メモ
10月に着任したホルヘ・トレド・アルビニャーナ(Jorge Toledo Albiñana)駐日スペイン大使が会見し、同国の経済状況などについて話した。
司会 鶴原徹也 日本記者クラブ企画委員(読売新聞)
通訳 中尾憲枝
会見リポート
カタルーニャは「ダイジョウブ」
鶴原 徹也 (読売新聞社編集委員)
20年前、東京のスペイン大使館で1等書記官(政務・広報担当)だった外務官僚が、駐日大使として戻ってきた。日本語は「スコシダケ」と言う。日本専門家でも、アジア専門家でもない。
日本を不在にした20年間、主に本国の外務省で欧州政策を担当した。2012年から5年間は、中道右派・国民党のラホイ首相(当時)の側近として対EUで交渉役、対G20でシェルパを務めた。
経歴から予想しうる、手ごわさの一端は会見の質疑で示された。
カタルーニャ独立問題の帰すうを問われての回答はこんな具合。
スペインは地方分権を明記した1978年制定の民主憲法を土台にする法治国家。カタルーニャ独立は違憲と断じられた。しかも独立騒動でカタルーニャ経済は打撃を受けている。もはやカタルーニャの人々は過ちに気づいたはずだ。だからカタルーニャは「ダイジョウブ」――。
今夏、汚職で自滅したラホイ政権にかわって登場した、中道左派・社会労働党のサンチェス首相の示した難民受け入れ姿勢を問われ、こう返した。
難民は条件次第では受け入れるが、不法移民は排除する。サンチェス政権は先に移民船を受け入れたが、あくまで人道的な措置。彼らは難民ではなく、不法移民だ――。
英国のEU離脱交渉を巡る、英国とアイルランドとの国境問題については、にべもない。
複雑で厳しい交渉を通じて、皆が合意した離脱案をつくりあげた。もはやEUの手を離れた。単に英国の問題だ――。
さて、駐日大使は何をするのか。
「サンチェス首相と安倍首相が10月の会談で、両国関係を戦略的パートナーシップに格上げすることを決めた。大使として、政治、安保、経済、科学技術、観光などで両国の協力強化に尽くしたい。双方の企業間の関係強化や日本からの投資拡大にも努めたい」
ゲスト / Guest
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ホルヘ・トレド・アルビニャーナ / Jorge Toledo Albiñana
駐日スペイン大使 / Ambassador of Spain to Japan