マイBOOK マイPR

会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。


■震災復興10年の総点検 「創造的復興」に向けて

加藤 裕則 共著(朝日新聞社元石巻支局員)

▼東日本大震災復興政策を検証

 東日本大震災の復興政策を正面から検証した。政府は公共事業を中心に32兆円という巨額予算を投じたが、どこまで被災者の幸せにつながったのか。特に巨大な防潮堤は各地で紛争となった。震災当時の民主党政権が掲げた「創造的復興」とは何だったのか。当時の官房参与、現地で3年半取材した記者、建築家の3人が改めて現地に出向き、漁師や農家、商工会議所、高台・内陸の移転者らから話を聞きながら丹念に各事業を評価した。


岩波ブックレット / 726円 / ISBN 4002710416

■心の歌よ! 日本人の「故郷」を求めて

伊藤 千尋(朝日新聞出身)

▼21の歌の現場と作者を取材

 日本人は世界でも稀な「歌う国民」だ。魂を揺さぶる歌にはそれなりの背景がある。「赤とんぼ」や「北国の春」など21の歌の現場や作者を取材し、歌の成り立ちを探求した。

 「神田川」は最後の1行で主語が女性から男性に替わる。「故郷」の「かの山」は目の前にそびえる具体的な山だった。「幸せなら手をたたこう」の作者とともに、歌が生まれて54年後のフィリピンを訪れた。

 愛唱される歌を追求することで、日本人の心情がうかがえる。私たちは何者か、が歌から見えてくる。


新日本出版社 / 1760円 / ISBN 4406065571

■響きをみがく 音響設計家 豊田泰久の仕事

石合 力(朝日新聞社大阪本社編集局長補佐)

▼究極の響きはいかにして生まれるのか

 特派員稼業と演奏会通いの両立を目指してきた筆者が出会った謎の男トヨタ。サントリーホールやパリ、ハンブルクなど世界の主要ホールの音響設計を手がけ、関係者の間では、自動車でなく彼を指すほどの存在だ。残響時間が同じホール内で席によって響きが違うのはなぜか。音響は「天気予報のようなもの」(バレンボイム)なのか。指揮者ラトル、ゲルギエフ、建築家ゲーリーらに謎を尋ね、「究極の響き」をみがく過程を描く。

 


朝日新聞出版 / 1870円 / ISBN 4022517506

■サステナブルファイナンス攻防―理念の追求と市場の覇権

藤井 良広(日本経済新聞出身)

▼ESG基準化の国際潮流を追跡

 ESG(環境・社会・ガバナンス)やサステナビリティの言葉が国内メディアでも目につく。菅政権の「2050年カーボンニュートラル」宣言は世間を驚かせた。これらの課題実現には、気候変動を含むESG要因の把握・評価が必要だ。リーマンショック以降、グローバルに進むそうした共通基準作りの動きを追いかけるとともに、推進する人々にも焦点を合わせた。非財務の不確実なESG要因を基準化によって「持続可能な金融」の対象にできるか。自らの取り組みも含めて報告する。

 


きんざい / 2530円 / ISBN 4322138489

■崖っ淵に立つ日本の決断 米中〝文明の衝突〟

古森 義久(産経新聞社ワシントン駐在客員特派員) 門田隆将氏との共著

▼米中日三極のうねり、最新報告

 新年を迎えた世界は天下大動乱とも呼べる混乱や緊迫をさらに高めてきた。バイデン新政権登場のアメリカはなお習近平政権の独裁下の中国と対立する。その谷間での日本の身の処し方に国運がかかっている。激しくぶつかる米中両国のどちらに身を寄せるのか。従来の「全方位」とか「橋渡し」という定型の外交パターンは通用しない。長年の米中関係

ウオッチャーと日本の政治や社会の気鋭の考察者とが意見を交わす対論の形で米中日の三極のうねりを最新報告する。


PHP研究所 / 1793円 / ISBN 4569848206

■日本のコロナ対策はなぜ迷走するのか

倉重 篤郎(毎日新聞社客員編集委員)

