2025年07月29日 14:00 〜 15:30 9階会見場
「『コメ』はいつまで主食かー価格急騰を考える」(9) 千本木啓文・週刊ダイヤモンド副編集長

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会見リポート

コメ騒動後も続く懸念

砂本 紅年 (東京新聞経済部)

 蓄積された取材と鋭い洞察力で、近年の農業ジャーナリズムをリードする千本木さん。自民党農林族、農協、農水省の「農政トライアングル」に近いとされる日本農業新聞の記者から、農協や農家の批判も辞さない「野党」側の記者に転身したという異色の経歴を持つ。どんな論点が繰り出されるのか楽しみに会見に参加させていただいた。

 「コメ騒動の後始末」という演題の通り、千本木さんの目下の関心事は、小泉進次郎農相就任後に放出された随意契約による備蓄米の影響で、今後スーパーのコメ価格がどこまで下がるか、という問題だ。

 既にコメの民間在庫量は過去の暴落時を大幅に上回っており、「政府による市場介入がうまくいった試しはない。コントロールできないのではないか」と価格の暴落を懸念した。千本木さんが重点的に取材しているのは、将来の農業を担う意欲的な大規模農家や企業だ。こうしたビジネスマインドのある生産者にとって価格下落の影響は大きく、農業法人の倒産件数が増加するのではないかと危惧した。

 弱体化する農協組織の現状やその背景をはじめ、農業の産業化に向け注目される企業の取り組み、低コスト化の試みなどについても説明。サプライチェーンを含め農業全体が変革のフェーズにあり、カルローズ米と競合できる価格帯での国産米が現実味を増していることも強調した。

 政治に対しては、農家の創意工夫やアニマルスピリッツを引き出す政策を要望。「農業が発展していくためにはジャーナリズムも発展していくべき」と後進記者への期待も示した。

 ダイヤモンド社は、農家アンケートなどの独自調査を通して特ダネをつかみ、雑誌、ネットともにマネタイズに成功しているという。同業者としては新しいメディア像を考える上で非常に興味深かった。


ゲスト / Guest

  • 千本木啓文 / Hirobumi SENBONGI

    週刊ダイヤモンド副編集長

研究テーマ:「『コメ』はいつまで主食かー価格急騰を考える」

研究会回数:9

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