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会員が出版した書籍を、著者自身によるワンポイント紹介とともに掲載しています。
■ドキュメント武漢 新型コロナウイルス 封鎖都市で何が起きていたか
早川 真(共同通信社中国総局次長)
▼現地での体験も交えた記録
今年1月、武漢封鎖の6日前に現地を取材すると、多くの市民は新型コロナウイルスへの危機感がなく、マスクもしていなかった。感染は世界に拡大。習近平指導部は初動の遅れを挽回しようと、外出規制や国民監視などの対策を打ち出す。本書では一連の動きを、北京駐在の私の体験も交えて振り返った。外交や経済への影響も含め、事実を丹念に記録することを心掛けた。新型ウイルス問題を考える際の基礎資料になればと願っている。
平凡社 / 902円 / ISBN 4582859461
■日本の戦争を報道はどう伝えたか 戦争が仕組まれ惨劇を残すまで
羽原 清雅(朝日新聞出身)
▼「戦争は悪」をあらためて基点に
戦争は、為政者が狙いを定め、態勢を整え、大義名分を設け、相手国への憎しみを育て、報道が世論を挑発したころ、姿を見せる。軍部は時に戦火の発端を捏造、反抗は抑圧する。
構造的に仕組まれた戦争は、文中に示す一級史料通りの惨劇をもたらす。戦後75年の今も、広島・長崎の苦痛、海外に大量の遺骨が残り、中国、朝鮮半島などの怨念はなお消えない。「戦争は悪」をあらためて基点としたい。苦衷を経て旗を振った朝日新聞の内情も見た。
書肆侃侃房 / 2090円 / ISBN 4863854102
■日韓朝「虚言と幻想の帝国」の解放 戦後75年の朝鮮半島
重村 智計(毎日新聞出身)
▼北朝鮮に「反日民族主義」はない
嫌韓本に反抗し、学術的アプローチを出版していただいた。戦後嫌韓の起源は岩波書店だ。雑誌「世界」は、韓国の存在を認めなかった。「南朝鮮」と表記し続けた。北朝鮮従属で、日本人拉致も否定した。著名な韓国教授は著書の『(日本)知識人の傲慢と偏見』で岩波を「反韓親北」と断定した。北朝鮮には「反日民族主義」はない、と日韓は知らない。韓国の反日は「アイデンティティー」喪失が原因。韓国人の正統性探しの旅が終るまで続く。
秀和システム / 1650円 / ISBN 4798061557
■ドキュメント 強権の経済政策 官僚たちのアベノミクス2
軽部 謙介(時事通信出身)
▼賞味期限切れる前にぜひ
本のタイトルは難しい。「異形の経済政策」の生成過程を前作『官僚たちのアベノミクス』で追った。今回はその後の検証。しかし「〜パート2」とか「続〜」では売れ行きがガクッと落ちるのだとか。よし分かった。「落日のアベノミクス」「終わるかアベノミクス」…。候補をいくつか示したところ、編集者いわく、「要するにアベノミクスって賞味期限切れギリギリなんですね」。
というわけで読むならお早めに。
岩波書店 / 946円 / ISBN 4004318335
■耳順居日記
秋山 哲(毎日新聞社出身)
▼廃仏毀釈に苦闘する老舗の物語
檜節郎の筆名で小説を出版した。明治新政府が神仏分離を命じ、京都の老舗法衣商一門は苦境に陥る。それに絡んで主人公でこの一門の別家の華兵衛の娘2人が誘拐される。総本家当主が追放されたり、本家を乗っ取る動きや、総本家が石油輸入に乗り出して倒産する、といった騒動の中で華兵衛は米国向けの茶輸出へと転業する。若者、精市と狛吉がそれを支え、江戸時代の家業から新時代の企業へと経営を進化させていく。アマゾンからのオンデマンド出版を試みた本である。
NextPublishing / 2200円 / ISBN 4802098804
■凛凛(りんりん)チャップリン
伊藤 千尋(朝日新聞出身)
▼笑いをエネルギーに
5・15事件の際、来日したチャップリンの暗殺計画があった。2度目の来日は2・26事件、3度目は阿部定事件のさなかだ。少年時代は極貧生活を耐え、成功後も米国を追放された悲劇の「喜劇王」。スイスの旧宅を訪れ、チャップリンの人生と作品の「ルポ」を試みた。コロナで鬱々とした今、彼の「笑い」が生きるエネルギーを与えてくれる。
新日本出版社 / 1870円 / ISBN 4406064079
■官邸コロナ敗戦 親中政治家が国を滅ぼす
乾 正人(産経新聞社執行役員論説委員長)
▼初動失敗のウラに「国賓」あり
作家の佐藤優氏に、昨年亡くなった同僚の高橋昌之記者の魂を弔うため「腹をくくったのであろう」と書評(産経6月14日付)で書いていただき、汗顔の至りである。この本は、安倍政権がコロナ禍への初動対応でなにゆえ失敗したかを私なりに分析したものだ。ただ、飲食を伴う夜の取材?が、自粛、自粛で全てなくなり、やることがなくなって書いた、というのも否定できない。前作『令和をダメにする18人の亡国政治家』同様、売らんかなのタイトルで恐縮だが、ご一読いただければ幸いである。
ビジネス社 / 1540円 / ISBN 4828421823
■中国、科学技術覇権への野望 宇宙・原発・ファーウェイ
倉澤 治雄(日本テレビ出身)
▼科学技術で読み解く米中対立の深淵
科学技術分野での中国パワーは日本を追い越し、米国に肉薄する。国際特許、研究開発費、研究者数、論文数で中国はすでに米国を凌駕した。強みは共産党政権による意思決定の速さ、豊富な資金と人材、そして社会実装の驚異的なスピードだ。迎え撃つ米国は宇宙・原発・情報通信など先端的基盤技術で逆襲する。中国の「強国主義」と米国「Me First」の激突はグローバル世界に何をもたらすのか、現地取材と豊富なデータで読み解く。
中央公論新社 / 946円 / ISBN 412150691X
■ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯
小倉 孝保(毎日新聞社論説委員)
▼徒手空拳でアラブに挑んだ男
現在、中東・アフリカ地域の空手人口は200万人を超える。源流をさかのぼると一人の日本人に行き着いた。岡本秀樹。岡山出身、国士舘大学空手道部の創設者。1970年にダマスカスへ渡って以来、ベイルート、カイロと拠点を移しながら約40年間、砂漠に空手の種をまいた。途中、政権幹部に接近し闇ビジネスで大もうけ。カジノを経営、武器密輸も企てる。エネルギッシュな男のハチャメチャ人生ノンフィクションである。
KADOKAWA / 2420円 / ISBN B08B3DGRPH
■北方領土はなぜ還ってこないのか 安倍・プーチン日露外交の誤算
名越 健郎(時事通信出身)
▼停滞する領土交渉の内側に迫る
安倍首相が悲願とする日露平和条約締結は、ロシアの強硬姿勢やコロナ禍で、実現困難になってきた。筆者は、1991年のソ連邦崩壊直後が千載一遇の好機で、日本側があの時、大型援助を駆使し、妥協的に速攻で勝負していたら、国後を含む「三島返還」は可能だったとみなしている。今回、外務省など当時の関係者の証言を拾い、なぜ日本外交が領土交渉で失敗したかを探った。外交はタイミングと結果が全てだ。
海竜社 / 1760円 / ISBN 4759316809