2004年06月16日 00:00 〜 00:00
ビル・リチャードソン・ニューメキシコ州知事

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会見リポート

米政界大物の今後の動向

吉田 弘之 (毎日新聞外信部副部長)

ブッシュ大統領をはじめ、米共和党保守派の強硬姿勢ばかりが幅を利かす中、イラク、京都議定書問題などで「国際協調」を前面に出したリチャードソン氏の会見での語り口調は新鮮だった。

氏はクリントン政権時代の国連大使も務めており、北朝鮮と独自のパイプを持っていることで知られる。2003年1月に北朝鮮の国連次席大使らをニューメキシコ州の知事公舎に呼んで変則的ながら米朝対話を実現している。民主党の大統領候補、ケリー氏は北朝鮮との二国間協議の必要性を明言している。民主党政権に変われば米国の北朝鮮政策が大きく変化する可能性もあり、氏がカギを握る局面も出て来そうだ。時間が短く、北朝鮮問題について突っ込んだ議論ができなかったことが残念だった。

ニューメキシコ州と言えば、普段はほとんど注目を浴びない田舎州だ。その州知事が民主党全国委員会の委員長を務めることは、氏の米政界での存在感の大きさを物語る。民主党の副大統領候補として名が挙がっていることについて「関心はない。州知事で満足している」と語ったが、額面通りには受け取れない。ケリー氏が旧知の友である共和党のマケイン上院議員に副大統領候補になるよう要請し、マケイン氏は拒否した。同州の大量のヒスパニック票が大統領選挙の行方を左右しかねない状況の中で、ケリー氏が氏に白羽の矢を立てる可能性はある。民主党政権下で国務長官など重要ポストに就く可能性もあり、大統領選が近づくにつれ氏の動向から目が離せなくなるだろう。

ゲスト / Guest

  • ビル・リチャードソン / William Blaine "Bill" Richardson III

    ニューメキシコ州知事 / Governor of New Mexico

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