2019年12月06日 15:30 〜 17:00 9階会見場
「朝鮮半島の今を知る」(38) 韓国検察の改革 ファン・ボヨン韓国YTN東京特派員

会見メモ

韓国のニュース専門ケーブルテレビ局YTNのファン・ボヨン記者(東京特派員)が、韓国の検察の現状と問題点、改革の行方について話した。

司会 五味洋治 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)

通訳 イ・チュンギョン(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

「強すぎる検察」の改革へ

安尾 芳典 (共同通信客員論説委員)

 韓国では多くの大統領が検察に相次いで逮捕されており、「検察共和国」とやゆされる。

 韓国の文在寅大統領は、検察改革を推し進めているが、法相に任命した元ソウル大教授の曺国氏が自身の疑惑のため就任約1カ月で辞任してしまった。文氏の目玉公約である検察改革はどうなるのか。

 ファン氏はニュース専門テレビ局、YTNの司法記者として2010年から2年間、検察を担当した。

 韓国で検察改革が重要課題となっている理由として(1)検察が政治に深く関与しすぎている(2)検察の権限が警察よりも非常に大きい(3)検察の態勢が政界を捜査する特捜部と治安を担当する公安部中心に偏りすぎている-の3点を挙げた。

 検察による政界の捜査については、新政権が発足すると、検察は野党側の弾圧のため捜査を行い、影響力を示すことが多いという。これは新政権への忖度のためだ。また政権末期になると、今度は次期政権の行方を念頭に政権側への捜査にも乗り出し、存在感を見せつけるという。

 検察と警察の関係では、警察の捜査を終結できる権限や警察への捜査指揮権を検察が持っており、裁判所への逮捕令状の請求も検察のみが行うという。上記の2点は改革できそうだが、令状請求権は憲法上の規定のため改革が難しいそうだ。

 検察内の態勢問題では、公安部が反体制運動で北朝鮮と関連付けて事件をでっち上げ弾圧することが大きな問題だった。32年前の民主化後はなくなった。今後は、刑事部や公判部に重点を置く改革を図るという。

 検察改革の柱は、 政治家や官僚の権力犯罪に対する捜査権を検察から受け継ぐ独立機関「高官犯罪捜査庁」の設置で、法案も国会に提出している。だがトップの任命方法を巡り野党が反対し、法案成立は難航している。多くの国民が求める検察改革をどこまでできるか不透明だ。


ゲスト / Guest

  • ファン・ボヨン / 황보연

    韓国

    韓国YTN東京特派員

研究テーマ:朝鮮半島の今を知る

研究会回数:38

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