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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■反日VS反韓―対立激化の深層
黒田 勝弘(産経新聞社ソウル駐在客員論説委員)
▼日本人にも対韓被害感情がある
最悪といわれる日韓関係の背景には日本側での韓国に対する「もういい加減にしてくれ」という反韓・嫌韓感情がある。これは安倍政権時代に広がったが安倍政権がもたらしたものではない。韓国における「目に余る反日現象」のせいである。それを「歴史まみれの韓国」と「歴史離れの日本」で解くとともに、韓国における〝対日歴史修正主義〟の深刻さとして紹介した。映画「パラサイト」をめぐる大誤解についても指摘させてもらった。
角川新書 / 990円 / ISBN 4040823699
■盗まれたエジプト文明 ナイル5000年の墓泥棒
篠田 航一(毎日新聞社前カイロ支局長)
▼取材対象としての古代エジプト
「古代エジプト史は面白いけど、専門家の本は難しい。読みやすい本ありませんか」。カイロ特派員時代、何人かに同じことを聞かれ、ちょうど自分も興味のあった「略奪と盗掘の歴史」を書いてみようと思い立った。考古学者、元テロリスト、そして「現役」の墓泥棒らを取材し、現場を訪れ、寄り道エピソードも交えて出来上がったのがこの本だ。盗む者と追う者の攻防はスリリング。「呪い」って本当にあるの?
詳しくは本書で。
文藝春秋 / 968円 / ISBN 4166612786
■今こそ栄光への架け橋を それでもオリンピックは素晴らしい!
刈屋 富士雄(NHK出身)
▼五輪は未来のためにある
今世界は新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020東京大会について議論できないような雰囲気に包まれている。しかし今こそ2020東京大会について、もっと語り合うべきではないだろうか。メダルをかけた勝負の舞台は、若い世代の夢を劇的に刺激し覚醒させる。2004年アテネ五輪体操で「栄光への架け橋だ」と私がなぜ実況したのかなど38年にわたるオリンピックやスポーツの現場での経験をエッセーとしてこの本に込めた。
海竜社 / 1430円 / ISBN 4759317139
■日本の戦争を報道はどう伝えたか 戦争が仕組まれ惨劇を残すまで
羽原 清雅(朝日新聞出身)
▼「戦争は悪」をあらためて基点に
戦争は、為政者が狙いを定め、態勢を整え、大義名分を設け、相手国への憎しみを育て、報道が世論を挑発したころ、姿を見せる。軍部は時に戦火の発端を捏造、反抗は抑圧する。
構造的に仕組まれた戦争は、文中に示す一級史料通りの惨劇をもたらす。戦後75年の今も、広島・長崎の苦痛、海外に大量の遺骨が残り、中国、朝鮮半島などの怨念はなお消えない。「戦争は悪」をあらためて基点としたい。苦衷を経て旗を振った朝日新聞の内情も見た。
書肆侃侃房 / 2090円 / ISBN 4863854102
■ドキュメント武漢 新型コロナウイルス 封鎖都市で何が起きていたか
早川 真(共同通信社中国総局次長)
▼現地での体験も交えた記録
今年1月、武漢封鎖の6日前に現地を取材すると、多くの市民は新型コロナウイルスへの危機感がなく、マスクもしていなかった。感染は世界に拡大。習近平指導部は初動の遅れを挽回しようと、外出規制や国民監視などの対策を打ち出す。本書では一連の動きを、北京駐在の私の体験も交えて振り返った。外交や経済への影響も含め、事実を丹念に記録することを心掛けた。新型ウイルス問題を考える際の基礎資料になればと願っている。
平凡社 / 902円 / ISBN 4582859461
■日韓朝「虚言と幻想の帝国」の解放 戦後75年の朝鮮半島
重村 智計(毎日新聞出身)
▼北朝鮮に「反日民族主義」はない
嫌韓本に反抗し、学術的アプローチを出版していただいた。戦後嫌韓の起源は岩波書店だ。雑誌「世界」は、韓国の存在を認めなかった。「南朝鮮」と表記し続けた。北朝鮮従属で、日本人拉致も否定した。著名な韓国教授は著書の『(日本)知識人の傲慢と偏見』で岩波を「反韓親北」と断定した。北朝鮮には「反日民族主義」はない、と日韓は知らない。韓国の反日は「アイデンティティー」喪失が原因。韓国人の正統性探しの旅が終るまで続く。
秀和システム / 1650円 / ISBN 4798061557
■ドキュメント 強権の経済政策 官僚たちのアベノミクス2
軽部 謙介(時事通信出身)
▼賞味期限切れる前にぜひ
本のタイトルは難しい。「異形の経済政策」の生成過程を前作『官僚たちのアベノミクス』で追った。今回はその後の検証。しかし「〜パート2」とか「続〜」では売れ行きがガクッと落ちるのだとか。よし分かった。「落日のアベノミクス」「終わるかアベノミクス」…。候補をいくつか示したところ、編集者いわく、「要するにアベノミクスって賞味期限切れギリギリなんですね」。
というわけで読むならお早めに。
岩波書店 / 946円 / ISBN 4004318335
■凛凛(りんりん)チャップリン
伊藤 千尋(朝日新聞出身)
▼笑いをエネルギーに
5・15事件の際、来日したチャップリンの暗殺計画があった。2度目の来日は2・26事件、3度目は阿部定事件のさなかだ。少年時代は極貧生活を耐え、成功後も米国を追放された悲劇の「喜劇王」。スイスの旧宅を訪れ、チャップリンの人生と作品の「ルポ」を試みた。コロナで鬱々とした今、彼の「笑い」が生きるエネルギーを与えてくれる。
新日本出版社 / 1870円 / ISBN 4406064079
■耳順居日記
秋山 哲(毎日新聞社出身)
▼廃仏毀釈に苦闘する老舗の物語
檜節郎の筆名で小説を出版した。明治新政府が神仏分離を命じ、京都の老舗法衣商一門は苦境に陥る。それに絡んで主人公でこの一門の別家の華兵衛の娘2人が誘拐される。総本家当主が追放されたり、本家を乗っ取る動きや、総本家が石油輸入に乗り出して倒産する、といった騒動の中で華兵衛は米国向けの茶輸出へと転業する。若者、精市と狛吉がそれを支え、江戸時代の家業から新時代の企業へと経営を進化させていく。アマゾンからのオンデマンド出版を試みた本である。
NextPublishing / 2200円 / ISBN 4802098804
■ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯
小倉 孝保(毎日新聞社論説委員)
▼徒手空拳でアラブに挑んだ男
現在、中東・アフリカ地域の空手人口は200万人を超える。源流をさかのぼると一人の日本人に行き着いた。岡本秀樹。岡山出身、国士舘大学空手道部の創設者。1970年にダマスカスへ渡って以来、ベイルート、カイロと拠点を移しながら約40年間、砂漠に空手の種をまいた。途中、政権幹部に接近し闇ビジネスで大もうけ。カジノを経営、武器密輸も企てる。エネルギッシュな男のハチャメチャ人生ノンフィクションである。
KADOKAWA / 2420円 / ISBN B08B3DGRPH