2023年08月04日 15:00 〜 16:30 10階ホール
国連「ビジネスと人権」ワーキンググループ 会見

会見メモ

2011年に国連人権理事会で「ビジネスと人権に関する指導原則」が合意され、企業活動における人権の尊重が注目されるようになっている。

国連「ビジネスと人権」ワーキンググループのダミロラ・オラウィ(Damilola Olawuyi)さん(写真1枚目)、ピチャモン・イェオパントン(Pichamon Yeophantong)さん(同2枚目)が、12日間にわたる訪日調査の結果について会見した。

 

司会 井田香奈子 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)

通訳 渡辺奈緒子 サイマル・インターナショナル

 

※PRESS RELEASE, “end of mission statement”はこちら

 


会見リポート

継続的な取り組み求め

明珍 美紀 (毎日新聞社編集編成局)

 「ジャニーズ事務所が絡むセクシュアル・ハラスメント被害者との面談では数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになりました」

 12日間にわたる調査を終えて会見に臨んだ国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会のピチャモン・イェオパントン氏は、同事務所のジャニー喜多川前社長(故人)による性加害疑惑について、こう述べた。さらに「日本のメディア企業は数十年にわたり、この不祥事のもみ消しに加担したと伝えられている」とメディアの責任について言及した。

 会見ではジャニー喜多川前社長の問題に質問が集中したが、今回の訪日調査では、芸能界だけでなく、新聞、放送などメディアで働く女性への性暴力、トランスジェンダーなどLGBTQI、障害者、外国人技能実習生らへの差別など、幅広い分野で被害当事者、業界団体、労働組合の関係者らから聞き取りを実施。さらに性産業の女性に対する搾取についても「情報を得た」という。

 国連では、ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)を掲げる。おおまかにいうと、国家は人権及び基本的自由を尊重し、当事者を保護する義務がある▽企業には適用されるすべての法令を順守し、人権を尊重する役割がある▽権利や義務が侵害されたときには適切で実効的な救済をする――の三つの柱がある。 同じく会見した同作業部会のダミロラ・オラウィ議長は、日本でもこの指導原則への認識が「徐々に高まっている」と言いつつ、日本のすべての企業が積極的に「人権デュー・ディリジェンス」(HRDD)、すなわち人権に対する継続的な取り組みを推進するよう何度も念を押した。

 ジェンダーギャップ指数が146カ国中125位という日本。来年6月、国連人権委員会に提出される最終報告書は、おそらく厳しい内容になるだろう。真摯に受け止め、現状を改善していかなければいけない。


ゲスト / Guest

  • ダミロラ・オラウィ / Damilola Olawuyi

    議長

  • ピチャモン・イェオパントン / Pichamon Yeophantong

    アジア太平洋地域メンバー

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