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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■「高齢ニッポン」をどう捉えるか
浜田 陽太郎(朝日新聞社編集委員)
▼社会保障めぐるメディアの在り方
「ああ、そういうの、男の記者でもやるんだ」。主婦の年金問題を追っていた「くらし報道」の現場から、「権力の館」である首相官邸の記者クラブに放り込まれたとき、政府首脳から言われた言葉です。17年前、小泉首相時代のエピソードを盛り込んだ終章のサブタイトルは「社会保障のメディアリテラシー」。勁草書房のサイト内「あとがきたちよみ」コーナーで気前よく(笑)、無料公開しています。
勁草書房 / 2420円 / ISBN 4326654260
■熾火 田辺清とエディが紡いだボクシングの絆
別府 育郎(産経新聞社特別記者)
▼魅力あふれる男たちの群像劇
ローマ五輪銅メダリストの田辺清はプロに転向し世界王者をノンタイトル戦で破るが、正式挑戦を目前に網膜剥離で視力を失い、無敗のまま引退した。悲運のボクサーと名トレーナーのエディ・タウンゼントの邂逅と失意。そしてエディの没後も彼を慕う田辺やカシアス内藤、村田英次郎、井岡弘樹ら教え子の物語を追った。エディの未亡人がママを務めるスナックのカウンターから見つめ続けた、魅力あふれる男たちの群像劇でもある。
ベースボール・マガジン社 / 1760円 / ISBN 4583113048
■エクソダス アメリカ国境の狂気と祈り
村山 祐介(朝日新聞出身)
▼壁と移民、国境の狂気の現実
そこでは子どもが、妊婦が、故国を追われた人々が、息絶えていく。米・メキシコ国境3200㌔に向かう移民たちの命懸けの旅の知られざる現実だ。母国からの「エクソダス」(大量脱出)を迫られた移民たちの足取りを同じ地平で歩き、その源流まで1万5千㌔をたどり、18カ国の約300人に取材した大型ノンフィクション。朝日新聞GLOBE掲載の一連のルポルタージュは2019年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞した。
新潮社 / 1980円 / ISBN 4103536519
■「社会人教授」の大学論
宮武 久佳(共同通信社出身)
▼入門「今どきの大学事情」
「日本の大学は大したことない」と世界ランキングが告げる。ガラパゴス・ニッポンでは「大学」も独自の進化を遂げた。日本で出世する人は「大学で勉強しなかった」ことを自慢する。だから就活学生は学力でなく「コミュ力」を最大の武器にしようとする。しわ寄せが研究者に向かう。「勉強させない国」は研究を軽視する国だ。
解決のヒントは「もっと勉強するんだった」と嘆く社会人にある。会社と大学とを往復する大人、増えてほしい。
青土社 / 2200円 / ISBN 4791773055
■ラジオで伝えた「世の中の仕組み」
加倉井 弘(NHK出身)
▼大事なことを短く書きました
太平洋戦争の主戦場はほとんど海外だった。そこで失われた日本兵の命は、病気と飢餓によるものが圧倒的に多かったことをご存じだろうか。共産党の支配する中国も含めて世界各国がマクロ経済学で動いているが、赤字国債はいくら増えても大丈夫なのか。去年、日本は国際捕鯨委員会から脱退したが、日本外交は「日本の安全と生存の維持」をきちんと支えているのか。
そんなことをこの本に書いてみた。
東京図書出版 / 880円 / ISBN 486641314X
■反日VS反韓―対立激化の深層
黒田 勝弘(産経新聞社ソウル駐在客員論説委員)
▼日本人にも対韓被害感情がある
最悪といわれる日韓関係の背景には日本側での韓国に対する「もういい加減にしてくれ」という反韓・嫌韓感情がある。これは安倍政権時代に広がったが安倍政権がもたらしたものではない。韓国における「目に余る反日現象」のせいである。それを「歴史まみれの韓国」と「歴史離れの日本」で解くとともに、韓国における〝対日歴史修正主義〟の深刻さとして紹介した。映画「パラサイト」をめぐる大誤解についても指摘させてもらった。
角川新書 / 990円 / ISBN 4040823699
■盗まれたエジプト文明 ナイル5000年の墓泥棒
篠田 航一(毎日新聞社前カイロ支局長)
▼取材対象としての古代エジプト
「古代エジプト史は面白いけど、専門家の本は難しい。読みやすい本ありませんか」。カイロ特派員時代、何人かに同じことを聞かれ、ちょうど自分も興味のあった「略奪と盗掘の歴史」を書いてみようと思い立った。考古学者、元テロリスト、そして「現役」の墓泥棒らを取材し、現場を訪れ、寄り道エピソードも交えて出来上がったのがこの本だ。盗む者と追う者の攻防はスリリング。「呪い」って本当にあるの?
詳しくは本書で。
文藝春秋 / 968円 / ISBN 4166612786
■今こそ栄光への架け橋を それでもオリンピックは素晴らしい!
刈屋 富士雄(NHK出身)
▼五輪は未来のためにある
今世界は新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020東京大会について議論できないような雰囲気に包まれている。しかし今こそ2020東京大会について、もっと語り合うべきではないだろうか。メダルをかけた勝負の舞台は、若い世代の夢を劇的に刺激し覚醒させる。2004年アテネ五輪体操で「栄光への架け橋だ」と私がなぜ実況したのかなど38年にわたるオリンピックやスポーツの現場での経験をエッセーとしてこの本に込めた。
海竜社 / 1430円 / ISBN 4759317139
■日本の戦争を報道はどう伝えたか 戦争が仕組まれ惨劇を残すまで
羽原 清雅(朝日新聞出身)
▼「戦争は悪」をあらためて基点に
戦争は、為政者が狙いを定め、態勢を整え、大義名分を設け、相手国への憎しみを育て、報道が世論を挑発したころ、姿を見せる。軍部は時に戦火の発端を捏造、反抗は抑圧する。
構造的に仕組まれた戦争は、文中に示す一級史料通りの惨劇をもたらす。戦後75年の今も、広島・長崎の苦痛、海外に大量の遺骨が残り、中国、朝鮮半島などの怨念はなお消えない。「戦争は悪」をあらためて基点としたい。苦衷を経て旗を振った朝日新聞の内情も見た。
書肆侃侃房 / 2090円 / ISBN 4863854102
■ドキュメント武漢 新型コロナウイルス 封鎖都市で何が起きていたか
早川 真(共同通信社中国総局次長)
▼現地での体験も交えた記録
今年1月、武漢封鎖の6日前に現地を取材すると、多くの市民は新型コロナウイルスへの危機感がなく、マスクもしていなかった。感染は世界に拡大。習近平指導部は初動の遅れを挽回しようと、外出規制や国民監視などの対策を打ち出す。本書では一連の動きを、北京駐在の私の体験も交えて振り返った。外交や経済への影響も含め、事実を丹念に記録することを心掛けた。新型ウイルス問題を考える際の基礎資料になればと願っている。
平凡社 / 902円 / ISBN 4582859461