▼反骨の臨床医に問う

 コロナ対策の要諦は、PCR検査の頻回実施と、医療体制の先手拡充にある。世界が目指すこの方向性がなぜ日本では共有されないのか。その謎を解こうとした本です。著者の上昌広氏は、一時は厚労省・感染症ムラ周辺に身を置いたことのある反骨の臨床医。素人の私が、素朴な疑問をぶつけ、一問一答形式でまとめました。ムラの検査利権や旧陸海軍の亡霊など、おどろおどろしい話も随所に散りばめ、「迷走」の真相に迫ったつもりです。


毎日新聞出版 / 1320円 / ISBN 4620326593

■破壊戦 新冷戦時代の秘密工作

古川 英治(日本経済新聞社編集委員、前モスクワ支局長)

▼露の「ダークパワー」を告発

 猛毒による襲撃事件、各国選挙への介入、ネット情報操作とサイバー攻撃、そして政財界要人取り込み工作と黒いカネ…。欧米各国で次々に起きる事件を追いながらこんな仮説を立てた。ハードパワーとソフトパワーで欧米に劣るロシアは「ダークパワー」を駆使して民主社会の破壊を企てている――。手掛かりを求め、人から人をつなぎ、少し怖い目に遭いながら真相を探る取材の現場はスパイ小説風。足りない要素はロマンスか。

 


角川新書 / 990円 / ISBN 4040823753

■連帯の時代 コロナ禍と格差社会からの再生

伊藤 千尋(朝日新聞出身)

▼変革への原動力を描く 

 日本の戦後は終戦から始まったが、イタリアは戦時中に戦後を開始した。統制の時代に市民が蜂起できたのは、縦社会の日本と違って横の連帯の社会を築いたからだ。東欧革命から30年後のドイツを再訪し、「もの言えぬ社会」を覆したライプチヒの若者たちの最初の一歩を紹介する。「歌と人間の鎖」でソ連から独立したバルト三国も。社会格差が広がる世界に拡散したコロナ禍の影響。今や新たな社会変革の手段となったSNSによる「グレタの法則」にも注目した。

 


新日本出版社 / 1870円 / ISBN 4406063366

■にほんでいきる 外国からきた子どもたち(毎日新聞取材班編)

磯崎 由美(毎日新聞社編集編成局次長)

▼「学ぶ権利」見えない格差を追う

 児童が登校しなくなり、親とも連絡がつかない。虐待か、失踪か。行政は現状把握に走る。だがそれが外国籍の子の場合、「就学義務がない」として誰も動かない。

 多文化共生をうたうこの国の「学ぶ権利」に、見えない格差が存在する。その実態に迫ったキャンペーン報道を書籍化した。登校の夢かなわず命を奪われた少女。犯罪に手を染めた少年。通学しても日本語が分からないだけで「発達障害」とされる子たち…。たった2人の取材班は厳しい現実のルポとともに全国調査や情報公開を駆使した報道を続け、国は対策に動き出す。

 「この本を開けば、聞こえてくるはず。たくさんの『ここにいるよ』という声が」。書籍化にあたりフォトジャーナリストの安田菜津紀さんが寄せた言葉だ。声なき声を伝え、社会を変えていく。そんなジャーナリズムの原点は、ネット時代でも変わらない。2020年度新聞協会賞受賞。

 


明石書店 / 1760円 / ISBN 4750351199

■愛国とナチの間 メルケルのドイツはなぜ躓いたのか

高野 弦(朝日新聞社前ベルリン支局長)

▼「健全なナショナリズム」は可能か 

 G7のリーダーで最長の任期となったドイツのメルケル首相が2021年秋に政界を去る。彼女を追い詰めたのは、何だったのか。反メルケルの政治勢力を取材すると、リベラル民主主義の名のもとで深まった人間の疎外の問題、アイデンティティーへの危機感が見えてきた。かつてこの国を支配した狂気の歴史は、繰り返されるのだろうか。ポストメルケル時代の展望、日本がこれから直面するであろう移民社会の厳しい現実も描いています。

 


朝日新聞出版 / 1650円 / ISBN 4022517239
前へ 2025年06月 次へ
1
2
7
8
9
10
12
13
14
15
21
22
23
24
25
26
27
28
29
1
2
3
4
5
ページのTOPへ